2006年10月26日

yascd004 クッキング・タイマー

怒涛の記事更新が売りの「喰いしん坊 犯罪!」というブログで、妙に僕の心の琴線に触れる記事に出会ってしまった。詳しくはそちらを読んで貰えばいいんだけど、要は、料理をしている時の3分や7分という待ち時間をなんとか楽しく過ごせないだろうか、という話。その際、例えば3分ぴったりで終わる曲がかかっていれば、時計とにらめっこしていなくてもすむのにね、と。いいアイデアだよね。元々はそこのブログ主と僕の共通の友人である発明家の方にそういうプログラムができる機械を作って欲しいと持ちかけられた話だったのだが、その発明家の方は最近どうも忙しくされているようなので、僕が横から割って入ったというわけ。

それが一昨日の話だったんだけど、一体この話の何がそんなに僕を突き動かしたんだろう。もうそれからというもの、別に頼まれたわけでもないのに、あたかもかぐや姫に求婚して幻の宝を持って来なさいと無理難題をふっかけられた男たちの如く、自らを急き立てて二晩で完成させてしまった。yascd第四弾、音楽を聴くだけで時間も計れる、一石二鳥のクッキング・タイマー!


まずはルール決めから。最初はカップヌードル3分とか、そういう料理によく使われる時間単位の曲を入れていこうと思ったのだが、それよりも組み合わせによって何分でも計れるものにした方が便利じゃないかということに気づいた。CDの1曲目が1分、2曲目が2分、という具合に。そしたら、12曲入れれば78分。ほぼCD1枚のキャパに相当することになる。これなら、1分から78分まで、1分刻みで何分でも計ることができるよ。それに、1曲目が1分、12曲目が12分って決まってれば、CDプレーヤーやPCで選曲する際に待ち時間相当の曲番号を押せばいいだけだから簡単だし。しかもこれは、12曲しか入っていないのに、同じ曲が二回かからないようにしても、おそらく数百通りの選曲ができるはず。例えば5分待つ場合、

?5曲目
?4曲目+1曲目
?3曲目+2曲目

の三通りがあるよね(順序を入れ替えたら更に二通り増えるし)。本当は全部で何通りできます!って書きたかったんだけど、よくわからない。どなたか算数の得意な方、計算お願いします。

本当は、1:00なら1分ちょうどの曲を集めたかったんだけど、さすがにそれはちょっと無理があった。家中のCD引っ掻き回せばなんとかそういう曲が集まらなくもなかったんだろうけど、一応聞いて楽しめる作品にするためには、多少の誤差には目をつぶらざるを得ないと妥協した。でも、僕は「喰い犯」の記事で提案してもらった

20秒程度の誤差ならいいじゃないですか。

なんて甘い規律は自分には課さないから。毎分00秒からプラスマイナス5秒。そこまで。最後がフェードアウトで終わる曲なら、フェードアウトの時間よりも短い誤差になるはず。いくら長年のアジア生活で実生活ではひたすら時間にルーズになってるとはいえ、こういうところはきちんとするよ、僕は。

さすがにこれは自縄自縛かと思ったけど、やってみたら思いのほか簡単に集まった。しかもプラスマイナス5秒どころか、一番離れた曲で4秒差。長いのも短いのもあるから、全12曲で合計78分06秒。これは上出来だろう。しかも、曲調とかでなく時間で並べた曲集のわりには、予想外に流れがスムーズな気がする。それこそフレンチ・フォークから、英ニュー・ウェーヴ、アメリカン・ロック、プログレなど、曲調も滅茶苦茶なはずなんだけど。いや、さっきから自画自賛ばかりして申し訳ないけど、こんな適当なきっかけで作ったミックスCDのわりには、今朝からかなり気に入って聴いてるよ。



では、一応曲目紹介を。

1.カーラ・ブルーニ (Carla Bruni)
  La Derniere Minute (1:04)

Quelqu'un M'a Dit.jpg

イタリアの女優である彼女が、フランス語で歌った02年のデビューアルバム「Quelqu'um M'a Dit」から。僕はその年にパリに旅行に行って、たまたま訪れたCD屋で(というかCD屋ばっかり行ってたんだけど)一押しだったこのアルバムを彼女が誰かもよくわからずに買ってきたんだけど、これが大当たりだった。女優が片手間でやってるとは思えないほどの優れたアルバム。この曲はそのアルバムの最終曲。よく出来たエンディングの曲はオープニングにも使えるという見本(使えてるかな?)。


2.ロックパイル (Rockpile)
  Now And Always (1:58)

Seconds Of Pleasure.jpg

デイヴ・エドモンズとニック・ロウがこの名義で発表した唯一のアルバム「Seconds Of Pleasure」(80年)から。パブロックファンのバイブルみたいなアルバム。特にこの曲は、そのアルバムのおまけEPで二人がカバーしていたエヴァリー・ブラザーズ風の見事なコーラスが最高。この二人の声って、ほんとにこうしてコーラスすると合ってるよね。誰が見てもお似合いの組み合わせだったのに、些細な理由で別れてしまったのがいかにも残念。最近二人とも新作を発表してないけど、そのうちまた一緒にやってくれないかな。


3.エルヴィス・コステロ&アトラクションズ (Elvis Costello & The Attractions)
  Oliver's Army (2:59)

Armed Forces..jpg

ここはパブロックつながり、というかニック・ロウつながりかな。ニックがプロデュースしたコステロの初期の名盤「Armed Forces」(79年)から。最近はすっかり落ち着いたジャズヴォーカルのおじさんになってしまったけど、この頃のコステロのこういうメロディーのきらめきは唯一無比だったね。スティーヴ・ナイーヴのピアノも最高。


4.XTC
  The Mayor Of Simpleton (3:57)

Oranges & Lemons.jpg

個人的にはXTCの全盛期(の終焉時)に発表されたと思っている89年の「Oranges & Lemons」からのリード・シングル。このベースラインがたまらなく格好いい。前回の記事にも彼らの限定盤変形ジャケットを載せたけど、僕が持ってるこの「Oranges & Lemons」も、7インチCDが3枚、キャラメルの箱みたいな紙箱に入ってるという限定仕様。さっきから探してるんだけど見当たらない… しょうがないから通常ジャケットの写真を載せておくけど、そのうち見つけたら写真を差し替えよう。


5.トッド・ラングレン (Todd Rundgren)
  Just One Victory (4:58)

A Wizard, A True Star.jpg

4のXTCと関係なくもないけど、それを書き出すと長くなるので割愛。yascd003にも入れた天才的シンガーソングライターの、「神がかり的な」凄いアルバムのうちの一枚「A Wizard, A True Star」(73年)から。僕が何回か観に行った彼の(あるいは彼のバンド、ユートピアの)コンサートで、ほぼ毎回アンコールでこの曲が演奏されるのを聴くたびに背筋がぞくっとしていたのを思い出す。


6.ダイア・ストレイツ (Dire Straits)
  Romeo & Juliet (6:01)

Making Movies.jpg

中学生の頃に初めて聴いて以来、ずいぶん長い間僕の無人島レコだった80年の「Making Movies」から。85年の「Brothers In Arms」で大ブレイクして超巨大バンドになってしまう前の、本当に味のある曲を書いていた頃の彼ら。リーダーのマーク・ノフラーは解散後逆に地味地味のアルバムばかりを発表しているけど、もう一度こういうアルバムを作ってくれないかなあ。


7.ブルース・スプリングスティーン (Bruce Springsteen)
  Rosalita (Come Out Tonight) (7:04)

The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle.jpg

彼の曲は、5分のところに丁度5:00である「The River」を入れようかどうしようか散々迷ったんだけど、やっぱりこの初期の名曲を外すことはできなかったのでこちらに決定(別に同じアーティストの曲を複数入れてもいいんだけど、これもまた自縄自縛ルールの一つということで)。73年の「The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle」から。ほとばしる言葉の洪水が、それ自体が物語であるような曲調に乗って歌われるこんな素晴らしい曲を彼はもう書けなくなってしまったけれども、僕は大阪城ホールで観た彼がアンコールでこの曲を演ってくれたのを忘れない。


8.ジェネシス (Genesis)
  Dancing With The Moonlit Knight (8:04)

Selling England By The Pound.jpg

まだジェネシスのリードヴォーカリストがピーター・ゲイブリエルで、フィル・コリンズがドラムに専念していた頃の名作「Selling England By The Pound」(73年)からの、そのアルバムタイトルが歌い込まれた実質上のタイトルトラック。ちなみにそのタイトルは、「イングランドを英ポンドで売る」と「イングランドを切り売りする」の掛詞かな。さっきの曲からのつながりがちょっと不自然かも知れないけど、ここはLPでいうA面とB面の切り替わりだと思ってほしい(本当はこれからどんどん曲が長くなっていくんで、ちっとも全体の半分じゃないんだけど)。ここからしばらくプログレになるよ。Lunaさん、お待たせしました(笑)。


9.イエス (Yes)
  Siberian Khatru (8:57)

Close To The Edge.jpg

おそらく誰もがイエスの最高傑作と認めるであろう、72年の「Close To The Edge」からの最終曲。以前の記事に書いたけど、こういうのを聴くと、いかにピンク・フロイドとかがテクニックでなくムード重視のプログレ・バンドかというのがよくわかる(笑)。オープニングから最後のフェードアウトまで、超絶テクが満喫できる9分間。


10.キャラヴァン (Caravan)
  L'auberge Du Sanglier / A Hunting We Shall Go / Pengola / Backwards / A Hunting We Shall Go (Reprise) (10:03)

For Girls Who Grow Plump In The Night.jpg

カブ子さんお待たせ(笑)。カンタベリー派からはキャラヴァンを入れよう。73年の「For Girls Who Grow Plump In The Night」からのメドレー曲。丁度10分のところでドカンと大きな音が鳴って終わるから、うっかり何のためにこの曲を聴いていたか忘れた場合にも安心です(笑)。それにしても、さっきからなんだか73年発表の曲が多いなあ。これは何の偶然なんだろう。


11.フィッシュ (Phish)
  David Bowie (10:59)

Junta.jpg

えーと、デイヴィッド・ボウイの「Phish」じゃなくて、フィッシュというバンドの「David Bowie」という曲だからね(とは言え、歌詞は別にその有名歌手とは殆ど関係なく、単なる言葉遊び)。今はもう解散してしまった僕のお気に入りグループのデビューアルバム「Junta」(88年)から。ジャム・バンドの代名詞ともなった彼らの代表曲の一つ。元々がこんな長い曲だけど、数多く出ている彼らのライヴアルバムでは、これを更に引き伸ばして演奏している。ドライヴ中なんかに聴くと、最高。


12.へヴィーズ (The Heavy's)
  Slow Down Mix (12:02)

The Heavy's.jpg

これはちょっと反則か?僕もあんまりよく知らないんだけど、いろんなハードロック/へヴィ・メタル系の曲をメドレーにして、本物に似せて歌ったアルバム(全4曲)のうち、スローバラード系の曲を繋げたもの。超有名曲から僕もよく知らないマイナーな曲まで14曲がごちゃ混ぜに入ってて、この辺の曲を知ってる人なら聴いててそれなりに楽しめるかもね。まあ、反則かもしれないけど、この最後の曲は依頼主の、ハードロックファンでもあるかえでさんに捧げる、ということでよしとしよう。



曲を探していると、やっぱり3分、4分、5分あたりの曲はざくざく出てきたから、もし今回選んだ曲が気に入らない人用には別バージョンも作れるかも。例えば、もっとハードな曲を入れてほしいという人には、5のところにラッシュ(Rush)の「The Spirit Of Radio」(4:59)を入れるとか。あとは、オープニングはもっとでたらめでもOKという人のために、1にレジデンツ(The Residents)の「Commercial Album」(1分の曲が40個入ってる)から何か適当なのを一曲入れるとかね。

まあともかく、以上暫定12曲。こんなミックスCD作ったら、誰かタイマーとして使ってくれるかなあ。僕はそんなに料理するわけでもないから、室内で運動するときにでも使おうかな。ルームランナー30分とかね。
posted by . at 20:01| Comment(23) | TrackBack(1) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする