2006年10月29日

心の鎮痛剤 Tamas Wells 「A Plea En Vendredi」

Plea en Vendredi Tamas Wells 「A Plea En Vendredi」

先日、友人に会うために訪れた小さな街のCD屋でふと見かけたアルバム。
僕はそのグループの名前さえ聞いたことがなかったのだが、この無機質なジャケットにまず惹かれて手に取った試聴機のヘッドフォンを、最後の曲まで耳から離すことができなかった。

タマス・ウェルズ。ミャンマー出身のオーストラリア人シンガー・ソングライターが自分の名前を冠した4人編成のグループ。とはいえ、リズム楽器は非常に控えめに、タマスの声とギター、そしてピアノをサポートするにとどまっている。

なんというデリケートで儚い音だろう。こんな紹介文を書いておきながら甚だ申し訳ないが、僕は自分の拙い日本語でこの美しい音楽をきちんと説明することができない(いや、他の言語ならできるという意味じゃないよ)。

二つのインストゥルメンタルを含む全11曲。わずか33分の、ささやかな短編集のようなアルバム。

ライナーノーツによると、彼はオーストラリアからのNGOで医師として働く妻とともに、ミャンマーでエイズ教育の地域医療プロジェクトに関わっているという。そのライナーが結論付けているように、彼のその経験がこの美しい音楽を生み出したのかどうかは、僕にはわからない。

でも、日本盤CDの帯にある、

  「すべての痛みを除去する、この世で最も純潔な歌声」

というコピーが、このアルバムを如実に表現していると思う。心が痛んだときに聴いていたい音楽をまたひとつ見つけたことを喜びたい。
posted by . at 16:54| Comment(26) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする