2006年12月12日

安売りされても頑張れ Jonathan Rice 「Trouble Is Real」

怒涛の更新蟲も3日間で追い出すつもりだったんだけど、ちょっと前回のジャケ写をいつまでもトップに置いとくのも気が引けるので、もう一つ書くね。妙なところで常識が働く僕。「調子に乗って毎日長文ばかり書きやがって!」というおっしゃるあなた、今日のは短くするから心配しないで(笑・書き終わってみるとそんなに短くありませんでした。ごめん)

Trouble Is Real.jpg Jonathan Rice 「Trouble Is Real

というのも、このアーティストのことを僕は殆ど知らないから。でも、去年からあちこちでこのジャケを見かけて、ずっと気になっていたんだ。いや、特に綺麗とか面白いとかそそるとかいうジャケでもないんだけど(右下の三白眼の恐竜を除く)、なんとなくこの手のジャケって最近のアシッドフォーク系の人なのかなって感じがしてたし、それにこの苗字から、ダミアン・ライスと混同してたところもあったのかも。

ジョナサン・ライス。83年生まれというからまだ弱冠23歳。このリプライズレーベルからのデビューアルバム以前に数枚のEPを発表しているようだが、それらも含めて僕の知る限りではまだ日本には紹介されていないはず。この落ち着いたハスキーな声からはとてもその年齢は想像できないが、写真を見るとかなり今風の可愛い系若者。僕は日本のアイドル(特に男性)はよくわからないのでうまい例えが思いつかないが、ちょっと若い頃のマシュー・スイートや中村一義みたいな感じ? …すみませんね、あくまでマイフィールド内で例えて。

1時間弱に16曲も入ったこのアルバム、いい意味で僕の予想は完全に裏切られた。最初に書いたように、僕はこの人のことをきっと最近流行りの(アシッド)フォーク/シンガー・ソングライター系だと勝手に想像していたんだけど…

冒頭の曲はいきなりストリングスのインスト。へえ、結構大仰な感じなんだね、と思っていたら、そのままメドレーで繋がる二曲目、そして三曲目はかなり力強いアメリカンロック。スプリングスティーンが言いすぎであれば、(声の種類は全然違うけれど)まるでトム・ぺティやウォーレン・ジヴォンのよう。かなり高揚するよ、これは。

と思えば、ギターの弾き語りでぽつぽつと歌う曲あり、女性とデュエットする曲あり、古いラジオから聴こえるような音でずっと引っ張る曲あり、途中からまた弦とブラスが大々的にフィーチャーされる曲あり、とかなりバラエティに富んだ内容になっている。うん、これは聴いてて飽きないね。面白い。

そういうアレンジで聴かせる分、曲作りにそれほど長けているわけではないかな。悪くはないんだけどね。歌詞カードがついてないけど、どこかで調べてちゃんと歌詞を聴きとってみたいな。あ、6曲目はジェシ・ハリス(ノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」の作者)との共作。ジェシがギターと、何とドラムで何曲かに参加してるぞ。ふむふむ、そういう人脈の人なんだね。

あ、ラスト前にちょろっと入ってるのは、バーズ、というかグラム・パーソンズの「Hickory Wind」か。なるほど、そういう趣味の人でもあると。

僕が行くようなレコード屋では結構露出があったCDなんだけど、どうもそれほど売れているという訳でもないようだ。アフィリエイトしようかと日本のアマゾン検索してみたら、なんと出てこないし。実は僕がこれを手に入れたのも、いつものレコ屋の地下室の6ドル箱で。うーん、このまま話題にもならずに消えてしまうのかなあ。勿体ないよなあ。確かに話題性はないかもしれないし、超名盤という訳でもないんだけど、そこはかとなくいいのに。

CDのブックレットに、通常の謝辞とは別に本人からの一文が載ってて、それがちょっと気の利いた書き方なんで引用するね。長いんで全文は書かないけど。

「このCDが、僕達がちょっと飲みに出かけてる間に楽器が勝手に演奏を始めて録音されたものだなんて言っても信じない人もいる。そういう人たちは、サブリナ・デュイムがカリフォルニアからはるばるハープを弾くためだけに来るわけがないと言うし、可愛いエイミー・ホフマンがバーで酒をサーブする合間に僕が歌えないパートを歌ってくれたなんてことはありえないと言う(以下、そういう感じで各パートのメンバーをちょっとコミカルに紹介)。まあとにかく、プロデューサーのマイクと僕は、彼らが何もしなかったであろうとも、彼ら全員に感謝します」

なんかこういうちょっとひねくれた自虐的な言葉のセンス、好きだな。このなかなか優れたデビューアルバムをたった500円足らずで手に入れた罪滅ぼしに、まだ廃盤にはなっていないらしい以前のEPを定価で買って応援してあげようかな。あと、彼のサイトに載ってるTシャツも妙に僕の気を引くし(笑)


…これで記事を締めようと思って、念のためもう一度、今度はアーティスト名でなくアルバムタイトルでアマゾンジャパンを検索してみたら、なんと!780円で出てるぞ。なんだこれは?一応上の写真の横のオレンジ色になっているところにアフィ貼っておくから、興味のある人は是非買ってみて。その値段なら買いだと思うよ。用心深い人は、試聴用サンプルで2曲目とか3曲目聴いてごらん。
posted by . at 18:59| Comment(9) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする