2006年12月02日

yascd005 メリー・クリスやすCD

11月4日記事のコメント欄を読まれていない方にはなんだかよくわからない駄洒落タイトルかもしれないけど、とにかくそういう理由で作り始めたミックスCDが、依頼されてから一ヶ月近くかかってしまったけど、ようやく完成した。

正直言って、こいつはちょっと難産だったね。もともと僕の手元にそんなにふんだんにクリスマスソングのCDがある訳ではなかったので、目ぼしいものを急いでアマゾンにオーダーし、あとは近場のCD屋のバーゲン箱からも何枚か掘り出して来た。それらを数回聴いてよさそうな曲をピックアップし、うまく流れができるように並べてみたのだが、出来上がったものを聴いてみるとどういう訳かあんまりクリスマスっぽいムードじゃない。全23曲中13曲ものタイトルに「クリスマス」って単語が付いてるというのに(素人チョイスで恥ずかしい。ほんとはもっと、歌詞をじっくり聴いたらクリスマスソングだってわかるような渋い曲を選びたかったんだけど)。

きっとその理由のひとつは、聴いただけで誰もがクリスマスを思い浮かべるような有名ヒット曲(既にこの界隈ではギャグになっているワム!やマライア・キャリー)や、定番スタンダードのカバー(「White Christmas」とか「Silent Night」とか)を極力入れないようにしたことかも。そういう曲は別に僕がここに入れなくても聴けるだろうし。

そんな感じで突貫工事で作ったので、かえでさんにリクエストされた、

 楽しいパーティを抜け出して、しっぽりすごすカッポーをイメージして…

なんていう高度な筋書きは無理でした(笑)。ごめんなさいね。

まあそういう訳で、この1ヶ月間(出張期間中を除く)頭の中にクリスマスソングを鳴り響かせながら作ったミックスなんで、多少出来が悪くても大目に見てほしい。では曲解説。


1.ポール・マカートニー (Paul McCartney)
Wonderful Christmastime

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79年のポールのシングル曲。僕が洋楽を聴き始めた頃のヒット曲なんで、すごく懐かしい。当時は「なんだこんな地味な曲」と思ってたけどね。現在は同時期のウイングスのアルバム「Back To The Egg」にボーナストラックとして収録されている。ちなみにこれは僕が最初に買った洋楽アルバム(当時はミュージックカセットだったけど)。


2.ジェームス・テイラー (James Taylor)
The Christmas Song (Chestnuts Roasting On An Open Fire)

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毎年この時期になるといろんなアーティストがクリスマス・アルバムを出すんだけど、今年は結構大物アーティストが揃ったようだ。これもその一つ。元々はファンクラブ向けだか何かで2年ほど前に限定的にリリースされていたものを一般発売したようだ。全編この調子で「JT、クリスマススタンダードを唄う」って感じの好アルバム。ちなみにこの曲、今回リストアップした殆どのCDでいろんなアーティストに歌われてるよ。この曲だけ集めて1枚ミックスCD作れるぐらいに(笑)


3.ベット・ミドラー&ジョニー・マティス(Bette Midler duet with Johnny Mathis)
Winter Wonderland / Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!

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これもつい最近出たもの。ジャケはちょっとなんだかアレだけど、内容はバラエティーに富んだ、調子いい時の彼女のアルバムに匹敵するもの。名曲「From A Distance」のクリスマス・ヴァージョンなんてのも入ってる。冒頭に定番スタンダードは入れないなんて書いたのに、ここ2曲はいかにもの選曲で悪いね。


4.ブライアン・ウィルソン (Brian Wilson)
On Christmas Day

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一方これは去年のシーズンに出たブライアンのクリスマス・アルバム。彼がビーチ・ボーイズ時代に書いた曲の再演、スタンダードのカバー、そして新曲と、やっつけ仕事のようでいて中々気合の入ったアルバムだった。これは彼のオリジナル。冒頭のフィル・スペクター風リズムがいかにも。


5.ビーチ・ボーイズ (The Beach Boys)
Little Saint Nick

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そしてこれが、ブライアンが40年前に書いたクリスマス・ソング。いわゆるスタンダード曲を除けば、このミックスCDの中では一番有名な曲かも。04年の暮れにオークランドでのブライアンのコンサートでは、この曲がオープニングだった(彼のその年最後のショーだった)。


6.ハンソン (Hanson)
Christmas (Baby Please Come Home)
7.ハンソン (Hanson)
Rockin' Around The Christmas Tree

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97年に「MmmBop☆」を大ヒットさせたハンソンを誰か覚えているだろうか。3人兄弟の、確か当時一番下のドラマーは10歳にもなっていなかったはずのアイドルグループ。絵に描いたような一発屋だったけど、僕は結構気に入っていたんだ。これはかの曲がヒットしていた頃にレコード会社が「今が書き入れ時」とばかりに過去の音源などいろんな便乗CDをリリースしていたうちの一環。さっきのビーチ・ボーイズもそうだったけど、アイドルバンドのクリスマス・アルバムだ。今回の企画のために殆ど10年ぶりに引っ張り出してきて聴いてみたんだけど、これが見事にはまってしまった。いいよ、これ。声変わり中の真ん中のお兄ちゃんが歌う6、「MmmBop☆」でもリードヴォーカルを勤めていたちびっこが歌う7、僕はどちらもこのセレクションから外せなかった。もしこの2曲を気に入った人がいれば、彼らのCDは皆中古屋で100円ぐらいで簡単に見つかるので、是非どうぞ。僕はこないだ日本で、彼らが大きくなってから出したライヴ盤を300円で買ったよ。


8.エイミー・マン (Aimee Mann)
Whatever Happened To Christmas

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実は僕は基本的に女性ヴォーカルってあんまり聴かないんだけど、この人は別格。この、ちょっと低くて艶のある声が最高にいい。これも今シーズンに出たクリスマス・アルバムから、ジミー・ウェブのカバー。彼女は自分でも優れた曲を書くんで、このミックスCDにもう1曲彼女の自作曲を入れる予定だったんだけど、収録時間の関係でやむなく最後に落とした。


9.リヴィングストン・テイラー (Livingston Taylor)
My Perfect Christmas Day

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ジェイムスの実弟。お兄ちゃんがなめらかなシルクのような声だとしたら、彼のこの洗いざらしたコットンのような声もまた魅力的。これはクリスマス・アルバムではないが、去年出た彼の最新作から。近頃日本では彼の旧作が紙ジャケで再発されたり、久々の来日公演が予定されていたりと、ちょっと盛り上がってるみたいだね。


10.ブルース・スプリングスティーン (Bruce Springsteen)
Santa Claus Is Coming To Town

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75年のライヴ録音。元々は「In Harmony 2」というオムニバスアルバム用の録音だった。ここに写真を載せたのは、アルバム「Born In The U.S.A.」からの何と7枚目のシングルカット曲「My Hometown」。いかに大ヒットアルバムとはいえ、いや、誰もが既に持ってる大ヒットアルバムだからこそ、そこから7枚もシングルを切ってももう誰も買わないだろう、しかもこんな地味な曲を、と思ってたら、なんとB面にこのライヴを持ってくるという卑怯な手に出たのをよく覚えている。そう、あの時点でこのブルースがカバーしたクリスマスソングは、滅多に手に入らない貴重なものだった。僕も泣く泣くそのシングル盤を買ったものだが、思えばあれが、僕がこの人に対して大きなクエスチョンマークを持ち始めた最初だったかもしれない。だって、その2枚前の名盤「The River」(はい、また出ましたよ)からのシングルカットは、アルバムのリードトラックだった「Hungry Heart」と、地味な「Fade Away」の2枚のみ(後者はB面の「Be True」の方がよっぽど魅力的なので、皆そちらを目当てに買ったものだ)。しかも、後に「Tracks」で大々的に披露されるように、あの時期の彼はシングルB面に使えるような佳曲を山ほど作っていたにもかかわらず、だ。そして、この「My Hometown」のCDシングルは今でも廃盤にならずにカタログに残っている。何故って、このライヴ録音は今に至るまでどのベストアルバムにも入らず、このシングルでしか聴けないからだ(他所で出ているオムニバスのクリスマス・アルバムは除く)。ほら、こんなにA面の曲名よりもでかでかと赤字でタイトル書いて… ああ、つい熱くなってこんなに書いてしまった。


11.イーグルス (Eagles)
Please Come Home For Christmas

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英米の著名アーティストなら誰もが一度は出すクリスマス・シングル。イーグルスも例外ではない。これは確かアルバムで言うと「Hotel California」と「The Long Run」の間だったかな。ということは、もう内部に不協和音が出てきてゆっくりと解散に向けて滑り落ちていた頃か。でもこれはいい曲。ドン・ヘンリーがこの手の曲を書いてこの声で歌えば、たいていはOKと。僕の持ってるのは日本盤7センチCDシングルだが、その写真だとジャケ写が小さくなりすぎるので、ここでは日本盤アナログシングルの写真を載せた。


12.デイヴ・エドモンズ (Dave Edmunds)
Run Rudolph Run

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よし、ちょっとここらで「楽しいパーティー」に趣向を変えよう。これは元々、映画「Party Party」(僕は未見)に使われた曲。僕はそのサントラは持っていないので、何枚も持っている彼のベスト盤のうちの一枚から取った(ええ、ベスト盤ごとにこうして他のオリジナルアルバムに入ってない曲がちょっとずつ入ってるので、どれもこれも買わないといけないんですよ)。


13.ジェームス・テイラー (James Taylor)
Have Yourself A Merry Little Christmas

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yascd003にも入れた彼の02年のアルバムから。実は今回のクリスマス・アルバムにも再録されているんだけど。このミックスCDは基本的には一人一曲にしたかったんだけど、さっきのハンソンとこの人はちょっと例外。


14.ホール&オーツ (Daryl Hall & John Oates)
No Child Should Ever Cry On Christmas

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これも最近の新作。本当に今年は多いなあ。でもこれはどうやら日本だけでの発売みたい(アメリカではオンライン販売のみ?)。ホール&オーツ、かつての栄光は今いずこ、って感じで寂しいね。でもこれもいいアルバムだったよ。6分もあるんでこのミックスCDには入れられなかった冒頭の「The First Noel」とか、彼ら流ブルー・アイド・ソウル・クリスマスって感じで。この曲はジョンの自作で、リードヴォーカルも彼。このデュオってどうしてもダリルにスポットが当たりがちだが、ジョンもなかなかいい曲を書くよね。


15.ベン・フォールズ・ファイヴ (Ben Folds Five)
Brick

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yascd002にも入れた彼らの、この曲はセカンド・アルバムから。このジャケは再発されたボーナストラック入りのもの。正確にはこれはクリスマス・ソングではないけど、クリスマス翌朝の別れを描いた(?)悲しい、でも名曲。


16.グレグソン&コリスター (Gregson & Collister)
Snow In Philadelphia

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これもyascd002に入れたエニー・トラブルの元リーダー、クライヴ・グレグソンと、フォーク歌手クリスティン・コリスターとのユニット。これもまたクリスマス・ソングではないけれど、12月の冬の恋をしっとりと歌った曲。


17.チーフテンズ (The Chieftains)
Past Three O'Clock

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アイルランドのチーフテンズが豪華なゲストを迎えて作成した、91年のクリスマス・アルバムから。これにはルネサンス・シンガーズというコーラス・ユニットが参加している。ちょっとここからケルト風味のクリスマス・ソングを続けるよ。


18.ポーグス (The Pogues)
Fairytale In New York

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僕の世代のクリスマス・アンセム。スティーヴ・リリワイトのプロデュースによる、彼らのアルバムでは最も端正な音を聞かせる88年のサード・アルバムから。そしてそのお陰で実現した、(後に遊泳中ボートに轢かれるという壮絶な亡くなり方をすることになる)プロデューサーの奥方カースティ・マコールとのデュエット。アメリカン・ドリームを夢見てアイルランドからはるばる渡米したが、今は夢破れてしまった夫婦が過去を懐かしむクリスマスの日、という切ないストーリー。


19.ジャクソン・ブラウン (Jackson Browne)
The Rebel Jesus

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これも厳密に言えばクリスマス・ソングではないけれど、キリストを「反逆者」と逆説的に呼んだ(歌詞をちゃんと読めば決して悪い意味ではないというのがわかるのだが)この曲は、最近出た彼のアコースティック・ライヴ・アルバムの最後でも感動的に歌われていた。僕の調べた限りではこの曲は彼のオリジナル・アルバムには入っていなくて、ここに写真を載せたベスト盤、そしてさっきのチーフテンズのクリスマス・アルバムに別ヴァージョンが収録されているのみ。こんなにいい曲なのにな。


20.コーギス (The Korgis)
Wish You A Merry Christmas

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隠れた名ポップ・ロック・バンド、コーギスのベスト・アルバムより。このちょっと地味な曲の邦題は、歌詞から取った「クリスマス・イン・ジャパン」。でも、「クリスマスにこんなとこにいないで早く帰りたいよ」って内容なんだけどね(笑)


21.ロリ・カーソン (Lori Carson)
Christmas

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彼女のことを、僕は元ゴールデン・パロミノズのヴォーカルとしか認識してなかったんだけど、どうやら彼女がそのグループに在籍してたのはほんの一時期だったようだ。でもこのアルバムのプロデューサーはパロミノズのアントン・フィア。音は全然違って、おごそかな感じ。これは特にクリスマス・アルバムという訳ではないんだけど。


22.山下達郎 (Tatsuro Yamashita)
Christmas Eve (English Version)

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思いっきりベタですみません(笑)。でもここでは英語ヴァージョンを入れることにしよう。高校生のときに「Melodies」のLPを買って以来、好きな曲。今やどんなにあちこちで使い倒されて手垢がついていたとしても。


23.オスカー・ピーターソン (Oscar Peterson)
A Child Is Born

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最後は、ジャズピアノでしっとりと閉めよう。これはヴァーヴ・レーベルのクリスマス・アルバムから。僕はジャズにそんなに強いわけではないんだけど、こういうのは聴いてて気持ちいいというのはわかる。


以上、全23曲、79分06秒。CD-Rに落としてさっきから聴いてみてるけど、先日から頭の中でジングルベルが鳴り響いてる僕の頭では、もうこれがいい出来なのかどうか判断できない(笑)。是非誰かに聴いてもらって、このCDがその人の今年のクリスマスの楽しい思い出の一端にでもなればいいな。
posted by . at 22:15| Comment(29) | TrackBack(0) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする