2006年09月26日

Zero 7 「The Garden」

The Garden7月20日に行ったホセ・ゴンザレスのコンサート会場で拾ったチラシに、ゼロ7のニューアルバムにホセが参加していることが書いてあった。翌21日の僕のコンサート記事を読んだ人なら、僕がどれだけあのライヴにやられてしまったかを覚えているかも知れないけど、実は、22日にはそのゼロ7の「The Garden」をろくに試聴もしないで買ってしまっていたのでした。ホセがそのアルバム中の何曲にどうやって(歌かギターか)参加してるのかも調べないうちに。まあ、ジャケ買い、衝動買いはいつものことですから。

ゼロ7のCDを買うのはこれが初めて。これまでの2枚のアルバムもいろんなところで聴く機会があり(結構売れたからね)、それなりに好きな音だったんだけど買わなかったんだよね。なんでだっけ?当時エールとか聴いててあの手の音はもう食傷気味になってたのかな?あ、違った。買おうと思って手に取ったのが皆CCCDだったんだ。日本盤もNZ盤もアジア盤も。そうそう、それでわざわざアマゾンで取り寄せるまでもないかと思って買わなかったんだよ。本当に、レコード会社はこうして機会損失してるっていうこと、わかってるのかねえ。

こうして初めてきちんとCDを聴いてみると、(地味ながらも)あれだけ売れる理由がよくわかる。すごく気持ちのいい音。アナログの楽器(アコースティックもエレキも)と電子音や効果音が絡み合って、耳にすっと入ってくる。基本的には二人のユニットなんだけど、多数のゲストが普通のバンド形態に加えてホーンやストリングスを演奏しており、音的にはすごく多彩。今日この記事を書こうと思って、昼休みに歩きながら聴いていたら(健康のために昼食往復30分早歩きしているのです)やけにはまってしまって、足がどんどん速くなったよ。うん、これはドライヴにも最適かも。

僕にとって肝心のホセ・ゴンザレス、なんと冒頭の曲でいきなりヴォーカルを務めてるよ。これって、このグループのことよく知らない人が初めてこのCD聞いたら、この人がメインヴォーカルだと思うよね。このことから考えても、このアルバムにおけるホセの重要性がわかるというもの。

彼の他にゲストヴォーカルがもう一人。まあゲストといっても最初のアルバムからずっと参加しているようだから、もう殆どこのグループのメインヴォーカルみたいなものなんだけど。シア・ファーラーという女性。これが無機質なホセのヴォーカルとは正反対のエモーショナルに歌い上げる感じで、そのコントラストがなかなか面白くもある。いろんなCDレビューを読んでみると、これまでのゼロ7の人気は、このおしゃれな音に乗った彼女(+他のゲストヴォーカル)のジャズっぽいヴォーカルが受けてたとのこと。ということは、今回のホセのヴォーカルとの取り合わせの方が異色だったのか。

このアルバムの白眉は何と言っても11曲目「Crosses」。ホセの「Veneer」にも入っている彼の名曲だ。オリジナルは当然彼の弾き語りだが、こちらではストリングスまで入ったバンド編成にバックコーラス入り。中盤から次第に盛り上がり、最後にディランの「All Along The Watchtower」ばりのリフが入ってくるところなど、ぞくぞくするほど格好いい。

せっかく気に入って聴いてたのに、今月出た日本盤はボーナストラック3曲入りの限定デジパックだということを先日知った。くぅ〜、なんでそういうことをするかな。また買いなおしだよ、もう。来月の僕の東京出張より後、どこかの中古屋に一枚このCDのオーストラリア盤が出ていたら、それは今僕の目の前にあるのと同じディスクです。


さて、更新虫にそそのかされて連日記事をアップしてきたけど、実は明日から一週間ほど出張に出る。向こうでの空き時間やネット環境がどうなってるのかわからないけど、当分コメントぐらいは入れられても記事を上げるのは多分無理なので、しばらくの間更新はご無沙汰します。その間に更新虫、誰かのところに移るかな?

<追伸>
24日の記事「所有欲の奴隷」を書いたときに、一番最近買って別の場所に置いてあったDVDのカタマリを勘定に入れるのを忘れてた。読者の方々にとってはどうでもいいことだけど、僕にとっては宿題の合計時間がまた伸びることになるので、この後追記しておく。まったく、もう。一番最近買った奴まで忘れるなよ、って感じだよね。って、誰に言ってるんだよ…

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2006年09月25日

Blind Melon 「Live At The Palace」

どうも最近PCが壊れて記事が更新できなくなった誰かさんのお腹にいた更新虫が海底ケーブルを伝って僕のところにきたような気配がする。なんか書くことが一杯あってどうしよう。とりあえず出しておかないともやもやするから、短くても書いていこう。昨日、欲しかったCDを安く買えたので、今日はそのCDについて書くよ。

ブラインド・メロンは92年に最初のアルバムを出したアメリカのバンド。その前年に出て大ヒットしたガンズ・アンド・ローゼズのヒット曲「Don't Cry」でヴォーカルのシャノン・フーンがアクセル・ローズとデュエットしたのを皮切りに、ガンズの後押しもあってファースト・アルバムは結構売れたはず。そのファーストを、これまで僕はいろんなヴァージョンを通算3回も買っているほど気に入っている。95年にセカンド・アルバム「Soup」を出した後、シャノンがドラッグの過剰摂取で死亡。その後、残っていた音源をまとめた「Nico」を出して、短かったバンドの歴史は終了。

今年初頭に、「Nico」から10年振りに突然このライヴ・アルバムが発表された。録音されたのは95年の10月だから、「Soup」当時のツアーのはず。演奏曲目もファーストとセカンドからほぼ半分ずつ。

Live At The Palace.jpg 「Live At The Palace

本当に久しぶりに聴くブラインド・メロン。今までシングルのB面などで断片的にはライヴ録音を聴いているが、これだけの音源をまとめて聴くのは初めて。さすがライヴで叩き上げたバンドらしく、すごくタイトな演奏。おそらくどの楽器もこのCD用にオーバーダビングなんてしてないと思うから、変拍子も使ったこれだけ複雑な構成の曲を、アドリブも挟みながらレコードに忠実に演奏しているのはかなりの技量。ビンビン跳ねる小気味良いベースに、ファンキーなフレーズを絡ませる二本のギター。ガンズ絡みでのデビューだったこともあって、特に日本ではハードロック系として紹介されることの多かったバンドだが、とてもそんな狭い枠に収まるような演奏ではない。確かに、ファーストからの「Soak The Sin」や「Tones Of Home」などを聴いていると、90年代のレッド・ゼッペリンと言われた当時のレビューを思い出すんだけど、基本的にはアメリカ南部の泥臭いロックをベースにした音。各曲の終わりをいちいちハードロック風に「ジャーーーン!!」て終わらせるんじゃなく、「バタバタ、ストン」てな感じで終えるところもいさぎよくて好き。

楽器の音以上にオーバーダビングしていないはずなのが、当然シャノンの声。このバンドを当時(ニルヴァーナ以降)雨後のタケノコのごとく現れた数多のグランジ・バンドから大きく引き離していたのが、先述の演奏力もさることながら、やはり彼のヴォーカルだった。ハスキーなのに張りのある声。ここで聴く限り、ライヴでもアドリブを入れこそするが、フェイクに逃げることはしない。全盛期のロッド・ステュアートのようでもあり、スティーヴン・タイラーみたいに聞こえる瞬間もある。本当に貴重な声を失ったものだ。

アルバム全12曲、全て3分前後のコンパクトな演奏(一番長い曲でも4:38しかない)。フィッシュ(Phish)なんかを通過してきた耳で聴くと、なんとも物足りない感じがする。そこから連想したんだけど、このバンド、もしシャノンが死なずにあのまま継続していたとしたら、きっとフィッシュみたいなジャム・バンドに成長したんじゃないだろうか。唯一のヒット曲「No Rain」なんてまさにのんびり系のフィッシュみたいな感じの曲だし。それでさっき書いたようなファンキーでハードな曲も演るようになっていれば、そこらのジャム・バンドなんて目じゃなかったはずなのに。

Blind Melon.jpg全部で41分しかない短いアルバムだけど、これはよかった。買って正解(中古で安くなるまで待ってたくせに)。でももしこのバンドのこと聴いたことがなくて、今から聴いてみようという人がいるなら、(なかなかしっかりした造りのベスト盤も出ているんだけど)やはりファースト・アルバムがお勧め。さっきから書いてるように、ハードロックとサザンロックが微妙にブレンドされた音は最高に爽快。さらに僕のお気に入りは、このハードロックファンもサザンロックファンも眼中にないようなジャケのセンス(笑)。この「Blind Melon」も一応アフィ貼っとくけど、こんな古いアルバムに1600円も出す必要ないから(笑)。中古で探してください。って、普通の人はそんな頻繁に中古屋行かないのか。

最後に、このライヴ・アルバムの謎。アルバム全12曲の曲目がジャケットに書いてあるんだけど、実際に入ってる曲順と違うよ!なんだこれは?もしかして初回盤プレスミスかな(ええ、そういうのが大好きですとも)。でも曲順を簡単に入れ替えられるスタジオ録音ならともかく、ライヴ盤でそんなことあり得るか?うーん、わからん。

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2006年09月24日

所有欲の奴隷

昨日の記事に、数ヶ月前に買ったDVDをやっと観たと書いたけど、実は僕の家にはそういうのが他にも山ほどある。僕はCDやDVDを定価で買うということを殆どしないんで、前から欲しいと思っていたようなのを中古やセールで見つけると、後先考えずに買ってしまう。見つけたときに買わないと無くなってしまうと思ってしまうんで。あと、最近よくある初回限定DVD付CDとかには、ころっと騙されてしまうね。今まで何度、日本のオフィスのスタッフに「初回盤無くなる前に買っておけ」と公私混同の指示をしたことか。基本的に所有欲が強いもんで、欲しいものは持っていないと気が済まないんだよな。

普通のCDだと時間がなくても通勤の車の中や何か他のことをしながら聴く(「消化する」とも言う)ことができるけど、DVDだとそういう訳にはいかないし、CDでもボックスセットはやはりきちんと通して聴きたいから中々そういう「ながら聴き」がしにくい。

最近消化しているのが、ボブ・ディランの3枚組ボックス「Biograph」。ようやく2枚目まで聴いたところで、また昨日と今日いつものレコード屋に行って計12枚もCD買ってきてしまったものだから、中断してしまっている。うーん、流れが途切れてしまったからまた最初から聴きなおしか…

ちょっと思い立って、そういう買ったはいいけどまだ観ていないDVD、開けていないボックスセットがどれだけあるのか調べてみた。自分で確認するのが恐くもあるけど、買った日付と一緒にリストアップしてみよう。

<ボックスセット>

05/12/29 ラッシュ「R30」 1CD+2DVD
06/3/20 ビリー・ブラッグ「Volume 1」 7CD+2DVD
06/5/12 ブルース・スプリングスティーン「Born To Run」 1CD+2DVD
06/5/12 平井賢「歌バカ」 2CD+1DVD
06/5/28 ビーチ・ボーイズ「Good Vibrations」 6CD
06/8/10 ディス・ヒート「Out Of Cold Storage」 6CD
06/9/01 ビリー・ブラッグ「Volume 2」 9CD+1DVD(輸送中)


<DVD付CD>

04/3/27 メタリカ「St. Anger」
04/4/18 コールドプレイ「Live 2003」
04/8/8 エルトン・ジョン「Goodbye Yellow Brick Road Deluxe Edition」
05/2/21 アラーム「Live In The Poppy Fields」
05/9/18 ポール・ウェラー「Stanley Road Deluxe Edition」
05/10/17 ポール・マカートニー「Chaos And Creation In The Backyard」
05/10/23 サザン・オール・スターズ「Killer Street」
05/10/26 ニール・ヤング「Prairie Wind」
05/11/16 グリーン・デイ「Bullet In A Bible」
06/5/11 エイミー・マン「Live At St. Ann's Warehouse」
06/7/5 エルヴィス・コステロ&アラン・トゥーサン「The River In Riverse」
06/8/10 クリス・ディフォード「South East Side Story」


<DVD>

02/5/22 ブルース・スプリングスティーン「Live In New York City」 2DVD
04/3/2 レッド・ゼッペリン「DVD」 2DVD
04/7/11 ブルース・スプリングスティーン「Live In Barcelona」 2DVD
04/8/26 サイモン&ガーファンクル「The Concert In Central Park」
04/8/26 ポール・ウェラー「Live Two Classic Performances」
05/1/20 ライヴ・エイド 4DVD
05/4/3 クイーン「On Fire」 2DVD
05/5/16 スクイーズ「The Very Best Of Squeeze」
05/6/14 エルヴィス・コステロ「Live In Memphis」
05/9/17 リチャード・トンプソン・バンド「Live In Providence」
05/10/23 ニュー・オーダー「Item」 2DVD
05/10/23 スピッツ「ソラトビデオ4」
05/11/24 グレアム・パーカー「At Rockpalast」
05/11/24 ニルス・ロフグレン「At Rockpalast」
05/12/29 ジョン・ハイアット「Live From Austin TX」
06/1/9 バッドリー・ドローン・ボーイ「The Video Collection」
06/3/10 フー・ファイターズ「Everywhere But Home」
06/3/25 U2「Go Home」
06/3/30 ビューティフル・サウス「Live In The Forest」
06/3/30 ジョン・ハイアット「Full House」
06/5/12 エルヴィス・コステロ「The Right Spectacle」
06/5/12 100s「10Oz」
06/5/12 サザン・オール・スターズ「Film Killer Street」 4DVD
06/5/12 ブルース・スプリングスティーン「Storytellers」
06/6/20 シティ・ヌルハリザ「In Concert, Royal Albert Hall, London」
06/6/20 シティ・ヌルハリザ「Konsert Akustik」
06/7/22 ジャック・ジョンソン「A Weekend At The Greek / Live In Japan」 2DVD
06/7/22 デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ「It Was Like This - Live」
06/7/22 ポール・ウェラー「Studio 150」

以下追記
06/7/29 ピンク・フロイド「P.U.L.S.E.」 2DVD
06/8/10 ジョー・ストラマー「Let's Rock Again」
06/8/10 デレク・トラックス・バンド「Songlines Live」
06/8/10 ペット・ショップ・ボーイズ「The Nightlife Tour」
06/8/10 ペット・ショップ・ボーイズ「PopArt The Videos」




…正直言って、ここまで多いとは思ってなかった。このリスト作るだけで何十分かかったんだ?何だよ、スプリングスティーンのライヴDVDの02年って。あれ買ったの、もう4年前なの?確か一枚目は観たけどその時は時間なくって途中で止めたんだったっけ。これに加えて、まだ観てない映画のDVDもあるんだけど、もうそれをリストアップする勇気はないよ。

本当にこれ全部消化できるのか?大体、一回ずつ通して観たり聴いたりするだけで何時間かかるんだ?ちょっと大雑把に計算してみよう。CD一枚1時間平均、DVD一枚2時間として、DVD付CDのCDの方はもう聴いてるから計算に入れないとすると…

152時間! 164時間!!

毎日2時間ずつこれを消化するのに費やしたとしても、2ヶ月以上3ヶ月弱かかるぞ。第一、毎週末新たに10枚ぐらいずつCD増やしてるんだから、どう考えてもこの在庫が減る見通しがない。どおりでどんどん増えていくはずだよ(今頃気づくなよ…)。

それに、毎日必ずこのリストの中のものを観たり聴いたりする気分になるかどうかもわからないし。一体次に僕がメタリカのDVDを観たい気分になるのはいつになるんだろう…

ちょっとこれはひどいね。ここで宣言しますよ。これから当分、DVDもボックスセットも買いません。来週アメリカに、来月日本に出張が入ってるんだけど(ということはレコ屋巡りもするんだけど)、DVDのコーナーには足を踏み入れないようにしよう。大きな箱は見てみぬ振りをしよう。
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2006年09月23日

今更ですがジェームス・ブラント

たった二つ前の記事にメジャーな音楽は採り上げませんって書いた舌の根も乾かぬうちにこの始末(笑)。でも数ヶ月前に買ったDVDをやっと今日観たので、それを記念(?)して記事にしよう。この人のことは、というか「You're Beautiful」という曲のことは、普段洋楽を聴かない人でも知ってるんじゃないだろうか。去年世界中で大ヒットして、確か日本では何かのCMにも使われたとか。

僕のオフィスで近くに座っているスタッフがいつも同じ局のラジオを聞いてるんだけど、どうもその時その時のヘビーローテーションを一日何十回もかけるのがその局の方針らしく、去年のある時期この曲を嫌というほど耳にして、しかも僕の隣に座っているセールスマネージャーが自分の携帯の着メロをこの曲にしてたもんだから、もう心底うんざりして「もうこんな一発屋、早く消えてくれ」と思ってた(そいつセールスマネージャーなもんだからやたらと電話かかってくるんだよ。しかも携帯机に置きっぱなしにして外にタバコ吸いに行きやがるし)。だからつい最近になるまでCDも買わなかったし、今年の初めに彼がオークランドに来たときにも観に行かなかった。

それは判断ミスだったね。何かのきっかけでアルバム通して聴く機会があったんだけど、その後迷わずそのファーストアルバム「Back To Bedlam」と、当時出たばかりだったライヴDVDとCDのセット「Chasing Time」を買いに走った。幸いなことに、もうその当時はブームのピークは過ぎてたから、中古屋に「Back To Badlam」が結構出回ってた。出遅れたことへのせめてもの抵抗として、今流通している鮮やかな青色のジャケットじゃなく、初期盤の地味な灰色のジャケットのやつを探して買った。

ジミー ハデー

何はさておきこの独特の声。一歩間違えたら「変な声」なんだけど、ここではこれがとてもうまく作用している。一回聞いたら忘れられない声、これは何より貴重。そして、曲作りが上手い。高いように聞こえるけど裏声使ってて意外と声域広くないから口ずさみやすいし。これは流石に売れるだけのことはあるね。アイドルノリだと思ってたら大間違い。

今回の記事はどっちかというと「Chasing Time」のことを書こうと思ってるんで、「Bedlam」に関してはひとつだけ。かの大ヒット曲はサビだけ聞いてると単なるラブソングかと思ってたんだけど(「You're beatutiful x 3. It's true」だもん)、でもなんだか歌詞ちゃんと読むと、「地下鉄で見かけた天使みたいな綺麗な女の子。男と一緒にいたけど僕に微笑みかけてくれた。すごく綺麗、だけど僕のものじゃない(意訳)」って、おいおいストーカーかよ、ってな内容にも読めるんだけど。なんでこんな歌詞にみんな感情移入して大ヒットしたの?

Chasing Time「Chasing Time」のことを書こう。これは副題が「The Bedlam Sessions」といい、大ヒットしたファーストアルバムの曲を中心とした、BBCスタジオでのライヴ、4曲のシングルの5つのビデオクリップ、それらのメイキング映像、ドキュメンタリー、インタビュー等が入ったDVDと、アイルランドでのライヴCDのセット。まだあるのかって思うぐらいの盛り沢山。確かにあれだけヒットした完成度の高いファーストアルバムを作ってしまうと、2枚目のプレッシャーは並大抵のものではないと思うから、それがずっこけないうちに便乗商法でこういう商品を出しておこうというレコード会社の気持ちはよくわかる(笑)。

CDもDVDも、ライヴは基本的にはスタジオ盤の演奏を忠実に再現してるって感じ。CDの方にはクラウデッド・ハウス(はい皆さん、覚えてますか?僕のブログに何回も出てきてるフィン兄弟のバンドですね)の「Fall At Your Feet」のカバー、CDとDVDの両方の最後を締めくくるのがピクシーズの「Where Is My Mind?」のカバー。DVDは画像が綺麗!顔のアップになったときなんて、無精髭の一本一本が数えられるぐらい。

そう、顔のアップが多いんですよ。この人のビデオクリップ見たことあるかな。一番有名なのがやっぱり「You're Beautiful」だと思うんだけど、終始正面からの顔のアップ。おまけに寒そうな小雨の降る中、シャツ脱いで上半身裸になるし。えい、説明するの面倒臭いからビデオつけちゃえ。

http://www.youtube.com/watch?v=Bu2QA5FUGRA

なんなんでしょう。基本的にナルシストなのかな。ライヴ映像もやたらと正面からの顔のアップが多い。そこが僕にとってはネックだったね。演奏は(ものすごく上手いわけじゃないけど)メンバー全員きちんとしてるし、さっき書いたとおり映像はものすごく精細だし、ちゃんとサラウンド音声でミックスされてるし、何も問題はないんだけど、延々彼の顔のアップを見てることになんだか気恥ずかしさを覚えてしまった。いや、ハンサムな人だとは思うから、特に女性のファンにとってはすごくいいライヴ映像なんだろうなとは思うんだけどね。ちなみに5.1チャンネルのサラウンドは、スネアの音がやたら派手にリアチャンネルまで回りこんでる以外は、極めてオーソドックスな音作り。ちゃんと歓声だけが全チャンネルから聞こえてくる。

テレビの音楽番組を殆ど見ない僕にとって、意外と掘り出し物だったのがプロモーションビデオ集。基本的にはどの曲もさっきの傾向の顔アップ+運動するジェームス君、というなんだか典型的なアイドルものビデオの作り。「You're Beautiful」では何十メートルもの崖から海に飛び込むし、「High」の後期バージョンでは森の中を走り回るし、って感じで。彼はこの仕事を始める前はイギリス軍隊に所属していてコソボにも配属されたという話だったから、すぐ裸になって締まった体を見せたい気持ちもわからなくはないんだけどね。そういえば、「You're Beautiful」の、CDでは「Fuckin' high」って歌ってる箇所、ビデオでは「Flyin' high」になってるね。やっぱりテレビ放送の方が規制厳しいんだね。

そんなクリップ集の中で異色なのが「High」初期バージョン。これはアルバムからの最初のシングルカットだったから、もちろん「You're Beautiful」で大ブレイクする前に作られたビデオ。さっきみたいな映像が何曲も続いた後でこれを見ると、ちょっと笑い出さずにはいられない。これもリンクつけておこう。最初はまたさっきのみたいなナルシスト映像かなと思うんだけど、まあ見てみて。

http://www.youtube.com/watch?v=vIe4DUjZbK0

これはちょっと、差し替えになるよねえ(笑)。イメージぶち壊し。

彼のこれまでの経歴をまとめたドキュメンタリー「Being Blunt」とインタビュー映像もなかなか興味深い。初期のライヴ映像なんかも出てくるし。僕がファーストアルバムで一番好きな「Goodbye My Lover」のことをアルバムで一番重要な曲だなんて言ってるし。影響を受けたアーティストを訊かれて「ピンク・フロイド、レッド・ゼッペリン、ピクシーズ、最近ではエリオット・スミス」なんて答えてるのを聞いて、ああそういう人なのね、とも思うし。

そうそう、そのインタビューで説明してるけど、さっき書いたストーカーまがいの歌詞、あれはその地下鉄で見かけた女の子が実は自分の元彼女で、今はもう他の男のものになってるから自分は一緒にはなれないと、つらいけど現実を見ろと、そういう解釈だったそうな。

結論。このセットは、ファーストアルバムを気に入ってる人で、彼の顔が嫌いじゃない人なら買って損はないよ。ほんとに盛り沢山。僕はライヴCDの方を中心に楽しもうと思ってるけどね。

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2006年09月22日

Okkervil River 「Overboard & Down」

先日レポートしたオカヴィル・リヴァーのオークランド公演から丁度二週間後、延期になっていたオーストラリア/NZ公演記念EPがようやく先週末発売された。全5曲中、新曲3曲、カバー1曲、ライブ1曲。

海から手招き オカヴィル・リヴァー「Overboard & Down

ジャケットはいつものウイリアム・シャフ。海から出てる手が不気味。遭難してもこんなシチュエーションにだけは遭遇したくない(笑)。俺の右手に触るなー、って感じ?

1曲目「The President's Dead」は先日のコンサートでのオープニング曲。そうそう、こういう始まり方だったよな。彼らにしては珍しく(?)明るいアップテンポな曲。タイトルを見たときにはてっきりブッシュを糾弾した内容かと思ったけど、そういう訳でもなさそう。あんまり政治的な歌を歌う人たちじゃないからね。このドラムが入ってくるところで(僕のお気に入りの)ドラマーのトラヴィス君が本当に楽しそうにニコニコして歌いながら叩いてたのを思い出すよ。あの時はもうちょっと後半引っ張ったと思ったんだけど、このスタジオ・ヴァージョンは3分弱であっさり終わってしまう。物足りないよなあ。

2曲目「The Room I'm Hiding In」は、ペダル・スティールの音が気持ちいいカントリー調。そういえば、こないだのライブ評に書いたメンバー名、今回のEPに入ってるのがあの時のメンバーだとしたら、どうやら間違ってたよ。「Black Sheep Boy」〜「BSB Appendix」〜「Overboard & Down」の間にどうもメンバー交代があったみたいで、「BSB Appendix」が新旧メンバー両方が参加してるからわかりにくかった。あの時「ハワード・ドレイパー」と書いたマンドリンの人はどうやらブライアン・キャシディー。この2曲目でペダル・スティールを弾いてるのは彼。あと、記事には書かなかったけど、べーシストも新しい人(パトリック・ペストリアス)みたい。今これを読んでる殆どの人にはどうでもいいことだろうけど、一応このバンドのことをよく知ってる人も読んでいるはずなので、ここで訂正しておくね。

3曲目はビッグ・スターのカバー「O, Dana」。僕この曲が入ってるビッグ・スターのサード・アルバムは持ってないんで、オリジナルと比べてどうなのかわからないけど、これは言われなければカバーだとは思えないほどしっくりきてるね。ちなみに今回のEPのタイトルはこの曲の歌詞から取られている。なんでまたわざわざ唯一の他人の曲(の、しかも曲名でなく歌詞)から、と思うよねえ。

4曲目は、これも先日のライブで演った「Love To A Monster」。マンドリンの音が少し物悲しい、きれいなワルツ。間奏のピアノ・ソロも切ない。歌詞もちょっと悲しい。けど、歌詞の途中に「俺もうこの曲に飽きてきちゃった」なんて出てくるのが可笑しい。

最後は昨年のアメリカでのライブ録音。オリジナルはファースト・アルバムに入っていた「Westfall」。曲が始まる前にウィルが喋ってるのを聞くと、どうやらこの時のサポートはNZのグループ、ブルネッツ(The Brunettes)だったみたい。今回このEPがオーストラリア/NZ限定だから、わざわざこのMCまで入れたのかな。嬉しいことしてくれるね。先日のオークランド公演でもアンコールの最後にこの曲演ったけど、この録音もどうやらこの時の最後の曲だったみたい。6分にも亘る熱演。今回これを機会にちゃんと歌詞読みながら聴いてみたけど、こんなえげつない歌詞の曲だったんだね。

何度も書いたように、このCDってオーストラリアとNZでの限定発売なんだけど…あれ?アマゾンジャパンで売ってるぞ。値段もこっちで買うのと殆ど変わらないし。げ、HMVジャパンだとまとめ買い割引でこっちで買うより安い。なんだよ、一体。ありがたみ、ゼロ(笑)

そういう訳で、上にアフィリエイトしたけど、特にこのバンドのファンでもない人には別にお薦めしません(笑)。まず何か聴いてみようって人は、こないだ説明した「Black Sheep Boy」(または「BSB Appendix」)から聴くように。ここまでこんな面倒臭い文章読んできた人こそ「なんだよ、一体」て言いたくなるよね(笑)。
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2006年09月18日

Bruce Springsteen 「The River」

元々このブログをロック名盤ガイドみたいな感じにするつもりはなかったから、ここで採りあげるアルバムは基本的には最近発売されて僕が気に入ったものを中心にしているし、過去のアルバムを採りあげる場合には、ここ数回のようにオリジナルから形態を変えて再発されたものを載せることにしている。有名なアルバムは今さら僕がわざわざ紹介するまでもなく、僕より知識豊富な評論家がもっと上手な文章で書いた立派なガイドブックが沢山あるからね。僕はもうちょっとマイナーなやつを掘り起こしてあげる、と。だからこそ、このブログタイトルにした訳で。

The River今回話をするブルース・スプリングスティーンの「The River」は、全然マイナーじゃないんだけど、まだそういう特別盤にはなっていない。数ヶ月前に買ったはいいがまだ聴く時間のない「Born To Run 30th Anniversary Edition」にからめて話そうかとも思ったけど、それにはまずあの箱に入っている合計4時間にも及ぶDVDを観ないと話にならないし、そんなことをしていたらこの記事が完成するのがいつになるかわからないから、今回は特例としてこの旧譜をストレートに採りあげよう(それにしても、時間がないという同じ理由でまだ封を開けてもいないボックスセットがうちに何箱もあるよ。果たして僕が生きているうちにあれを全部聴いて観ることができるのか?世間では「奇跡の未発表映像発掘!」とか言われてとっくに話題になってるのに、僕が我が家でそれらを発掘するのはまだずいぶん先の話になるなあ)。

前回・前々回採りあげたアルバム同様、このアルバムも僕をひたすらノスタルジックな気分にさせてくれるんだけど、これは僕にとってはまた特別なアルバムなんだ。忘れもしない1981年8月5日、その年の4月に入部して以来ずっとあこがれていた、水泳部で一年先輩のマネージャーだったTさんと初めて学校帰りに出かけ、阪急東通り商店街のレコード屋で一緒に買った思い出のあるLPだから。いや、別にデートとかそんな気の利いたものでもなく、「ラジオで聞いてすごく気に入ったレコードを買いに行こうと思うんですけど、一緒に行ってくれませんか?」とかなんとか言って、本当に一緒に買いに行っただけという、今から思えば子供のお使いみたいな話なんだけど。

ラジオで聞いて気に入ったというのは本当の話。当時FM大阪で、新しく出たLPから一曲を除いて全部をぶっ通しでオンエアするという番組があって、もちろんまだレンタルレコードなんてなかった時代だから、僕は毎晩のようにその番組をエアチェックしていた。このアルバムを知ったのも同じ番組で。確か除かれていた一曲は「Point Blank」だったように記憶している。

一般的にブルース・スプリングスティーンの最高傑作といえば、75年の「Born To Run」が挙げられるんだろうし、僕もそれに異論を挟むつもりはない。でもこの「The River」は(さっき書いた僕の個人的な思い出を差し引いても)80年代の幕開けを飾るにふさわしい、最高のロックンロールアルバム。今でも僕にとってのブルースは、「Born In The U.S.A.」での頭にバンダナを巻いた筋骨隆々のマッチョマンでなく、このLPの内ジャケにたくさん写真が載っている、なんでもないこざっぱりしたシャツを着たひょろっとした兄ちゃんのことだ。

二枚組LP。A面冒頭4曲の疾走感は、誰のどのアルバムでも味わえない特別なもの。過去四半世紀もう何百回と聴いた今でもまだ僕を25年前と同じ気持ちにさせてくれる。A面、B面がそれぞれアップテンポの曲4つの後にスイートなバラッドが1曲(A面の「Independence Day」はアメリカ独立記念日に親の元から旅立つ若者の話、B面の「I Wanna Marry You」はタイトルそのままのストレートなラブソング)。B面はその後に物悲しいハーモニカの音に導かれて始まるアルバムのタイトルトラック「The River」が続く。「I Wanna Marry You」まで、曲調にかかわらずポジティブな内容の曲ばかりだったのに対し、この「The River」は、若くして恋人を妊娠させてしまい、仕事も金もないまま結婚せざるを得ず、今は希望もなくなってしまった男が、若い頃にその恋人と泳ぎに行った川に戻る(しかし川はもう枯れている)といったなんとも暗い話。曲自体は名曲なんだけど。

それに続く2枚目のLPの冒頭が、これまた輪をかけて陰鬱な「Point Blank」。アルバム後半の出だし、前作なら「The Promised Land」、前々作なら「Born To Run」が収められていた重要な位置なのに。しかし、この曲が幕を開ける2枚目が、また別の意味で当時のアメリカを表現しているような気がする。このアルバムの裏ジャケットに載っている白黒写真、60年代風のペーパードールやアメリカ国旗なんかが写ったアメリカの家庭の一場面。一見古きよきアメリカを表している写真なんだけど、60〜70年代のアメリカンドリームなんてのが嘘っぱちだったとわかった今の眼で見ると、いかにも虚飾の風景。さっきの「The River」のように、うまくいかなかった人生を描いた曲が並ぶこの2枚目があるからこそ、この「The River」というアルバムがこれほど味わい深いものになっていると言える。先ほどの書き方を継承すると、C面はアップテンポとスローな曲が2対3、D面に至るとそれが1対3にまで減ってしまう。だからよくないと言ってる訳じゃない。D面最後の3曲など、聴いていて心が洗われるような気持ちになる。

最近はいつもこのアルバムを聴くときはCDをかけているんだけど、今回この記事を書くにあたって久しぶりにLPを聴いてみた。若い頃むさぼるように読んだためにもうよれよれになった歌詞カード。見る画像が圧倒的に少なかったから、今でも細部まで覚えているほど何度も見た内ジャケの写真の数々。懐かしい。そう、このジャケットのブルースの顔写真も、LPだと本物の顔ぐらいの大きさがあるんだよね。

ああ、この「Stolen Car」の最後のところでポツ、ポツ、って何回もスクラッチノイズが入るんだった。こういう雑音まで含めてアルバム全体を耳で覚えてるよ。もちろんCDで聴いていたらそんなの入ってない綺麗な音で聴けるんだけど、なんだかこういう自分だけのLPに入っている雑音って、好きになった女の子のほくろやそばかすみたいなもので、それを含めて妙に愛しいんだよね。なんだか曲そのものよりも、こういう雑音を聞いて急に昔が懐かしくなってしまった。僕のLPを録音してあげたTさん、まだあのカセット持ってて、この雑音まで覚えてくれているだろうか。

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2006年09月16日

The Clash 「London Calling 25th Anniversary Edition」

僕の無人島レコを3〜4枚挙げた前回の記事で、当の「All Mod Cons」には誰もコメントしてくれなかったのに、併記した別のアルバムにLoonyLunaさんとかえでさんが反応してくれた。なんか日本でのジャムとクラッシュとスプリングスティーンの人気の差をうまく表しているようなエピソード。せっかくだから、それらのアルバムについても何か書いてみよう。無人島レコ有力候補三部作、第二弾はクラッシュの「London Calling 25th Anniversary Edition」。

London Calling.jpgユニヴァーサル・レーベルの「デラックス・エディション」に対抗し、ソニー・レーベルが「レガシー・エディション」というシリーズを出している。内容は前回説明したデラックス・エディションとあまり変わらないけど、まだ出ている枚数が少ない分、玉石混交のデラックス・エディションとは違い、本当に名盤と呼べるようなアルバムばかりがピックアップされている。このアルバムは、原題を見てわかるように、本来は1979年に発表された「London Calling」の25周年記念。日本でのみ「レガシー・エディション」という名で売り出されている。かなり分厚い紙ケースをパタパタと開けると、ディスクが3枚入っている。1枚目はオリジナルLPのリマスター盤。2枚目は今回の目玉、「London Calling」の録音に入る前のリハーサルをカセットで録音してあった通称「The Vanilla Tapes」。3枚目がDVD。

「The Vanilla Tapes」は、よほどのファンでないとちょっとお薦めできないような音質と内容。殆どがアルバム収録曲の初期バージョン。まだ最終タイトルになっていないものもある。歌は入っていたり入ってなかったり。未発表曲が5曲入ってるけど、ものすごく良い訳でもない(だからアルバムからは落とされたんだけど)。

元々発表するつもりのなかったリハーサルの録音だからしょうがないんだけどね。強いて言えば、誰かのホーム・ムービーを延々見せられてる感じ?それも音だけを。でも、僕にとってこれは「中学生のときに親しくしていた近所の兄ちゃんたちが映ってるホーム・ムービー」みたいなもの。しかも一番よく面倒見てくれた兄ちゃんは4年前に亡くなってしまったから、その人の声が聞こえるだけでもちょっと感傷的になってしまう。

「The Guns Of Brixton」の原型である「Paul's Tune」でのポール・シムノンのおっかなびっくりのベース。この人、クラッシュに入るまでろくにベースを弾いたことなかったし、この唯一の持ち歌「The Guns〜」をステージで歌うときも、歌いながらだとベースラインをキープできないから、ジョー・ストラマーのギターと交換してもらってたぐらい(それでも歌は下手)だったから、最終テイクでないこのバージョンがこれだけよれよれでも不思議はない。当時の仲間で言えば、例えばブロックヘッズのノーマン・ワット=ロイあたりにこの曲でベースを弾かせていれば、これはもっとグルーヴの効いた格好いい曲になってたかもしれないのに(そしたら今度はライヴでこの曲を演奏できなくなってしまうけど)。

どのリハーサル・テイクを聴いても、やっぱり一番テクニックがあるのはドラマーのトッパー・ヒードン。かつてジョーが彼を評して「このバンドにおける発電所みたいな奴」なんて言っていたのを思い出させる、タイトで小気味いいドラム。それだけに、この人が一番先にヘロイン中毒で脱落してしまったことが悔やまれる。

「The Vanilla Tapes」の最後から2曲目に入っている、最終テイクとは違う(ちょっとダサい)歌メロの「London Calling」のリハーサル・テイクを聴いたすぐ後に1枚目(リマスター盤オリジナル・アルバム)の1曲目(同じ曲)を聴いてみると、本当にいいプロデュースというのはこういうことだというのがよくわかる。

その、本当にいい(?)プロデューサーのことがよくわかるのが、3枚目のDVD。これは、@ドン・レッツ監督(偶然、前回のジャムのDVDもこの人が監督)の、メンバーのインタビューを中心にしたアルバムのメイキングビデオ、Aスタジオでの録音風景を撮った白黒ビデオ、Bプロモーション・ビデオの3部に分かれている。

@にはいろいろと興味深いエピソードが出てくる(彼らのことをしらない人が聴いても興味深いかどうかは不明)。僕はジャム・セッションでギターを弾くトッパーを初めて見た。ちなみにジョーはピアノ。ドラムを叩いている人は誰だかよくわからない。他には、予想はついていたとはいえ、ミック・ジョーンズ本人の口から出た「殆どの曲はジョーが詞を書き、俺が曲を書いた」という事実(それにしても、これだけ素晴らしい曲を書ける音痴を僕は他に知らない)。

しかし、意外とこのDVDの目玉なのはA。今回あえてこんなに画像の荒れたビデオを収録した目的が、これを観てよくわかった。スタジオでの録音中、メンバーが演奏してる横でハシゴを振り回したり椅子を床に叩きつけたりするプロデューサー(ガイ・スティーヴンス)。メンバー苦笑い。ピアノを練習するジョーの手の上に、鍵盤の端から端までワインを注いだとか(ピアノの修理費6千ポンド!)、とにかくメチャクチャな人。それでも、@ではメンバー皆が「今回のプロデューサーとはやり易かった」なんてコメントしてるところを見ると、前回のサンディー・パールマンってどんな奴だったんだって思ってしまう。

でも、その基地外プロデューサーが仕上げた作品が1枚目の「London Calling」。多くの人がクラッシュの最高傑作に挙げ(僕もそれに一票)、ローリング・ストーン誌が「80年代最高のアルバム」に選んだアルバム(それに対するジョーのコメント:「あれは79年に出たんだよ」)。全19曲、捨て曲なし。オリジナルのLPは二枚組。でも当時メンバーはそれを誰でもが買えるようにと一枚の値段で売り出した(そういうところが格好いいんだよね)。

格好いいと言えば、DVDのBにあたる3曲のプロモーション・ビデオ。最初は言わずと知れた「London Calling」。夜の埠頭、雨が降りしきる中を黒ずくめのメンバーが白い息を吐きながら演奏するこのビデオは、僕は世の中に存在する全ての音楽プロモ・ビデオの中で一番格好いいと思う。さすがに25年前の画像は今の基準からするとかなり貧弱だけど(こういうDVDに収録する機会にきちんとリストアしてほしかったんだけど)。

残る「Train In Vain」と「Clampdown」はライヴ風景。前者でキーボードを弾いてるのはブロックヘッズのミッキー・ギャラガーかな。後者を観て、僕は25年前の大阪公演を思い出した(あの時はこの曲の前にすこし変わったイントロがついてたと思うんだけど)。さっきも書いたように、ライヴでの演奏はどちらかというと下手なグループだったけど、こんなに粋なバンド、他にいなかった。とにかくステージで映える。こんなライヴ録画が残ってるんぐらいなら、この時のコンサート全部録画してるんだろうに。それはいつになったら出してくれるんだろう。もう一人メンバーが誰か死ぬまで温存しておくつもりか?

やれやれ、長くなってしまった。でもこれだけ僕を感傷的にさせるアルバムのことを短くまとめて書くなんて最初っから無理な話。ここまで読んでいただいた方、どうもありがとうございました。次回は無人島レコ三部作の第三弾、ブルース・スプリングスティーン。にんじんさん、お待たせしました(笑)。
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2006年09月11日

The Jam 「All Mod Cons Deluxe Edition」

All Mod Cons Deluxe Edition.jpg少し前のパワーポップの回のコメント欄でのLoonyLunaさんとのやりとり、無人島にはどうやってたどり着くか(笑)。いや僕、無人島っていうとどうも乗ってた船が難破して、命からがら流れ着くっていうイメージがあったんでね。それで、そのときたまたま手にしていたレコードがあの回に採りあげたやつのうちどれであっても問題ないと、そう書いたつもりだったの。でも、一般的に無人島レコードというと、Lunaさんが仰っていたように、今から無人島に行くという時に一枚持って行くとしたら、さあ、どれ?っていう意味合いだよね。要するに、あなたの一番好きなレコードはどれですか?と。僕の好きなマンガ「レコスケくん」にもそういうエピソードがあったけど、そういう時に1枚に絞るっていうのは至難の技。僕らみたいにある程度レコードを集めてる人にとっては、それはもう決して答えられない究極の質問みたいなもの。

当然僕も1枚に絞るのは無理なんだけど、でも昔からいつも必ず最終選考まで残るアルバムは何枚かある。クラッシュの「London Calling」、ブルース・スプリングスティーンの「The River」、そして今回採りあげようとしているジャムの「All Mod Cons」(と「Setting Sons」)。それら全部が1979-1980に発表されているのは、それが最も多感な年齢の僕が音楽を聴き始めた時期だったことと関係しているんだけれどね。

ユニヴァーサル・レーベルの「デラックス・エディション」シリーズの一環として、ジャムの「All Mod Cons」が発売された。この「デラックス・エディション」ってのは、過去の名盤(そうでないものも混じってるけど)に当時の未発表曲やライヴ録音などを組み合わせて、ちょっと豪華なパッケージで売り出しているシリーズ。当たり外れあるけど、僕みたいなコレクターにとっては結構気になる存在。

で、これは当たりか外れか。内容はCD1枚にDVD1枚。CDの方はオリジナル・アルバムのリマスター、プラス当時のアルバム未収録シングル、シングルB面曲、アルバム収録曲のデモ・ヴァージョン。DVDの方は各メンバーと側近が語る当時の思い出、ライヴ演奏付き。

もしあなたが既に「All Mod Cons」を持っている、ないしはポール・ウェラーのファンであるなら、これを買ってもいいかも。僕はすごく楽しめたよ。もう過去四半世紀に亘って数百回と聴いて、どんな細かなディテールまでも耳に残ってる曲を、そのデモ・ヴァージョンと聴き比べる楽しみがあるから。僕、ジャムのシングルは全部持ってたし、ファンクラブ向けのソノシートなんてのまで集めてたほどのマニアだったけど、その僕でも聴いたことのないヴァージョンが入ってるし。ただ、DVDの方に入ってるライヴ演奏は、殆どが既出だけどね。完奏してる曲もないし。DVDはもうすっかり禿げ上がったリック・バクラーの姿を見て驚くのが正解かと(笑・それにしても、「Westway To The World」に出てきた、変わり果てた元クラッシュのメンバーの比ではないけど)。

でも、そうでない大半の人は(せっかくアフィリエイトしておいてこういうこと書くのもなんだけど)、この「デラックス・エディション」は止めておいたほうがいい。同じ曲が何回も出てくるし、DVDの方は日本ではPCで観るしかないPALヴァージョンで、しかもインタビュー中心の内容なのに字幕も付いていない。

代わりに、おそらくこれが出たことによって中古市場に放出された通常仕様の「All Mod Cons」が捨て値で出回っているはず。それを是非聴いてみて。今また何度目かの全盛期を迎えているポール・ウェラーが遺した最初の傑作。僕はもう全部の音を覚えてるし、全曲をそらで歌える。僕に無人島レコードの質問をすれば、5回に1回はこのアルバムを挙げるよ。

僕が学生の頃に英語がそこそこ出来たのも、先に書いた3〜4枚のLPのお陰。「Pretty」を片仮名の「プリティー」でも米語の「プレリィー」でもなく「プリツィー」だと教えてくれたのはポール・ウェラーだった(ちなみにもう一人の先生だったジョー・ストラマーは、同じ単語を「プエッィ」みたいな発音して混乱させてくれたけど)。同じく、ポールに習って「Hate」も「ハイト」と発音するようになったお陰で、英国訛りの強いここNZでも普通に悪口を言ってるよ(笑)。

で、僕みたいなジャム・ファンからの、さっきの質問への回答。これは「デラックス・エディション」としては、大当たりじゃないけど、そう悪いわけでもない。願わくは、これ以降のジャムのアルバムを全部「デラックス・エディション」化して、それぞれのツアーのライヴ録音をボーナスとして付けてくれたら最高なんだけど。そしたら僕はそれぞれを「聴く用」と「保存用」に2枚ずつ買っても惜しくないね。
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2006年09月10日

Okkervil River 「Black Sheep Boy Appendix」

最近の記事が長くて不評なので(笑)、ちょっと短めのCD評を書いてみることにしよう。一枚のCDについて長々と書くより、少しずつ書いてたくさんのCDを紹介できるほうがいいもんね。目標はうちの15インチの画面でスクロールなしで読める分量。またこんな言い訳で数行損してしまった訳だけど。

Appendix.jpg今日は、こないだ行ったコンサート以来病みつきになってるオカヴィル・リヴァーにしよう。このCDは、タイトル通り去年出た「Black Sheep Boy」(以下「BSB」と略)の付録、というか続編のような性格になっている。まず簡単に「BSB」の話をすると、その冒頭に収められたタイトル曲(ティム・ハーディンのカバー。だけど僕はポール・ウェラーのカバーで知った)をモチーフに、黒い羊の少年をめぐる夢のような、でも血なまぐさい(「血」「ナイフ」「夜」「闇」という言葉がキーワードのようにアルバムのあちこちにちりばめられている)、かなりシュールな歌詞の曲が収められている。僕は歌詞を読んでみて、村上春樹のちょっとヘビーな方面の小説(「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」とか)を連想した。

この「Appendix」は、同じ物語を継承した7曲入り24分のミニ・アルバム。冒頭の「消えた子供たち」の話から、黒い羊の少年を絡めた、またしても難解な歌詞の曲が続いていく。とはいえ、これは歌詞を理解しなければ聴いてもわからないタイプの音楽ではない。今回僕が「BSB」じゃなくてこちらを採り上げたのは、そのコンパクトにまとまったシアトリカルな音のつながりがすごく興味深いと思えたから。

7曲のうち「庭」「森」の2曲がインスト。ただ、その2曲も含めて全7曲が殆ど全部メドレーっぽくつながっていて、ラジオの音やオルゴールなどのSE(サウンド・エフェクト)が随所に入ってくるところや、同じテーマが繰り返されたり、最終曲に冒頭の曲が別のテンポで再演されるところなど、まるで往年のプログレッシブ・ロックのような展開が僕にはとても面白い。

短いだけあって、歌詞的にも音的にも起承転結のようなものがあり、「転」にあたる「もうひとつのラジオの歌」(これは「BSB」に入っていた「ラジオの歌に」を再展開したもの)の、歌詞カードでは26行にも亘る句点なしの歌詞を一気に歌い上げる箇所は圧巻。起承転結といえば、あんまり曲順に脈略のなかったような今回のオークランド公演でも、このアルバムの「承」にあたる「鍵も計画もない」と「結」にあたる「今のところ最後のラヴソング」がコンサート全体のその位置に演奏されていたのが興味深い。

誰にでもお勧めできるようなCDじゃない。でもこのバンドのことを何かで知って、これから聴き始めてみようと思っている人には、まずこれから入ってみることを薦める。日本盤は出てないけど、アマゾンで1500円弱で手に入るから(なので上に挙げた邦題っぽいタイトルは全て僕の直訳。以前書いた反・邦題の記事に反してまでこういう書き方をしたのは、歌詞のイメージが少しでも沸くかと期待してのこと)。

アメリカでは未だにインディーレーベルに属してるけど、欧州での配給がEMI・ヴァージンに決まったという話を聞いた。新譜もそろそろのようだ。これまで、この短編も含めて一作ずつ確実に成長してきているこのグループの次回作をとても楽しみにしている。
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2006年09月05日

Okkervil River live in Auckland

8月最後の土曜日。いつものレコード屋に週次定期健診に向かう途中の工事現場の壁。コンサート告知のポスターが沢山貼ってある。また誰か来るかな。バズコックスはもうすぐ。あれ?ピーター&ザ・テスト・チューブ・ベイビーズなんてのも来るぞ。パンク爺さんたちが25年振りに地球規模でドサ周りしてるなあ。

ポスター全景

そんな賑やかな壁の一角に、なにやらみすぼらしいチラシが数枚貼ってある。水色の紙に黒の単色印刷。ローカルの学生バンドだろうと思って近づいて見ると、なんと!オカヴィル・リヴァー、オークランド公演!しかも翌週の日曜。もう、すかさずそのままレコード屋までダッシュしてチケット買いましたよ。別にダッシュなんてしなくても売り切れないのはわかってるんだけど。

チラシ



9月3日、日曜の夜。会場はレコード屋の兄ちゃんに訊いても知らなかった飲み屋。調べてみたら、僕毎日その前を通って会社に行ってるよ。え、あんな小さなところなの? チケットには8時開始って書いてあるけど、どうせまた遅れるんだろうな、とは思いながらも、ちょっと早めに着いた。一応大通りに面してるのに、店の真正面に車停められたよ。日曜夜のオークランドはゴーストタウン。

家からカーステで聴いて来た「Black Sheep Boy」のCDの4曲目「Black」がかかっていたところで車を降りると、何故かまだ同じ曲が聞こえる。リハーサルしてるよ! まだ入るなって言われたけど「後ろの方で見てるから」と潜入。いやー、時間に正確な日本人に生まれて本当によかった(笑)。

今回楽しみにしていたことの一つは、このツアー用にオーストラリアとニュージーランドだけで発売されるというEPを買うことだった。うまくいけばサインでもしてもらえるかなと、一応マジック持って来たし。でも、なんとそのEPはまだ発売されてないとのこと。予定では9月2日発売だったのに。会場でCDやシャツを売ってたお兄ちゃんも「俺だってまだそのEP見てないんだよ」とか。あ〜あ、残念。

でも、僕が持っていなかった古いEPとシングルCDと、あとTシャツも買ったら、バッジをおまけにくれたよ。ありがとう、お兄ちゃん。これで今普通に流通してる彼らのCDは全部揃った。

しかも、リハーサルが終わったメンバーがその辺うろうろ歩いてるし。リーダーのウィル・シェフをつかまえて、車で聴いてたCDにサインしてもらった。実は僕、このバンド聴き始めてまだ1年ぐらいで、メンバーの写真を見ても名前と顔が一致してなかった。今日初めて、この人がウィルなのか、と確認。なんかメンバーの中で一番ロックミュージシャンらしくない風貌。かなり度の強い眼鏡をかけて、誰かに似てるなぁ、あ、ヨン様、というか、ハリー・ポッター(笑)。

THANKS YAS


プロ用のビデオカメラをかついでうろちょろしてる兄ちゃんもいる。訊いてみると、来年ライヴDVDを出す予定だって。それは楽しみ。あと、さっきのCD売りのお兄ちゃんの話では、どうも12月頃に日本公演って話も出てきてるらしい。ちょっとだけ私信ですが、僕にこのバンドのことを教えてくれたNさん、読んでくれてますか? これすごいニュースじゃないですか。

僕が着いた頃は殆どだれもいなくて、下手するとこのライヴ、客の数よりメンバーの方が多いなんて羽目になるんじゃないかとちょっと不安になったけど、徐々に人が入ってきて、最後にはおそらく100人ぐらいにはなったんじゃないかな。

最初の前座が始まったのが9時15分過ぎ。なにが8時開始だよ(笑)。二組の前座がようやく終わり、ようやくメインのオカヴィル・リヴァーがステージに上がったのは10時半。その時点でもう2時間半ぐらい立ちっぱなしだったけど、盛り上がってきたのでそんなのは気にならない。ダテに最近また運動始めたわけじゃないぞ。もうフロアはびっしり。前座のときから耳にギンギン響く音を我慢してステージ前のスピーカーのところに立ってた僕は、じりじりと更に前に出て、本編が始まる頃にはもうステージ直前まで来ていた。

↓これが僕の立ってた場所から撮ったステージ写真。キーボーディストまでの距離、1mもないよ。これはお互い気まずい(笑)。でもここまで寄ると、もうスピーカーは僕の後ろ。これは耳に優しいね(笑)。

Stage

ステージは5m四方ぐらいしかない。そこにメンバー5人(プラス、前座の人がギタリストとして上がったり下りたり)。計算上一人当たり4u、2m四方ぐらいの面積しかないよ。しかもステージ上にはドラムキット、キーボード2台、各メンバーのアンプ、モニタースピーカーなんかが置いてあるもんだから、もう殆どのメンバーが直立不動で演奏。ウィルだけがジャンプしたり、うずくまって歌ったり、果てはバスドラに上って天井のランプに触ったり、好き勝手してた。

Will & Howard

皆演奏上手いねえ。メンバー5人のうち2人がマルチ・プレーヤーで(レコードでは全員がいろんな楽器を担当してるけど)、メガネの方のジョナサン・メイバーグがキーボード、トランペット、タンバリン、テープレコーダーなど、もう一人のハワード・ドレイパーがキーボード、マンドリン、ギター。マンドリンの音がいいねえ。あれ?あのドラマー、さっきのCD売りのお兄ちゃん。新参者で雑用させられてたのね。でもこのドラム、すごいよ。格好いい。ははは、マイクもないのに、リードヴォーカルに合わせて大きな口あけて歌ってるよ、この人。ファンになりました。

あ、ステージ後ろからさっきのカメラマンがビデオ録ってるぞ。僕映ってるかな(笑)。来年出る予定の彼らのライヴDVDに、ステージまん前にいるタコのTシャツを着た日本人が映っていれば、それは僕です(笑)。

メンバー全員に、おそらくウィルがさっき書いたセットリストを渡したんだけど、ウィル自身はそれを足元に置いたっきり全然見やしない。まあ、あの度の強い眼鏡を外してるから、どうせそんなの読めないんだろうけど。あ〜あ、ジャンプするたびにグチャグチャに踏んづけてるよ。それにしても、毎日変えているらしい十数曲のセットをよく覚えていられるねえ。さすが。ちなみにこれが拾ってきたウィルのセットリスト。

Set List

最初に数曲、今回出てるはずだったEPからの曲を演り、あとは基本的には「Black Sheep Boy」と「Black Sheep Boy Appendix」からの曲を中心に、過去の曲を織り交ぜている。一つ残念だったのは、リハーサルでは演っていた、僕の好きな「Blanket And Crib」を演らなかったこと。リハーサルのときにステージに置いてあった「オーストラリアツアー用セットリスト」(この日の曲順とはかなり違った)にはちゃんと本編最後から2曲目に入ってたのに。

MCでしきりに時差ぼけがきついって言ってたこともあって、アンコール1回であっけなく終了。でもその時点でもう12時まわってたから、一時間半は演ったのか。ほんとにあっという間。しばらくぼーっとしてたら、メンバーがバーで飲み始めた。グルーピー(?)の女の子達が加わってたけど、ちょっとそこに入っていく勇気はなかったです。シャイな僕。

他のメンバーは飲んでるのに、新米のドラマー、トラヴィス・ネルソン君はまた物販コーナーで労働してるよ。えい、もう一枚シャツ買ってやるよ。おまえのこと気に入ったし。お金渡しながら「よかったよ」って言ってあげたら、向こうから握手してきてくれた。これもまたいい思い出。さっきサインもらったときにウィルとも握手したしね。あ、ちなみにさっきから書いてるメンバーの名前は、ウィル以外は僕の推測。最新作の時点からメンバー変更がなかったら多分合ってる。

タコT 地球T


あ、せっかくだから僕の持ってるオカヴィル・リヴァーのCDのジャケ載せとこう。「そそるジャケ特集」にも一つ載せたけど(実はあれが僕の一押しだったんだけど、意外とだれも反応しなかったね)、この人たちのジャケットは全てウィリアム・シャフ(William Schaff)のイラスト。僕はかなり気に入ってるんだけど、興味のある人は彼のサイトを見てみて。ちょっと気持ち悪い絵もあるけどね。前に載せた「軟体君」の全身像もあるよ。

Dont Fall In Love Down The River

Black Sheep Boy Appendix

これが今回買った2枚。

Sleep And Wake-Up Songs For Real


セットリスト

1. The President's Dead
2. No Key, No Plan
3. Lady Liberty
4. Black
5. Love To A Monster
6. Song Of Our So-Called Friend
7. The War Criminal Rises And Speaks
8. Unless (?)
9. The Latest Toughs
10. Black Sheep Boy
11. For Real
12. So Come Back, I Am Waiting
13. Last Love Song For Now

Encore

1. A Stone
2. Westfall

3 September 2006 At Schooner Tavern, Auckland, New Zealand
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2006年09月03日

yascd 002 PowerPop 古今東西

ありがたいことに、何名かの方から「まだ更新しないの?」というお言葉を頂いた。でも僕、基本的にはこれまでも週に1〜2回しか更新してないから、そんなにブランクはなかったはずなんだけど、みんなよっぽどあの半ケツ野郎をトップページから落として欲しかったのかなあ(笑)。


パワーポップという音楽ジャンルがある。まあ、ジャンルといっても例えばプログレとかヘビメタとかそういうメジャーな区分でもなくて、何というか、明るく?せつなく?メロディアスで?ちょこっとハードで?青春時代を思い出す(笑)?? まあそういう、ちょっとどこに分類していいかよくわからないような類の音楽。こんないい加減な説明しても知らない人にはわからないし、知ってる人にとっては「何言ってんだ馬鹿」ってことになるだけなんだけど。

僕が雑多なジャンルの音楽を聴くことは前に書いたけど、突き詰めていくとこのパワーポップと呼ばれる音楽が僕は一番好きなのかもしれない。でもね、そう断言する前に…

しばらく前の僕のコメント欄や、よく行く幾つかのブログで、音楽をジャンル分けすることの是非についてちょっと話題になったんだけど、その件への一つの回答として(なんて偉そうなこと書くつもりもないんだけど)今回の記事を書こうと思った。

一般的には、90年代前半〜中盤あたりにデビューしたアメリカやイギリスの一部のバンドをひっくるめてパワーポップと呼ぶことが多いんだけど、でも結局のところ、その人たちが演っていた音楽って、そんな取ってつけたような新しいジャンル名で呼ばれるようなものじゃなかったはず。そんなバンドはずっと存在してたし、今でもどんどん生まれてきている。

そこで、あのバンドもこのグループもパワーポップじゃないか、なんて紹介する代わりに、僕が定義するパワーポップを集めた架空のミックスCDを作ってみよう。yascd 第二弾、名付けて「PowerPop 古今東西」。

第一章

1. ジン・ブラッサムズ 「Follow You Down」

Outside Looking In.jpg

のっけからなんだけど、普通このバンドはパワーポップ系とは分類されないね。でも彼らはどう呼ばれていたんだっけ。オルタナ・カントリー?違うな。こういう、どこに分類していいか困ってしまうようなバンドは、いくら本国で人気があっても日本ではブレイクしないね。それがジャンル分けの功罪。

僕に言わせれば、このバンドやジェイホークスなんかは、70年代にリトル・フィートや(初期)イーグルスや(初期)ドゥービー・ブラザースなんかが担っていた役割を90年代に引き継いでいた、とても重要な人たちだった。地味だけど誠実。アメリカ音楽の良心と呼びたい。でもこのバンドは21世紀になる前に消滅してしまったし、ジェイホークスは一体どうしてるんだろう。

これは96年の最終作「Congratulations I'm Sorry」から。


2. ポウジーズ 「Solar Sister」

Frosting On The Beater.jpg

ここからは誰にも文句を言わせない怒涛のパワーポップバンド連発。まずはポウジーズ。これは93年の名作「Frosting On The Beater」からの、事実上のタイトルトラック。

3月に彼らのライヴを観た。実はこのバンドはメインの二人以外は頻繁にメンバーが替わっており、一旦解散もしている。先のツアーは再結成後初のアルバムのプロモーション。ジョン・オウアはまるでジャック・ブラックのような風貌に変わり果てていたけど、狭いステージで演奏しながら狂ったようにジャンプしまくるケン・ストリングフェロウや、ギターの弦をブチブチ切りながら弾くジョンを見てると、本当に格好いいと思った。ポウジーズ健在! そのライヴで、本編最後(アンコール前)に演ったのがこれ。


3. ウィーザー 「No One Else」

Weezer.jpg

続いてはウィーザー94年のデビューアルバムから。恥ずかしながら僕はこのバンドとは遅れて出会ってしまったんだけど、一昨年にデラックス・エディションとして再発されたこのファーストを聴いて、数ヶ月で残りのアルバムも全部揃えたほど気に入ってしまった。ちゃんと10年前に聴いておきたかったな。


4. コットン・メイザー 「Payday」

Cotton Mather.jpg

実際の発音が「メイザー」なのか「マザー」なのかわからないんだけど、17-18世紀のイギリスの宗教政治家から取った名前だというのは、今回この廃盤ファーストアルバムのジャケ写を探してたときに知った。この冒頭の一連のバンドの中では一番マイナーかな。

95年のこのアルバム(日本盤のタイトルはバンド名そのまま。米盤は「Cotton Is King」)、僕は大好きなんだけど、日本では江戸屋レコードなんてマイナーなレーベルから出たために誰にも知られることもなく廃盤。その後忘れた頃にぽろぽろとCDを出し続けている。最後に出たのはいつかな?01年か。おーい、もう忘れた頃なんで、また出してくれよー。


5. ベルベット・クラッシュ 「Atmosphere」

Teenage Symphonies To God.jpg

これもまた「パワーポップといえば」の代名詞的バンド。94年の「Teenage Symphonies To God」(ブライアン・ウイルソンへのオマージュ的タイトル)から。このアルバムジャケットは当時結構あちこちで露出してたような気がする。そして、このジャケのイラスト通りの音。

さっきのウィーザーもそうだけど、このバンドもいまだ現役でがんばってる。いつの時代のどのアルバムを聴いても同じような音なんだけど、もうずっとこのままでやり続けてほしいね。


6. ベン・フォールズ・ファイヴ 「Uncle Walter」

Ben Folds Five.jpg

これはこの中ではちょと異色か。ピアノ、ベース、ドラムのギターレス・トリオ(トリオなのにファイヴなのがまた異色)。とにかくこのベン・フォールズの弾くピアノとファズのかかりまくったベースが格好いい! この95年のファーストにはこういうぶっ飛んだ曲がぎっしり詰まってて、ジャケのセンスは悪いけど、本当に名盤だと思う。

残念ながらこのユニットは解散して、ベン・フォールズはソロで同じような音を出しながら続けてる。最近来日して、かの悪名高きウドーフェスにも出演したはず。


第二章

ここからちょっと趣向を変えて、「じゃあパワーポップって結局94年とか95年に始まったの?」という質問(誰の?)に対する僕の回答。

7. ビートルズ 「And Your Bird Can Sing」

Revolver.jpg

30年遡ってるから確かに音は薄いけど、これは今までの6曲と全く同じ方向にベクトルが向かってる。誰もビートルズのことをパワーポップバンドだなんて呼ばないけど(そういう意味ではビートルズって究極のジャンルレス・バンドだね)、こうして並べて聴いてみて、僕は全然違和感ないと思う。

みんな知ってるとは思うけど、66年の「Revolver」から。


8. バッドフィンガー 「No Matter What」

No Dice.jpg

逆にこのグループなどは、よく元祖パワーポップなどと呼ばれる。どれだけの90年代の所謂パワーポップバンドがこの曲をカバーしたことだろう。最初から最後まで「ビートルズの弟分」みたいな言われ方をして、悲劇ばかりが付きまとったグループだけど、もう少しきちんと再評価されないものか。

70年の「No Dice」より。このレコード、裏ジャケは予想通りこのお姉ちゃんの下半身なんだけど、それを真似した日本のキャッシュというバンドの「Bedfinger」というCDは、裏ジャケがより一層エッチ。


9. ラズベリーズ 「Ecstasy」

Side 3.jpg

再評価といえば、こういう人たちもいました。抜群に格好いいと思うんだけどなあ。エリック・カルメンがソロになってからえらく軟弱な方向に行ってしまったのが敗因なのか。ラズベリーズといえば「Go All The Way」といきたいところだけど、僕はこっちのちょっとハードにエッジの効いたギターの音が好きなので。73年の「Side 3」から。


第三章

さてお次は、70年代後半から80年台前半にかけて、英米でパンク〜ニュー・ウェーヴが流行し出した頃。時代の流れで、この前の3曲などに比べるとより速くタイトな音になってきているのが特徴か。

10. チープ・トリック 「Dream Police」

Dream Police.jpg

このグループはパンク〜ニュー・ウェーヴとは関係ないね。もっと前から地道にやってて、それなりにヒット曲も飛ばしてきていた。ジョージの旦那お気に入りの「Clock Strikes Ten」を入れようかと思ったんだけど、ここは僕が最初に聴いた彼らの曲を。79年の「Dream Police」からタイトル曲。


11. ナック 「Can I Borrow A Kiss」

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世間的には「My Sharona」だけの一発屋だと思われてるし、一時期はこの名前を出すだけでギャグになっていたほどのグループ。でもね、僕は彼らのファーストアルバムの中では必ずしもあの曲が一番優れてるとは思わないし、どんどん人気が落ちていった時期のアルバムも、実に優れたパワーポップソング集だったと思う。

世間に忘れ去られながらも地道に活動を続けており、これは98年に出た「Zoom」からの曲。このアルバムは02年にタイトルとジャケを変え、ボーナストラックを入れて「Re-Zoom」として再発されている。いや、それだけのことをする価値のある名盤だと思うけどね。僕?当然両方持ってるよ。

夏のある日、浜辺で出会った「ラブソングから抜け出てきたような」素敵な女の子に言われる台詞がタイトル

  ねえ、キスをひとつ貸してくれない? ちゃんと返すから

いやー、そんなシチュエーションないですかねえ。ないよねえ…


12. ジョー・ジャクソン 「One More Time」

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80年代中盤以降はお洒落なアルバムを連発することになる彼の、これは79年のデビューアルバム「Look Sharp!」の1曲目。とんがってたねえ、この頃は。このジャケのセンスも最高。確かこの曲は、僕が初めて行った彼のコンサートのオープニング曲だったと思う。彼のコンサートにはこれまで3回行ったけど、毎回素晴らしい出来だったよ。ジャズに行ったりクラシックに行ったり、音楽的な幅の広い人だけど、ことコンサートになるとどんな音楽を演ってようと、基本はこれ。盛り上がるよ。


13. エニー・トラブル 「Second Choice」

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今や英国フォーク界の重鎮となってしまったクライヴ・グレッグソンが(まだ頭髪があった頃に)かつて率いていたグループ。この80年のスティッフ・レーベルからのファースト「Where Are All The Nice Girls?」は、同時期のレーベルメイト(エルビス・コステロとか)のどのアルバムに比べても遜色ないものだったのに、いつの間にかいなくなってしまってた。いつもクライヴのルックスのせいにされるんだけど、別にコステロのルックスだって五十歩百歩だと思うんだけど。


14. スクイーズ 「Vicky Verky」

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もう説明はしなくていいね。しばらく前に2話に亘ってくどくどと書いたグループ。僕の中では彼らはここに名前を挙げた他のグループと同じ方面にいるよ。これは80年の最高傑作アルバム「Argybargy」から。特にシングルカットされた曲でもないけど、ここの雰囲気にはこれがぴったりかな、と。


第四章

ここまでのグループは、殆どがアメリカ産、何組かがイギリス産。世界中で人気のあるロック/ポップバンドはその両国から出てきていることが多いんだけど、このミックスCDのタイトルを「古今東西」としたからには、英米以外の国々のバンドにも光を当てねば。

15. スプリット・エンズ 「History Never Repeats」

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まずは地元から。ニュージーランドの誇り、スプリット・エンズ。ずっと前の記事(7月9日)に書いたフィン兄弟が在籍していたことで有名。今やしっとりとした大人のポップを唄う彼らも、若い頃はこんなやんちゃなことしてました。

これは本来は81年のアルバム「Corroboree」からなんだけど、僕はそのアルバムを持ってないので、ここは02年に出たベストアルバム「History Never Repeats」から。


16. アトミック・スイング 「Stone Me Into The Groove」

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お次はスウェーデンから。このアルバムを最初に聴いたときは、とんでもないバンドが現れたと思ったものだ。93年のデビューアルバム「A Car Crash In The Blue」。もうアルバム全編この調子。歌謡曲っぽい下世話なメロディーに油っこいギターの音。実に味のある声。この後2枚のアルバムを出して消えてしまったのが実に残念。と思ってたら、なんと今年に入って再結成。もうニューアルバムが出たみたい。このファーストの勢いが戻ってきていますように。

あ、青グリンさん、このバンドのボーカルの二クラス君、カーディガンズのボーカルの女の子となんか一緒にレコード作ったりしてたみたいですよ。実はこいつがカレシだったんですね。


17. スピッツ 「ヒバリのこころ」

スピッツ

こうして聴くと全然違和感ないよね。僕がおそらく一番すきな日本のバンド。日本産パワーポップの最高峰として聴いているよ。これは初期のインディー盤にも入ってる曲だけど、一般的には91年のファーストアルバムの最終曲。ああ、スピッツのコンサート行きたいよう。


第五章

さていよいよ最終章。ここでは、パンクもグランジも全部通り過ぎた後、今世紀になってからパワーポップがどう進化したのかを見てみよう(授業かよ)。

18. ジョン・ブライオン 「Meaningless」

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プロデューサーとして有名な彼だけど、自分でもこんなに優れたアルバムを出している。00年の「Meaningless」からタイトル曲。こんな曲が入ったアルバムを、「シングルヒットを狙える曲がないから」という理由でどこのメジャーレーベルも出してくれなかったそうな。ばかですね。

ちなみにこのアルバムの最終曲は、チープ・トリックの「Voices」の、胸が切なくなるような7分半にも亘るバージョン。入手しにくいアルバムだけれど、一聴の価値あり。


19. パニック!アット・ザ・ディスコ 「The Only Difference Between Martyrdom And Suicide Is Press Coverage」

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このミックスCDの中では一番の新参者。今年出たばかりのファーストアルバム「A Fever You Can't Sweat Out」から。

グリーン・デイを筆頭に、フォール・アウト・ボーイとかこのバンドなんかはポップ・パンクなんてわけのわからない呼ばれ方をしているけれど、僕から見るとこの人たちはみんなこの上にあるバンドが出していた音がグランジを経過しただけ。ちょっと速く、ちょっとハード。なので、この手の音に目のない僕としては、こうして変な名前の新人バンドもチェックしていかないといけないのです。

バンド名も変なら、この曲タイトルも。どうもフォール・アウト・ボーイ一派はこういう長ったらしいタイトルを付ける傾向があるね(このバンドはフォール・アウト・ボーイのレーベルからデビュー)。


20. ドッグス・ダイ・イン・ホット・カーズ 「Please Describe Yourself」

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変なバンド名というなら、こいつらも負けてないよ。どう反応しろと? これは04年発表の彼らのデビュー作「Please Describe Yourself」から。

この辺りのバンドについてはまた別記事で取り上げようと思ってるんだけど、僕が一番親しんできた80年代ニュー・ウェーブの焼き直し。焼き直しなんて書くとなんかネガティブな印象だけど、僕はもうこういう音を聴くとたまらなく嬉しくなってくる。この歌い方!アンディ・パートリッジそっくり! 

こういうバンドは(特にイギリス系は)ぱっと出てあっという間に消えてしまうので、旬を逃さないのが大切。こないだ東京でこのアルバムを4枚も中古屋で見つけたのにはちょっとあきれたけど。なんでこんないいアルバムを売るかねえ。おかげで、僕はもうこのアルバムのUK盤を持ってるのに、ボーナストラックの入った日本盤も買ってしまったよ。その4枚のうち1枚ね。


21. マシュー・スイート 「Thunderstorm」

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この手の音楽を知ってる人なら、ここまで読んでなんでこの人が入ってないのか不思議に思っていたかも。最後に取っておきました。パワーポップ界のオタク大王。一般的には92年の「Girlfriend」が最高傑作でその後はどんどんテンション落ちていくみたいなことを書かれることが多いけど、僕は全然そうは思わない。確かに「Girlfriend」の荒削りな魅力も捨てがたいけど、その後どんどん曲が洗練されてくるし、凝った作りにも挑戦してる。

で、これは99年のアルバム「In Reverse」の最終曲。もともと4曲だったものを組曲風にくっつけてる。9分半もあるんだけど、これがなかなか聴かせるんだよね。


というわけで、いつもに増して長い記事になってしまった。本当は曲を選んでた段階でゆうにCD3枚分ぐらいになる曲数が出てきてしまったので、そこから絞るのが大変だったんだけど、さっき実際にこの曲順でCD-Rに焼いてみたら、結構はまった(自分の好きな曲ばかり集めてるんだから当たり前なんだけど)。

いやー、僕本当にこの手の音楽が好きなんだと改めて思ったよ。もし無人島に流れ着くことがあって、そのときたまたま手に持ってたレコードがこの中のどれであっても僕は後悔しないね。まあ、無人島でレコードをどうやって聴くかという問題は残ってるんだけど。
posted by . at 00:34| Comment(26) | TrackBack(0) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする