2006年10月07日

帰ってきた! Gin Blossoms 「Major Lodge Victory」

Major Lodge Victory.jpg

ドラムの音から始まるアルバム。
このブログを定期的に読んでくれている方の中にも何名かおられる、ブルース・スプリングスティーンの「The River」を愛聴されている方なら、あのアルバム冒頭、「The Ties That Bind」のスネアの一音がどれだけ胸躍らせるものか判っていただけるだろうか。このジン・ブラッサムズのニュー・アルバム「Maojor Lodge Victory」を聴き始めてまず思ったのはそんなことだった。ついでに言うと、このアルバム1曲目「Learning The Hard Way」のイントロのドラムパターンは、同じ「The River」からでも「Two Hearts」のものと全く同じだ。身震いするほど格好いい音。これから始まる最高のロックンロールアルバムの幕開けを宣言しているような。

一月ほど前の記事「yascd002」に、このグループについても書いた。21世紀を迎えることのできなかった、アメリカ音楽の良心。そう、このグループは96年の名作「Congratulations I'm Sorry」を出して、解散した。実は僕もその記事を書くために久しぶりにベストアルバム(記事中にジャケット写真を載せたもの)を引っ張り出してきて聴き、やっぱりオリジナルの「Congratulations〜」を持っていたくなって、その記事を書いた後、中古屋でそれを入手したばかりだった(500円弱で売られていたのには、得したような、自分のお気に入りが捨てられているのを見て悲しいような、不思議な気分だったが)。

先日のアメリカ出張で、最後の最後、LAXでの乗り継ぎ時間に空港を抜け出し、近場のレコ屋に駆け込むことができたのだが、そこで何の気なしに「G」のコーナーを見ていたら目に飛び込んできたのがこのアルバム。おや?見慣れないジャケ…と思ったら、なんと06年発売の新譜! もう既に世間一般には忘れ去られたグループが、僕がブログの記事にした途端に10年振りの再結成アルバムを発売し(実際は僕が知らなかっただけで、このアルバムは僕の記事より1ヶ月ほど前に出ていたらしいが)、そのCDがたまたま訪れたレコ屋の「G」のコーナーを見た僕の目に留まって、今ここにある。なんだか高いところから見ている人が仕組んだような偶然…

アルバムによって音を変えるような人達じゃない。3分台、4分台の曲が全12曲、どこを取っても奇をてらったところはない。曲調だって、ワンパターンと言ってしまえるかもしれない。飛びぬけた演奏テクニックがあるわけでもない。ただ、切なくなるようなメロディーと芳醇なハーモニーを、おそらく今まで何千回とこなしたであろうライヴで鍛えた確実な演奏に乗せているだけ。それが、最高。このアルバムジャケットが象徴しているような、アメリカのどこか田舎のハイウェイを、青空の下(でもちょっと曇ってる)をどこまでもドライブするような感じ。

さっき書いた冒頭の曲もいいんだけど、2曲目「Come On Hard」もまたいい。僕には、LPのA面2曲目に名曲が入っているアルバムに外れはないという持論があるんだけど(それについてはまた別途記事を書こう)、このアルバムもまたそれに当てはまるかも。引き続きスプリングスティーンの「The River」を引き合いに出すと、実は僕があのアルバムで一番好きな曲は「Sherry Darling」だったりする。

再結成と書いたが、メンバーを見ると、オリジナルのドラマーは戻ってきていないようだ。残念だけど。でも、最初にも書いたけど、それを知らずにまず聴いてみて、もうとにかくこのアルバムを聴いて僕の印象に残るのがドラムの音。あとベースも。これは録音がしっかりしているということに加えて、やっぱり演奏自体がいいんだろうね。アメリカで地道に生き残っているこういうバンドのライヴが悪いわけないから、是非一度観てみたい。偶然の神様、なんとか次の手を仕組んでくれないだろうか。
posted by . at 04:30| Comment(6) | TrackBack(0) | アルバム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする