2006年08月11日

yascd 001 A Young Person's Guide To Glenn Tilbrook

新カテゴリー「yascd」登場。

子供の頃に、好きな女の子にあげるために自分の好きな曲を集めたオリジナルカセット(恥)を作った覚えは誰にでもあるよね(僕と性別や年齢が異なる読者の方は「好きな女の子」を「好きな男の子」に、「オリジナルカセット」を「オリジナルCD」に適宜置き換えてお読みください)。

…え、ないですか?じゃあもしあなたが昔可愛い女の子だったとしたら、そういうものを貰ったことはきっとあるはず。まあとにかく、僕はそういう子供だった。そして、今も僕はそういう大人だ。

しばらく前の、確かペット・ショップ・ボーイズのことを書いた記事に、コピーコントロールCD(CCCD)のことを書いた。そのときは端折ってちゃんと書かなかったんだけど、要はCDをコピーしたりネット上に流したりする人がいるから、CD盤上に特殊な信号を入れてコピーできなくした仕様のCD(厳密に言うとCDとは呼べない)のことをそう呼ぶ。で、それに対する僕の意見を一言にまとめると、「人のこと盗人呼ばわりしやがって、誰がそんなもん買うかよ!」ということ。

例えば僕は最近友達に作ってもらった何枚かのミックスCDを聴いて、その中で気に入ったアーティストのCDを13枚買った。その13枚は、その友人が(違法に!)CDをコピーして僕にくれなければ、僕には買われていなかったはず。そういう需要も(少数派かもしれないけど)ちゃんとあるっていうのを忘れてほしくないよ。そういう少数派はCCCDなんて絶対買わないから。違法ダウンロードもしないし海賊盤も買わない。高かろうが面倒だろうが、アメリカからでもUKからでも普通のCDを取り寄せて買う。

だいたい僕みたいに好きな音楽のことを通じてじゃないとろくに他人とコミュニケートもできないヲタク人に、他に可愛い女の子に話しかけるきっかけをどうやって見つけろというんだ? あ、いや、別に女の子に話しかけるだけが目的じゃないんですけどね。

他の目的…えーと、あ、そうそう、よく友達(大抵そのミュージシャンのことをあまり知らない奴)とコンサートに行く前に、とりあえずこれで予習しときな、って作ってあげることもよくあったよ。

そうやって友達に作ったカセットやらCDが、もう通算いくつぐらいになるんだろう。記録なんてとってないからわからないけど、3桁は行ってないかな、っていうぐらいの数だと思う。いまだに作り続けてるからね。

うー、こうして昔作ったカセットをあげた相手のこととか思い出してたら、また「青春の光と影 影編」の新たなイタい記憶が次から次へと蘇ってきて自己嫌悪に… でも今回はそれを書くのが目的じゃないから、気を取り直して本題に戻る。

前回の記事のグレン・ティルブルックのコンサートに、もし誰か彼のことを知らない友達を連れて行くとしたら、僕ならどんな予習用CDを作るかな、なんて考え始めたのがきっかけでこの記事を思いついた。架空のミックスCDの架空の解説書。それが新カテゴリー「yascd」。


まず問題はこれがスクイーズのミックスじゃなくて、グレンのだということ。とは言え、スクイーズ解散後のグレンの2枚のソロアルバムから半分ずつ選曲したってしょうがないし、多分コンサートではスクイーズ時代の曲がメインになるだろうから、その辺うまく調整するのがキモ。

次の問題は曲順。ほんとは時代順に並べるのって芸がなくて嫌なんだけど、今回は28年に亘る彼の曲作りの変化(変化のなさも含めて)を味わってもらおうと、あえて時代順にしてみる。

前回書いたとおり、スクイーズってのは本当にベストアルバムが多いグループで、12枚のオリジナルアルバム(プラスライヴ盤)に対して10種類ものベスト盤が存在する。うち2種は同内容なので、その9枚のうち実に6枚までの1曲目がデビュー曲「Take Me, I'm Yours」。なのでひねくれた僕は時代順の選曲なのにあえてその曲は外す。サザンのベストアルバムから「勝手にシンドバッド」を落とすようなもんですね。

CFC.jpg

@「Up The Junction」(3:09)
79年のセカンドアルバム『Cool For Cats』より。ほろ苦い歌詞を完璧なライム(韻)に乗せて。スクイーズって、グレンの書くスイートなメロディーが魅力なのはもちろんなんだけど、相棒のクリス・ディフォードの歌詞がまたすごくいい。それが(こないだ書いたビューティフル・サウスなんかと同じく)本国では受けるけど日本では人気がない理由でもあるんだけどね。

AB.jpg

A「Pulling Mussels (From The Shell)」(3:59)
B「Another Nail In My Heart」(2:58)
C「Vicky Verky」(3:12)
以上、80年発表の3枚目『Argybargy』より。前回のコメント欄でfalsoさんが書かれていたように、おそらくこれが彼らの最高傑作。Bなんて、キャッチーなリフとメロディー、簡潔で小気味よいギターソロなど、僕の考える3分間ポップスのお手本みたいな曲。あまりシングル曲ばかりを入れると市販のベストアルバムと似たり寄ったりの内容になるので、それ以外の僕の好みの曲もいくつか入れようと思ったのがC。ジュールス・ホランドの弾く(いかにもあの時代の)チープなキーボードソロが絶妙。

ESS.jpg

D「In Quintessence」(2:57)
E「Is That Love?」(2:32)
F「Labelled With Love」(4:33)
以上、81年発表の4枚目『East Side Story』より。一般的には3枚目よりむしろこちらの評価が高いかも。それというのもこのアルバムには大ヒット曲「Tempted」が入っているから。でもそれもまたこのミックスCDには落選。大体オリジナルはグレンじゃなくてポール・キャラックが唄ってるし、グレンが唄ってる別バージョンはオリジナルを聴いてからじゃないとそのよさがわからないし、まあとにかくそういうよくわからない理由で、市販のベスト盤9枚のうち8枚に収録されているその曲は落とした。聴きたければベスト盤を買え、と。

DAT.jpg

G「Love's Crashing Waves」(3:08)
H「Picking Up The Pieces」(3:18)
5枚目の『Sweets From A Stranger』にも「Black Coffee In Bed」という名曲が入ってるんだけど、6分もかかるのでそれもカット。これは82年に一旦スクイーズが解散した後、84年に出たグレンとクリスのデュオ・アルバム。僕が最初に彼らのことを知ったのはこれから。名義こそディフォード&ティルブルックだけど、後にメンバーの入れ替わりが頻繁になることを考えても、これはスクイーズのアルバムとしてとらえるのが正当。

CFTF.jpg

I「No Place Like Home」(4:26)
85年に再結成後初のアルバム『Cosi Fan Tutti Frutti』から。このアルバムをプロデュースしているローリー・レイサムの音作りってやたら装飾音が多くてあまり好きじゃなかったんだけど、今聴くとやっぱりいかにも80年台風の音。ちょっとゴテゴテしすぎ。せっかくの美メロが埋もれがち。ベース好きとしてはベースの音がブイブイと前に出てるのは気持ちいいんだけどね。

BAO.jpg

J「Hourglass」(3:20)
K「Tough Love」(3:07)
87年の『Babylon And On』より。この頃はプロモ・ヴィデオとかも沢山作って一番派手だった頃かな。Jのヴィデオは面白い。曲自体も早口サビが面白いけど。

Frank.jpg

L「She Doesn't Have To Shave」(3:27)
M「Melody Motel」(3:51)
89年の『Frank』から2曲。ちなみにこのジャケットの亀について、わざわざ「このペイントは自然に優しいすぐ落ちる塗料なので、動物迫害はしておりません」みたいなことが書いてあって、冗談なのか本気でポリティカリー・コレクトに徹してるのか判断に迷う。LMどちらもシングルカット曲ではないけど、僕の好きな曲。このアルバムもなかなかあなどれない。

Play.jpg

N「The Truth」(4:12)
リプライズ・レーベル移籍後初のアルバム『Play』(91年)から。これがまた実に地味なアルバム。この曲は大好きなんだけど。

SFP.jpg

O「Some Fantastic Place」(4:31)
大好きといえばこの曲。彼らの曲の中で僕が一番好きかも。93年の同名アルバムから。亡くなった彼らの共通の友人が今も変わらぬ姿で住んでいると唄われる「どこか素敵な場所」とはもちろん天国のこと。前回の記事で書いたグレンのDVDの中に、ツアー中に訃報を聞いたジョージ・ハリソンにこの曲を捧げている場面があった。

Ridiculous.jpg

P「Electric Trains」(4:05)
Q「Grouch Of The Day」(3:27)
95年のアルバム『Ridiculous』から、Pはシングル曲、Qはアルバム内で僕が一番好きな曲。Qの歌詞、「僕は機嫌が悪いんだ」ということを表現するのに、「僕は『本日の不機嫌』」(レストランのメニューの「Fish Of The Day」とかそういう感じ?)とひねった言い方をしてるのがいい。

Incomplete.jpg

R「This Is Where You Ain't」(4:07)
98年に『Domino』というちょっと面白いジャケットのアルバムが出てるんだけど、それは飛ばしてしまおう。これは00年に出たグレンの初ソロアルバム『The Incomplete』からのシングル曲。『Domino』が僕にとっては今いちのアルバムだったんで、このグレン節が戻ってきたのを聴いてとても嬉しくなり、同時にいつも変な声でユニゾンで歌っていたクリスの声が入っていないことにとても悲しくなったのを覚えている。

TPP.jpg

S「Untouchable」(4:12)
21「Neptune」(3:59)
22「One For The Road」(2:40)
現在のところの最新アルバム、04年の『Transatrantic Ping Pong』(大西洋をはさんだピンポン?)から。最初のソロよりもいい曲が増えてるのはいい兆し。やはり最初のソロ後のキャンピングカーツアーが功を奏したのか。22は珍しくインスト曲。なんだかGSかベンチャーズみたいなギター?


以上。ああまたとんでもなく長くなってしまった。実際にCDがあるわけでもないのに、誰がこんなもの読むんだろう。まあいいや、falsoさんはじめスクイーズの曲をよくご存知の方は、「なんであの曲を入れない?」とか「これは違うだろう」とか突っ込んでいただければ幸いです。
posted by . at 23:46| Comment(15) | TrackBack(1) | yascd | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする