雨がザンザン降っている。雷も鳴りはじめた。今は雨の季節だったっけ。小降りになったら晩飯に出かけようと思ってるのに、篠突く雨は一向に衰えない。
昨晩から仕事でシンガポールに来ているところ。金曜日のシドニーでの会議を終えてその足で飛んできたから、一日で真冬から真夏に様変わり。まあ、シドニーは天気もよくて上着なしで歩けるぐらいだったし、シンガポールのこのホテルの部屋は冷房がガンガンに効いてて、一体どっちが冬でどっちが夏だかわかったもんじゃないけどね。
今日は朝からお得意先を視察がてら、シンガポールでの行きつけのCD屋にも何軒かちょっと顔を出して。日曜だからいいよね。とか言いながら夕方以降はすっかりそっちがメインに。
だいたい年がら年中セールばかりやっている町だけど、行くCD屋行くCD屋で手を変え品を変え僕の気を引くものが次から次へと。一旦手にとって店内を俳諧しているうちに、持ちきれなくてやっぱり棚に戻したのが何枚あったことか。
今日の収穫。
向こう側の3枚。3枚で49.90シンガポールドルのコーナーから、買おうと思っててまだ買ってなかったのをみつくろって。一枚あたり1110円か。まずまずだね。同じコーナーにペット・ショップ・ボーイズの最新作の2枚組バージョンとか、スミスの2枚組ベストとか、1110円なら絶対お得というのがいくつもあったけど、どれもこれももう持ってるものばかり。くやしいからもう一回買おうかと思ったけど、すぐさま却下。
手前の2枚。ニュー・オーダーのコレクターズ・エディションが30%引きで19.95ドル(1330円相当)になってたもの。日本で買うと倍か、下手すると3倍近くするよね。全作は揃ってなかったけど、そこにあったもの全部+ジョイ・ディヴィジョンの同じシリーズでまだ買ってないもの全部買いそうになったけど、ちょっとそれは断念。今週シンガポールにいるうちにまた行って買ってしまいそうな気もするけど。
そうこうしている間に雨も降ってきたし、全部で10日ほどの出張なのに靴を一足しか持ってきていなかったので、履き替え用にと今度は靴屋に向かう。
ビジネスシューズを探してたのに、結局地味目のドクター・マーティンズに。僕がこうして靴を迷ったときには大概ドクター・マーティンズを選んでしまうのは、若い頃のポール・ウェラーのせい。
さて、そろそろ雨やんだかな。腹減ってきた。何かアジアものでも食ってこよう。昼間は久しぶりのインドネシア料理を堪能したし。
そういえば、シドニーからシンガポールと、頭に「シ」のつく町ばかりに出張してるなと思っていたら、来週また上海に出張の予定が入ってしまった。次はどこだろう。
2009年07月05日
2009年07月01日
ジミオン三周年記念対談
やす:なあ、せんとうさぎ、せんとくんに似てへん?
yas:うわ!まだ言ってるよ。それって、もしかしたら、去年の二周年記念の話題?
やす:しゃーないやんけ。お前、俺のこと全っ然登場の機会も与えんと、一年放置したままやってんから。瞬間冷凍されてそのまま冷凍庫の奥に放りこまれてたみたいな気分やで。
yas:それは悪かったけど、挨拶もなしでこんな登場したら、最近このブログを訪れるようになってくれた人たちが混乱するよ。ほら、ちゃんと説明して。
やす:説明てなんやねんな。毎年、このブログが始まった7月1日になったら、この出来損ないの多重人格みたいなキャラが出てきて、特におもろいわけでもない掛け合いやってますー。詳しくはおととしと去年の7月1日の記事参照のこと。以上。こんな感じでええか?
yas:…まあ、相当実も蓋もない言い方だけどね。とにかく、今日でこのブログもめでたく三周年。よくもったもんだよね。
やす:ほんまやな。しかもこの一年は結構コンスタントに毎週書いてたからな。大したもんや。いくつ書いた?確か去年は48やったよな。
yas:よく覚えてるね、去年の記事数なんて。あ、そうか、ついさっきまで冷凍保存されてたからか。えーとね、67かな。毎月平均で5〜6記事書いてたことになるね。
やす:ほお、毎週どころとちゃうな。日本帰ってきて生活のペースつかめてきて、
yas:そうそう。
やす:仕事サボるコツも覚えてきたっちゅうことやな。
yas:いや、そういうわけではないと思いますよ。
やす:なに急に敬語使っとんねんな。ほんで、その67記事の内訳は?調べたんやろ、どうせ?
yas:はいはい、調べましたよ、どうせ。ほら。
アルバム: 一年目40 ⇒ 二年目25 ⇒ 三年目35
コンサート: 10 ⇒ 7 ⇒ 12
ビデオ: 2 ⇒ 0 ⇒ 4
yascd: 10 ⇒ 0 ⇒ 2
雑記: 24 ⇒ 11 ⇒ 12
非音楽的: 6 ⇒ 2 ⇒ 1
創作: 0 ⇒ 1 ⇒ 0
日記: 0 ⇒ 2 ⇒ 1
やす:ほお、それぞれ増えとるけど、「コンサート」が増えてんのが目立つな。やっぱり仕事サボってライヴばっかり行ってるんやな。
yas:違うってば。ちゃんと仕事してるよ。今年はなんと言ってもグレン祭りだろう。あれだけで5記事あったからね。それから、もうほとんど1年前になるけど、タマスの3連日ね。あれは記事としては一つにまとめてしまったけど。
やす:そうやな、そうやって思い起こすと、この一年はほんまにええライヴばっかり行ってる気がするな。
yas:うん、あとは、ホセ・ゴンザレスにシガー・ロス、ジェイソン・ムラーズ、ファウスト、フォール・アウト・ボーイとスチュワート&ガスキンか。
やす:イギリス人、オーストラリア人、スウェーデン人、アイスランド人、アメリカ人にドイツ人か。万博みたいやな。
yas:言われてみればそうだね。そういえば、そこそこメジャーな人たちのライヴレポートを書いてきたおかげか、そういうレポートをアップした日には、アクセス数と人数がすごく跳ね上がるようになってきたんだよね。きっかけは去年の10月のシガー・ロスあたりかな。それから結構コンスタントな数のアクセスがずっと続いてるんだよ。
やす:へえ、そら凄いな。
yas:でもね、特に新しいわけでもないある一つの記事に執拗にアクセスしてたり、コメント書き込み画面にもの凄い数のアクセスがあったりと、どうも人間ばかりが見てるだけじゃないみたいなんだよね。
やす:人間ちゃうて、ほなあれか。動物?
yas:そうそう、ひづめでクリックしたりとか…なんでだよ!
やす:そういうのをノリツッコミって言うらしいで。こないだ教えてもろてん。
yas:知ってるよ!
やす:さよか。さすが日本の生活長いだけあるな。NZから帰ってきてもうどれぐらいになるんやっけ?
yas:ちょうど一年半を過ぎたところだね。ということは、このブログももう半分は日本で書いたことになるのか。早いよね。
やす:ほんまにな。ところで、次はあれやろ。この一年、どのアーティストが多く取り上げられたか、っちゅうやつ。まあ、一位はサルでもわかるやろけどな。
yas:うん、サルがこのブログを読んでるかどうかはともかく、こういう順位だったよ。
一位:グレン・ティルブルック/スクイーズ (大特集12、小特集0)
二位:シガー・ロス (大特集3、小特集2)
三位:ジェイソン・ムラーズ (大特集3、小特集1)
四位:ジェフ・ハンソン (大特集2、小特集1)
五位:ホセ・ゴンザレス (大特集2、小特集0)
五位:ニック・ロウ (大特集2、小特集0)
やす:12て、すごいな。さっき一年で67記事て言うとったから、平均したら5〜6回ごとにグレンやらスクイーズの話書いとったいうわけやな。
yas:そうだね。それに加えて、クリス・ディフォード、ジュールス・ホランド、ロード・ラージをそれぞれ1回ずつ大特集で取り上げてるから、スクイーズ・ファミリーという意味では全部で15回ということになるね。
やす:そらたいしたもんや。そやけど、自分ではスクイーズとかニック・ロウのことそこそこ詳しいつもりやったけど、世の中には凄いファンが一杯いてはるんやなあと思わせられた今日この頃やね。
yas:うん、最近のコメント欄ね。グレンのライヴの後、飲みながら延々マニアックな話をしてたのも最高に楽しかったけど、ここで日本各地のファンの方々にコメントを頂くというのもまた嬉しいもんだよね。
やす:そやな、もうすぐまたグレン来はるしな。まさか今年また観られるとは思ってもみんかったで。
yas:そうそう、それに、まさかのニック・ロウ再来日もね。ライ・クーダーと一緒にというのが、嬉しくもあり余計なお世話でもあり、だけどね。
やす:確かになあ。リトル・ヴィレッジ演ってくれたとしても、そんな狂喜乱舞っちゅうわけでもないしな。これが、例えば「日本だけで一夜きりのロックパイル再結成!」とかいう話やったら、今回の東京4公演全部合わせた値段やったとしても文句言えへんねんけどな。
yas:まあ、そんなにないものねだりしててもしょうがないし、とりあえず11月には何日間行くかまず考えようよ。
やす:おう。ただなあ、もともと何日も続けて演っても、グレンみたいに日替わりでガラッと演目変わる人でもないやろ。ましてやライと一緒やったら、余計にアドリブきけへんやろし、あの値段もあって、あんまり何日も続けて行きたいっちゅう気になれへんのが正直なとこなんやけどな。
yas:ほんとに文句が多い男だね君も。
やす:それにな、せっかくアークティック・モンキーズ日本で観られる思たら、武道館やて。3年前のあの濃密な(人口の)ライヴ経験したら、ちょっとそういう場所で観る気になれんわな。
yas:しょうがないだろ、それだけの人気なんだから。
やす:あとあれや、エイミー・マン。せっかく観に行こ思たら、よりによって俺が会議で忙しい日やし。それに、来週のスコット・マシューかて俺の出張中やろ。
yas:ああもう、うるさい!また来年まで放置ね。
やす:え。そうはいくか。今年こそは俺が挨拶して終わるからな。読者の皆さん、これからもまた一年よろしゅう頼んます。俺もたまに出てきて大阪弁翻訳もやるんで、お楽しみに!
yas:うわ!まだ言ってるよ。それって、もしかしたら、去年の二周年記念の話題?
やす:しゃーないやんけ。お前、俺のこと全っ然登場の機会も与えんと、一年放置したままやってんから。瞬間冷凍されてそのまま冷凍庫の奥に放りこまれてたみたいな気分やで。
yas:それは悪かったけど、挨拶もなしでこんな登場したら、最近このブログを訪れるようになってくれた人たちが混乱するよ。ほら、ちゃんと説明して。
やす:説明てなんやねんな。毎年、このブログが始まった7月1日になったら、この出来損ないの多重人格みたいなキャラが出てきて、特におもろいわけでもない掛け合いやってますー。詳しくはおととしと去年の7月1日の記事参照のこと。以上。こんな感じでええか?
yas:…まあ、相当実も蓋もない言い方だけどね。とにかく、今日でこのブログもめでたく三周年。よくもったもんだよね。
やす:ほんまやな。しかもこの一年は結構コンスタントに毎週書いてたからな。大したもんや。いくつ書いた?確か去年は48やったよな。
yas:よく覚えてるね、去年の記事数なんて。あ、そうか、ついさっきまで冷凍保存されてたからか。えーとね、67かな。毎月平均で5〜6記事書いてたことになるね。
やす:ほお、毎週どころとちゃうな。日本帰ってきて生活のペースつかめてきて、
yas:そうそう。
やす:仕事サボるコツも覚えてきたっちゅうことやな。
yas:いや、そういうわけではないと思いますよ。
やす:なに急に敬語使っとんねんな。ほんで、その67記事の内訳は?調べたんやろ、どうせ?
yas:はいはい、調べましたよ、どうせ。ほら。
アルバム: 一年目40 ⇒ 二年目25 ⇒ 三年目35
コンサート: 10 ⇒ 7 ⇒ 12
ビデオ: 2 ⇒ 0 ⇒ 4
yascd: 10 ⇒ 0 ⇒ 2
雑記: 24 ⇒ 11 ⇒ 12
非音楽的: 6 ⇒ 2 ⇒ 1
創作: 0 ⇒ 1 ⇒ 0
日記: 0 ⇒ 2 ⇒ 1
やす:ほお、それぞれ増えとるけど、「コンサート」が増えてんのが目立つな。やっぱり仕事サボってライヴばっかり行ってるんやな。
yas:違うってば。ちゃんと仕事してるよ。今年はなんと言ってもグレン祭りだろう。あれだけで5記事あったからね。それから、もうほとんど1年前になるけど、タマスの3連日ね。あれは記事としては一つにまとめてしまったけど。
やす:そうやな、そうやって思い起こすと、この一年はほんまにええライヴばっかり行ってる気がするな。
yas:うん、あとは、ホセ・ゴンザレスにシガー・ロス、ジェイソン・ムラーズ、ファウスト、フォール・アウト・ボーイとスチュワート&ガスキンか。
やす:イギリス人、オーストラリア人、スウェーデン人、アイスランド人、アメリカ人にドイツ人か。万博みたいやな。
yas:言われてみればそうだね。そういえば、そこそこメジャーな人たちのライヴレポートを書いてきたおかげか、そういうレポートをアップした日には、アクセス数と人数がすごく跳ね上がるようになってきたんだよね。きっかけは去年の10月のシガー・ロスあたりかな。それから結構コンスタントな数のアクセスがずっと続いてるんだよ。
やす:へえ、そら凄いな。
yas:でもね、特に新しいわけでもないある一つの記事に執拗にアクセスしてたり、コメント書き込み画面にもの凄い数のアクセスがあったりと、どうも人間ばかりが見てるだけじゃないみたいなんだよね。
やす:人間ちゃうて、ほなあれか。動物?
yas:そうそう、ひづめでクリックしたりとか…なんでだよ!
やす:そういうのをノリツッコミって言うらしいで。こないだ教えてもろてん。
yas:知ってるよ!
やす:さよか。さすが日本の生活長いだけあるな。NZから帰ってきてもうどれぐらいになるんやっけ?
yas:ちょうど一年半を過ぎたところだね。ということは、このブログももう半分は日本で書いたことになるのか。早いよね。
やす:ほんまにな。ところで、次はあれやろ。この一年、どのアーティストが多く取り上げられたか、っちゅうやつ。まあ、一位はサルでもわかるやろけどな。
yas:うん、サルがこのブログを読んでるかどうかはともかく、こういう順位だったよ。
一位:グレン・ティルブルック/スクイーズ (大特集12、小特集0)
二位:シガー・ロス (大特集3、小特集2)
三位:ジェイソン・ムラーズ (大特集3、小特集1)
四位:ジェフ・ハンソン (大特集2、小特集1)
五位:ホセ・ゴンザレス (大特集2、小特集0)
五位:ニック・ロウ (大特集2、小特集0)
やす:12て、すごいな。さっき一年で67記事て言うとったから、平均したら5〜6回ごとにグレンやらスクイーズの話書いとったいうわけやな。
yas:そうだね。それに加えて、クリス・ディフォード、ジュールス・ホランド、ロード・ラージをそれぞれ1回ずつ大特集で取り上げてるから、スクイーズ・ファミリーという意味では全部で15回ということになるね。
やす:そらたいしたもんや。そやけど、自分ではスクイーズとかニック・ロウのことそこそこ詳しいつもりやったけど、世の中には凄いファンが一杯いてはるんやなあと思わせられた今日この頃やね。
yas:うん、最近のコメント欄ね。グレンのライヴの後、飲みながら延々マニアックな話をしてたのも最高に楽しかったけど、ここで日本各地のファンの方々にコメントを頂くというのもまた嬉しいもんだよね。
やす:そやな、もうすぐまたグレン来はるしな。まさか今年また観られるとは思ってもみんかったで。
yas:そうそう、それに、まさかのニック・ロウ再来日もね。ライ・クーダーと一緒にというのが、嬉しくもあり余計なお世話でもあり、だけどね。
やす:確かになあ。リトル・ヴィレッジ演ってくれたとしても、そんな狂喜乱舞っちゅうわけでもないしな。これが、例えば「日本だけで一夜きりのロックパイル再結成!」とかいう話やったら、今回の東京4公演全部合わせた値段やったとしても文句言えへんねんけどな。
yas:まあ、そんなにないものねだりしててもしょうがないし、とりあえず11月には何日間行くかまず考えようよ。
やす:おう。ただなあ、もともと何日も続けて演っても、グレンみたいに日替わりでガラッと演目変わる人でもないやろ。ましてやライと一緒やったら、余計にアドリブきけへんやろし、あの値段もあって、あんまり何日も続けて行きたいっちゅう気になれへんのが正直なとこなんやけどな。
yas:ほんとに文句が多い男だね君も。
やす:それにな、せっかくアークティック・モンキーズ日本で観られる思たら、武道館やて。3年前のあの濃密な(人口の)ライヴ経験したら、ちょっとそういう場所で観る気になれんわな。
yas:しょうがないだろ、それだけの人気なんだから。
やす:あとあれや、エイミー・マン。せっかく観に行こ思たら、よりによって俺が会議で忙しい日やし。それに、来週のスコット・マシューかて俺の出張中やろ。
yas:ああもう、うるさい!また来年まで放置ね。
やす:え。そうはいくか。今年こそは俺が挨拶して終わるからな。読者の皆さん、これからもまた一年よろしゅう頼んます。俺もたまに出てきて大阪弁翻訳もやるんで、お楽しみに!
2009年06月28日
期間限定1ドル - Fanfarlo
ここのところちょっと忙しくしていて、スクイーズとニック・ロウの記事に沢山頂いている超マニアックな(笑)コメントにもろくに返事ができておらず、申し訳なく思っている。まあ、そちらの方はこの週末になんとかするとして、もう一つ、次の週末になる前に書いておかないといけない記事があるので、手短にやっつけてしまおう。
確かあれは、先月アップル・クランブル・レコードでまとめ買いをしようと、気になったのを片っ端からクリックして試聴していたときだった。この、シャイニングの双子を思い出させるセピア色の写真が目に留まり、試聴してみたらよさそうだったので買おうと思ったら、生憎売り切れていた(今日時点でもまだ売り切れているみたい)。
よく似た雰囲気のジャケのシングル盤もあって、そっちも気になったんだけど、確かその時は全部で8枚ほど、金額にして1万円を余裕で越える枚数が既にショッピングカートに入っていたので、いくら数十秒試聴して気に入ったたとはいえ、知らないバンドの、2曲しか入っていない7インチ盤、しかも1000円越えモノはやむなく選から落としてしまったんだった。
それからしばらくして、ふと何かのきっかけでこのバンド名を思い出し、検索してみたところ、なんと、あの売り切れていたアルバムが、7月4日まで1ドルでダウンロードできるというニュースを見つけた。しかも、アルバム全曲に4曲のボーナストラック付き。
この「1ドルで」ってところが上手いと思うんだよね。誰にでも当てはまる心情かどうかわからないけど、少なくとも僕は、もしこれが「無料ダウンロード」とかだと、逆に興味を失っていたと思う。もちろん、例えば今アイアン&ワインのオフィシャルサイトでやっているみたいな、既に自分が持っているアルバムのアウトテイクだとか、好きなバンドのライヴだとかなら喜んでダウンロードするけど、よく知らない新人バンドのアルバム1枚タダ!って言われても、「いや、他に聴くものいっぱいあるからいいっす」という気持ちになってしまう。
たまにCD屋でオマケに付いてくるサンプラーCDも積極的に聴きたいと思うことは少ないし、例えは変だけど、駅前で配っているティッシュとかをわざわざ受け取りたくないと思う心情に似てるのかも。それが、1ドルと値段をつけられた途端、自分はこのアルバムを意思を持って買うんだという気持ちに切り換えられてしまうんだろう。しかも時期限定のうえ、おまけに安い(笑)
と、なんだかわかったようなわからないような自己分析は置いといて、とにかく1ドル払ってダウンロードしてみたこのアルバム、ジャケ写から受けたイメージとは微妙に違ったんだけど、かなり僕の好みのツボを突いたものだった。
さっきリンクを載せたアップル・クランブルの解説によると、ペイル・ファウンテンズが引き合いに出されているロンドンのバンドだという。そういうイメージを持って聴いてみたんだけど、どうも僕にはアメリカのバンドばかりが頭に浮かんできた。ほんとにこれ、イギリスのバンドなの?
ヴォーカルのよれ具合、アコースティック楽器主体でガチャガチャと(でも決してやかましくはなく)かき鳴らされるちょっとねじれた楽曲、曲によってストリングスやソウ(アミーナのアルバムでお馴染みの、木霊が出てくるときみたいなあの音)の効果的な使われ方。僕には、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー、オカヴィル・リヴァー、ベイルートあたりの良質なアメリカのグループのエッセンスをぐるぐるとよくかき混ぜたような音に聴こえる。ボートラを含めて数曲の短いインストも、とてもいい雰囲気。
1ドルダウンロードが上手いやり方だと書いたけど、普通の人はそうやってダウンロードしてしまったらそれで満足してしまうのかな。だとすると、期間限定だとはいえ、本当はセールス的には上手いやり方とは言えないのかもね。でも、僕は例えばこの素敵なジャケットのアルバムがLPで出たら、買うと思う。残念ながらLPは出ていないようだけど、彼らのサイトを見ていると、5月25日にロンドンのラフトレードで無料ライヴを演った際に、枚数限定でこのアルバム手作りパッケージ版を出していたみたい。ちょっと間に合わなかったよ。悔しい。
同じくオフィシャルサイトから、アルバム中の一曲「Finish Line」のアコースティック・ヴァージョンのビデオが配られていたので、貼り付けておくね。こういう映像を観ると、ああロンドンのバンドなんだ、って気がするね。誰かの裏庭に集まって演奏しているような風景(三輪車がいいね)。英国風のジャケットを着た女性メンバーがマンドリンを弾いたり膝を叩いてリズムをとったりするのも味があるし、グロッケンを弾いていたメンバーが曲の途中でメロディカからトランペットへと忙しく動き回るところもいいね。それに、曲が終わったときにちょっと聴こえる鳥のさえずりがまたなんともいえない。
ビデオの最後にも出てくるけど、1ドルダウンロードの期限まであと一週間。これ観て聴いて気に入った人はダウンロードしてみて。もし7月4日までにダウンロードできなかった人は、次にアップル・クランブルさんに入荷するのを待ちましょう。
2009年06月21日
観てみました
5月17日の記事のコメント欄は、さしずめ日本中のスクイーズ・マニアにつどって頂いたのではないかと思えるほどの賑わいだった。その中で、ディフォード&ティルブルック名義の未発表曲がサントラに使われた映画があるらしいとの情報を戴いた。僕もコメンターの方々もその曲の存在を知らず、これは結構なレア曲だということが発覚。
残念ながらその映画はサントラ盤のアルバムが出ておらず、CDやLPを買ってその曲を聴くことはできない。となると、もうその映画を観てみるしか、その曲の存在を確かめる方法はなさそうだ。ちなみに、これがその映画の挿入曲。問題の曲は、5曲目。
"I'VE GOT YOUR PLEASURE CONTROL"
Performed by Simon Harris
"GRAFFITTI LIMBO"
Performed by Michelle Shocked
"TEARS"
Performed by Frankie Knuckles
"YOU MADE ME"
Performed by Shakespear's Sister
"SIMPLE WORDS"
Performed by Difford & Tilbrook
"ANSELMA"
Performed by Los Lobos
"WITHIN THESE WALLS OF WITHOUT YOU"
Performed by Difford & Tilbrook
"TONGUED IN THE WOODS"
Performed by Jools Holland
"THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU"
Original recording by Burt Bacharach
Re-recorded by Tom Blades
"ASSASSIN OF LOVE"
Performed by Willy DeVille
"ELECTRIC MOON"
Performed by Shakespear's Sister
"HEAD AND HEART"
Performed by John Martyn
"JE SUIS TOMBE"
Performed by Carmel
"WE'RE THROUGH"
Performed by Jools Holland
というわけで、DVDを買ってみた。もう20年も前の映画で、DVD化されてからも6年も経つ作品なので、そこそこお手頃な値段で入手。まずは、映画自体について少しだけ書いてみよう。これから観てみようというスクイーズ・ファンの方もいらっしゃるだろうから、ストーリーについてはなるべく触れないようにするよ。
主人公を演じるのは、デクスター・フレッチャー(Dexter Fletcher)。イギリスのテレビや舞台を中心に活動していた人らしいね。ヒロイン役は、アイオン・スカイ(Ione Skye)。結構いろんな映画に出ているようだけど、彼女のことも僕は知らなかった。DVDのジャケットに名前が載っているあとの二人は、いくつかの映画で観たことあるよ。主人公の義兄役のジョナサン・プライス(Jonathan Pryce)と、ヒロインの恋人役のジェイムズ・スペイダー(James Spader)。
お話自体は、まあそれほどどうってこともないラブストーリー。89年当時は、主人公が自宅のパソコンを駆使するところが新しかったんだろうけど、さすがに今見るとでっかいCRTのモニターと、プログラムを起動するのにいちいちフロッピーディスクを差し込んだりするところが時代を感じさせる。削除したデータがゆっくり溶けるように画面から消える、とか。
いまいち感情移入しづらいところや、「こんなにうまくいくわけないだろう」という御都合主義的なところも沢山あるけど、イギリス映画らしい皮肉なユーモアもそこかしこに散りばめられていて、そこそこ楽しめる。あとは、きっとこれがあるからこのDVDが長い間廃盤にならないんだろうなと思える、これでもかというほどのベッドシーンと入浴シーン(笑)
ジョー・ジャクソンの『Beat Crazy』やカルトの『Electric』が主人公のレコードコレクションの中に確認できるが、それらが劇中でかかることはない(むしろ、カルトのレコードは主人公のインテリジェントでない面を象徴するように使われたりしている)。
さて、劇中曲だ。実は、最初に通して観たときには、件の「Simple Words」がどこで使われているのか全くわからなかった。更に言うと、自分が知っているはずの「Within These Walls Of Without You」ですら、かかっていることに気づかなかった。ストーリーを追いながらとはいえ、結構集中して出てくる曲は全部聴いていたつもりだったんだけど。
「おかしいな。出てこないな」と思ってるうちに、1時間34分の映画は終了。エンドロールのバックに流れたのが、上の曲目リストで一番最後にあるジュールス・ホランドの「We're Through」だというのはもちろんわかったけど、ジュールスのもう1曲もよくわからなかった。彼のアルバムを全て押さえているわけじゃないけど、そもそもこんなタイトルの曲あったっけ。
そんなはずはないと、今度はリストとペンを手に、もう一度最初から観てみた。まず、主人公が最初にヒロインと出会うパーティーでガンガンかかっているのが「I've Got Your Pleasure Control」だね。タイトルが歌われているんで、それはわかる。
ところが次からが難しい。リストに載っている曲以外にも、この映画用に作られたと思しきインスト曲がいくつか入っているようで、ちっともわからない。ミシェル・ショックトの曲は多分さっきかかったあれなんだろうな、という程度。
シェークスピアズ・シスターズの「You Made Me」がわかったので、さあ次だ、と思いながらじっくり観ていると、ようやくわかった。どのシーンなのかは楽しみに観る人がいるかもしれないから秘密にしておくけど、サビらしき部分がちらっとかかる、わずか9秒ほどのシーン。
BGMとして使われていて、本当によく耳をすまさないと聴こえないぐらいなので、アップテンポの曲だということ、グレンが歌っていること、サビ(?)の部分に「Simple Words」という歌詞があること、しかわからない。
まあそれでも、レコーディングされていながら、まだ公式には世に出てきていないスクイーズ(ディフォード&ティルブルック)の曲が存在することは確認できた。そのうち、あの頃のアルバムが全部デラックス・エディションとして再発されるときに収録されることを期待していよう。
映画に戻って、更に観ていると、ロス・ロボスの「Anselma」がこれも小さなボリュームでちらっとかかる。ドラマ中盤で、ストーリー展開が大事な場面が続くから、会話や口論の後ろで静かにかかっているケースばかりだね。ということは、次の「Within These Walls Of Without You」も…
やっぱりそうだった。主人公が義兄と話し合うシーンのBGMに使われていたよ。今度は9秒とかじゃなくて、わりと長く使われていたのに、一回目に観たときは気づかなかった。曲に気をつけていたつもりでも、どうしてもストーリーを追うために台詞に耳が行ってしまっていたんだろうね。
ジュールスの「Tongue In The Woods」(らしき曲)は、おそらくその後(すぐ後じゃなく、いくつかの映画用のインストにまぎれて)使われていたメロウなピアノ曲だろう。そうだとしたら、その曲はその後も何度か使われていたね。
ちなみに、映画用のインスト曲を書いているのは、チャズ・ジャンケルだった(イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズの、というのと、「愛のコリーダ」の作曲者の、というのと、どちらにひっかかる人が多いだろうか。まあ、どっちにしても30年ぐらい昔の話だけどね)。
90年といえば、『Frank』でジュールスがスクイーズに復活した直後だから、このアルバムにもスクイーズのメンバーが総出演。グレンとクリスはもちろん、ベースにキース・ウィルキンソン、ドラムスはこの後もずっとジュールスと行動を共にするギルソン・レイヴィス。
映画に使われている「We're Through」は、キム・レズリーという女性とのデュエットで、作曲クレジットはHolland/Difford。クリスはギターとコーラスでも参加。まるでこの映画のストーリーを追って書かれたかのような歌詞は、クリスにしては単純な言い回しばかりだけど、それでも各ラインできっちり韻を踏んでいるところはさすが。
きっと一般的にはスティングが一曲に参加していることが話題のこのアルバム、ジュールスのアルバムらしい楽しさ満載の好盤なので、興味がある方は是非どうぞ。
2009年06月14日
11 All-Time Lowes - Nick Lowe
どうも癖になるこの企画。1月31日と5月17日に自分の持っているスクイーズとグレン・ティルブルックのシングル盤の棚卸しをしてみたら、同じシングル箱に入っている他のアーティストのものも気になってきた。ちょうど5月24日の記事に思いのたけを半分程度の分量に絞って書き綴って以来、自分内でにわかに再燃していたニック・ロウ関連のシングル盤を並べてみることにした。大丈夫、スクイーズほど多くないから、安心して読み進んで。

1. Bay City Rollers We Love You - Tartan Horde
2. Bowi
3. Halfway To Paradise
まずは、ブリンズリー・シュウォーツ解散後の小遣い稼ぎ(?)、タータン・ホードの変名で出したベイ・シティ・ローラーズ賛歌。見てのとおり「憧れのベイ・シティ・ローラーズ」という邦題のついた、かなり適当な作りのジャケの日本盤。この後にもう一枚「愛しのベイ・シティ・ローラーズ・ショー(Rollers Show)」というのも出てるけど、僕はそれを探しているうちに両面とも『The Wilderness Years』という編集盤CDに収められたので、同じく適当なジャケのそれはもういらなくなった。
僕の持っている方のB面は「Rollers Theme (Instrumental)」というタイトルで、CD未収録。とはいえ、単なるA面のインスト版。解説には「又B面はカラオケになっているのであなたの作ったローラーズ賛歌を歌ってみるのもおもしろいでしょう」とか書いてあるけど、これ最近のJポップのマキシシングルのカップリングみたいなカラオケ用のバックトラックじゃなくて、ちゃんと歌メロがシンセでヒョロヒョロと入っているので、いざカラオケに使おうとすると(しないけど)いまいち歌いにくい。
2はこのブログにジャケを載せたこともあったはず。デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)が77年に『Low』というタイトルのアルバムを出したことへの(一方的な)返答。ちゃんとロゴの字面も同じにしてあるところが律儀。A面がLive、B面がDeadと名付けられているけれど、特にA面がライヴ録音というわけでもなく、B面が死ぬほど退屈なわけでもない。収録4曲中、「Marie Provost」は翌年のファーストアルバム『Jesus Of Cool』に再録。他3曲は先述の『The Wilderness Years』でCD化。中でも特に「Endless Sleep」はその後のベスト盤に何度も収められるほどの人気曲。確かにこのしっとり感、今のニックの芸風に通じるところがあるかも。CDで聴けるようになったのは嬉しいけど、僕が買ったときから既にバチバチとノイズが入っていたこのEPで聴くのも、どういうわけかやけに気持ちが落ち着いてしまって、また格別。
いかん、このままだと全曲解説(というか、単なる無駄口)になってしまう。とっとと次に移ろう。3のジャケ付きはもしかしたらちょっと珍しいかな。と思って調べてみたら、Nick Lowe Top 30 Rarities!リストの24位に入ってた。そこに書いてあるとおり、クリア・イエロー盤。ほら。

さらにレアかも、と思うのは、僕の持っているこの盤、「Halfway To Paradise」をかけるとB面の「I Don't Want The Night To End」がかかり、「I Don't〜」をかけると「Halfway〜」がかかる。つまり、レーベルがAB面逆に貼られている。このミスプレス盤って何枚ぐらい出回ってるんだろう。オークションとかで売ると結構な額になるかも。売らないけど。

4. Little Hitler
5. Sing The Everly Brothers - Nick Lowe & Dave Edmunds
6. My Heart Hurts
『Jesus Of Cool』からのセカンド・シングルだった4は、その曲自体は既に『16 All-Time Lowes』に入っていたけど、僕がこれを買った目的はB面の「Cruel To Be Kind」のオリジナル・ヴァージョン。ブリンズリー時代から演っていたスピーディーなスタイルで、実はラジオでこっちのかっこいいヴァージョンを先に聴いていた僕は、後にヒットする方のヴァージョンがやけにもっさり感じられてしまっていて、ずっとこのシングルを探していたんだ(もう20年以上も前の話だけど)。
表ジャケの「Little Hitler」というタイトル下に小さく書いてある「Actual Size」というのがどういうギャグなのかよくわからないけど、この当時のニックのレコードのジャケはどれもこれもコレクター心をそそるいかしたデザイン。このシングルに関して言うと、曲自体もB面がお気に入りだけど、ジャケットのデザインもB面のこの写真がすごくいいと思う。

5のジャケには見覚えがある人が多いだろう。yascd010の3曲目といえば、このブログを昔から読んでくださっている方ならピンとくるはず。そこに書いたとおり、ロックパイルの『Seconds Of Pleasure』の初回盤に付いていたおまけシングル。同じyascd絡みでいうなら、004の2分担当だったロックパイルの「Now And Always」はモロにエヴァリー・ブラザーズ風(004の記事にもそう書いたね。同じことばかり書くブログ)。きっと、アルバムに入れたその曲の種明かしのつもりで、このシングルをおまけにつけたんだろうね。
僕の持っているこの盤は、残念ながらアルバムのおまけについていたものではなく、85年にドイツのライン・レコード(Line Records)から再発されたもの。ラインからの再発盤といえば、知ってる人は思い当たるはず。そう、カラー・ヴィニール。これは白。

今日紹介する中では、6が一番聴き応えがあるかも。82年の『Nick The Knife』からのシングルカットで、ゲイトフォールドのジャケに入った4曲入り2枚組。うち3曲はライヴ。タイトル曲自体は後になっても(マニアックな選曲の)『Nicks Knack』や(66曲詰め込みましたという)『The Doings』あたりのコアなベスト盤にしか収録されないような程度の曲なんで、一応儀式のようにさらっと聴いて、続く3面に1曲づつ収められたライヴが本当のお楽しみ。「Pet You And Hold You」、「Cracking Up」と、ニックのレパートリーでは黒っぽい曲が続き、締めは「What's So Funny About Peace, Love & Understanding」。ギターにマーティン・ベルモント、ドラムにボビー・アーウィン、キーボードにポール・キャラックという強力な布陣のヒズ・ノイズ・トゥ・ゴーの演奏で、このスタイルの「Peace, Love & Understanding」がライヴで聴けるのが嬉しい。
UKツアー前に出た盤らしく、裏ジャケにツアー日程が書いてあるんだけど、4月29・30日、5月1・2・3・5・6・7・8・10・11・12・13・14・15・16・17日って、凄いハードスケジュール。この3週間弱で、5月4日と9日だけしか休みないよ。しかも4/29のリーズから5/17のロンドンまで、全日程それぞれ別の都市。

7. Ragin' Eyes
8. Baby It's You
12インチ盤の時代に入って、83年の『The Abominable Showman』からのシングルカット、女の子の目からビームが出るPVでお馴染みの曲(笑)。B面は同アルバムから、ニックにしては珍しい(「Heart」に続く)レゲエ曲「Cool Reaction」が2ヴァージョン。最初がインストというかダブ・ヴァージョンで、二つ目がアルバム・ヴァージョン。ややこしいのが、裏ジャケ表記ではこれらがそれぞれ「Commercial Version」「Non Commercial Version」となっているんだけど、それがレコードのレーベル部分には「Irregular Version」「Regular Version」と書かれていること。呼び方ぐらい統一してくれ。さっきのレア盤リストを見てて驚いたのが、これが20位にランクインしていること。UK盤XX31T。うん、間違いない。そんなにレアだったんだね、これ。
8は日本盤。84年の『Nick Lowe And His Cowboy Outfit』からのシングルカットだった「L.A.F.S.」をムリヤリB面にし、そのB面曲だった「(Hey Big Mouth) Stand Up And Say That」と「Baby It's You」をA面に持ってきた上で、その順番も換えて、「Baby It's You」をシングル表題曲にしたというもの。というのも、これがエルヴィス・コステロとのデュエットで、当時そこそこ売れていたコステロ人気にあやかろうとしたんだろう。
ほのぼのとしたそのデュエット自体は悪くはないものの、曲としてはやっぱり僕は本来のA面だった「L.A.F.S.」が大好き。アルバム中この曲のみをプロデュースしたコステロの趣味が炸裂した(彼の多彩な趣味の中でも、ニュー・オーリンズ/アラン・トゥーサン方面)、はじけんばかりのホーンとニックの柔らかなヴォーカルの調和が心地良い佳曲。
ちなみにこの盤、どういうわけか12インチなのに33回転で、せっかくのフォーマットを全然活かしきってない勿体無い作り。もの凄く厳密なことを言うと、同じ33回転でもB面のラストに入っていた「L.A.F.S.」を盤の一番外周の長い溝で聴けるので、多少は音がよくなってるんだろうけど、どうせなら45回転にしてほしかったよね。見た目にもほら、30センチのレコード盤のほとんどが無音部分。

さて、最後は90年代以降。CDになってからのコレクション。

9. Solar Sex Panel - Little Village
10. Live! On The Battlefield
11. Poor Side Of Town
こないだから何度か続けざまにこのブログに名前が出ているスーパーグループ、リトル・ヴィレッジのシングル盤9を入れておこう。ジョン・ハイアットの『Bring The Family』を作った勢いでグループを結成したはいいけど、きっとアルバムを作ってツアーに出たところでジョンがわがまま言い出して、ライ・クーダーと合わなくなって、そのまま自然消滅というのが結末だったんだろうね。残念ながら期待していたアルバムはイマイチの出来で、きっとメンバー4人の誰もがそれほどポジティヴに思い出したくない思い出なんだろうけど、まあ事実としてこういうこともあった、と。
アルバムの作曲クレジットが4人一緒になっているので、クレジットを見ているだけじゃどの曲を誰が書いたのかわかりづらいんだけど、ジョンがリード・ヴォーカルを取るこのタイトル曲はあからさまに彼の曲。そして、アルバム未収録の2曲目「Do With Me What You Want To Do」は誰が聴いてもニックの曲。もちろんヴォーカルも彼。ちなみにこれもアルバム未収録の3曲目「Haunted House」ではライがヴォーカルを取っている。喧嘩しないようにバランス考えたのかな。
それにしてもこのリトル・ヴィレッジのアルバム、この未収録の「Do With Me What You Want To Do」だけじゃなく、「Do You Want My Job」、「Don't Go Away Mad」、「Don't Think About Her When You're Trying To Drive」、「Don't Bug Me When I'm Working」と、やたらDoだのDon'tだので始まるタイトルの曲ばかり。そんな自己主張ばかりしてるからすぐ喧嘩するんだよ。
5曲入りの10をシングル盤と捉えていいのかどうかわからないけど、せっかくなので一緒にリストに入れておこう。94年のインポシブル・バーズ・ツアーの後で出たんだよね。『The Impossible Bird』からのタイトル曲に、そのツアーからのライヴ録音が3曲(うち、「36 Inches High」は中野サンプラザでの録音。僕が行ったのはクアトロだったんだよね。悔しい)。そして5曲目が、アーサー・アレキサンダー(Arthur Alexander)のトリビュート盤『Adios Amigo』から。
ちなみにこのトリビュート盤、ニック以外にも、ロジャー・マッギン、エルヴィス・コステロ、ロバート・プラント、グレアム・パーカー、マーク・ノフラー、フランク・ブラック、マーシャル・クレンショウ、ゲイリー・US・ボンズ、ダン・ペン等々、僕的にはかなりツボに入る面々が参加していて、この手のトリビュート盤では同じくグレアム・パーカーやフランク・ブラック、デイヴ・エドモンズからスミザリーンズ、トム・ヴァーレインまで参加したオーティス・ブラックウェルのトリビュート盤『Brace Yourself!』と並んでの愛聴盤。
放っておくとどんどん話が脱線するね。まあ、もう余程物好きな人でもない限りこんなところまでは読んでないだろうからいいんだけどね。あと1枚だから付き合ってね。
01年の『The Convincer』からのシングルカット11が、僕の持っているニックのシングルでは最新盤。あのアルバムからは他にも「Lately I've Let Things Slide」がシングルカットされているのは知ってるんだけど、まあそれはまた機会があれば手に入れよう。
もうすっかり落ち着きモードの『The Convincer』からのシングルカットらしく、カップリングの3曲も同じく大人の雰囲気。3曲目の「Different Kind Of Blue」だけがニックの自作曲。どの曲も、『The Convincer』やその前後のアルバムに入っていてもおかしくないぐらいの出来。
というわけで、全11枚。なんだか、もっと沢山持ってるような気が自分ではしてたんだけどな。きっと、91年という比較的早い時期に、それまでのアルバム未収録曲を網羅した『The Wilderness Years』というCDが出てしまったから、その時点でシングル盤をちまちま集める気持ちが失せてしまったんだろうね。まあ、もともとあんまりシングルのB面に未発表曲やらライヴ録音やら沢山入れるようなコレクター泣かせの人でもなかったし。
とはいえ、さっきのレア盤リストとか見てたら、なんだかあれこれ欲しくなってきてしまった。困ったな、これは。これで本当に来日でも決まってしまったら、その勢いでまたオークションで散財してしまいそうな雰囲気。
<6月21日追記>
シングル箱。

1. Bay City Rollers We Love You - Tartan Horde
2. Bowi
3. Halfway To Paradise
まずは、ブリンズリー・シュウォーツ解散後の小遣い稼ぎ(?)、タータン・ホードの変名で出したベイ・シティ・ローラーズ賛歌。見てのとおり「憧れのベイ・シティ・ローラーズ」という邦題のついた、かなり適当な作りのジャケの日本盤。この後にもう一枚「愛しのベイ・シティ・ローラーズ・ショー(Rollers Show)」というのも出てるけど、僕はそれを探しているうちに両面とも『The Wilderness Years』という編集盤CDに収められたので、同じく適当なジャケのそれはもういらなくなった。
僕の持っている方のB面は「Rollers Theme (Instrumental)」というタイトルで、CD未収録。とはいえ、単なるA面のインスト版。解説には「又B面はカラオケになっているのであなたの作ったローラーズ賛歌を歌ってみるのもおもしろいでしょう」とか書いてあるけど、これ最近のJポップのマキシシングルのカップリングみたいなカラオケ用のバックトラックじゃなくて、ちゃんと歌メロがシンセでヒョロヒョロと入っているので、いざカラオケに使おうとすると(しないけど)いまいち歌いにくい。
2はこのブログにジャケを載せたこともあったはず。デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)が77年に『Low』というタイトルのアルバムを出したことへの(一方的な)返答。ちゃんとロゴの字面も同じにしてあるところが律儀。A面がLive、B面がDeadと名付けられているけれど、特にA面がライヴ録音というわけでもなく、B面が死ぬほど退屈なわけでもない。収録4曲中、「Marie Provost」は翌年のファーストアルバム『Jesus Of Cool』に再録。他3曲は先述の『The Wilderness Years』でCD化。中でも特に「Endless Sleep」はその後のベスト盤に何度も収められるほどの人気曲。確かにこのしっとり感、今のニックの芸風に通じるところがあるかも。CDで聴けるようになったのは嬉しいけど、僕が買ったときから既にバチバチとノイズが入っていたこのEPで聴くのも、どういうわけかやけに気持ちが落ち着いてしまって、また格別。
いかん、このままだと全曲解説(というか、単なる無駄口)になってしまう。とっとと次に移ろう。3のジャケ付きはもしかしたらちょっと珍しいかな。と思って調べてみたら、Nick Lowe Top 30 Rarities!リストの24位に入ってた。そこに書いてあるとおり、クリア・イエロー盤。ほら。
さらにレアかも、と思うのは、僕の持っているこの盤、「Halfway To Paradise」をかけるとB面の「I Don't Want The Night To End」がかかり、「I Don't〜」をかけると「Halfway〜」がかかる。つまり、レーベルがAB面逆に貼られている。このミスプレス盤って何枚ぐらい出回ってるんだろう。オークションとかで売ると結構な額になるかも。売らないけど。
4. Little Hitler
5. Sing The Everly Brothers - Nick Lowe & Dave Edmunds
6. My Heart Hurts
『Jesus Of Cool』からのセカンド・シングルだった4は、その曲自体は既に『16 All-Time Lowes』に入っていたけど、僕がこれを買った目的はB面の「Cruel To Be Kind」のオリジナル・ヴァージョン。ブリンズリー時代から演っていたスピーディーなスタイルで、実はラジオでこっちのかっこいいヴァージョンを先に聴いていた僕は、後にヒットする方のヴァージョンがやけにもっさり感じられてしまっていて、ずっとこのシングルを探していたんだ(もう20年以上も前の話だけど)。
表ジャケの「Little Hitler」というタイトル下に小さく書いてある「Actual Size」というのがどういうギャグなのかよくわからないけど、この当時のニックのレコードのジャケはどれもこれもコレクター心をそそるいかしたデザイン。このシングルに関して言うと、曲自体もB面がお気に入りだけど、ジャケットのデザインもB面のこの写真がすごくいいと思う。
5のジャケには見覚えがある人が多いだろう。yascd010の3曲目といえば、このブログを昔から読んでくださっている方ならピンとくるはず。そこに書いたとおり、ロックパイルの『Seconds Of Pleasure』の初回盤に付いていたおまけシングル。同じyascd絡みでいうなら、004の2分担当だったロックパイルの「Now And Always」はモロにエヴァリー・ブラザーズ風(004の記事にもそう書いたね。同じことばかり書くブログ)。きっと、アルバムに入れたその曲の種明かしのつもりで、このシングルをおまけにつけたんだろうね。
僕の持っているこの盤は、残念ながらアルバムのおまけについていたものではなく、85年にドイツのライン・レコード(Line Records)から再発されたもの。ラインからの再発盤といえば、知ってる人は思い当たるはず。そう、カラー・ヴィニール。これは白。
今日紹介する中では、6が一番聴き応えがあるかも。82年の『Nick The Knife』からのシングルカットで、ゲイトフォールドのジャケに入った4曲入り2枚組。うち3曲はライヴ。タイトル曲自体は後になっても(マニアックな選曲の)『Nicks Knack』や(66曲詰め込みましたという)『The Doings』あたりのコアなベスト盤にしか収録されないような程度の曲なんで、一応儀式のようにさらっと聴いて、続く3面に1曲づつ収められたライヴが本当のお楽しみ。「Pet You And Hold You」、「Cracking Up」と、ニックのレパートリーでは黒っぽい曲が続き、締めは「What's So Funny About Peace, Love & Understanding」。ギターにマーティン・ベルモント、ドラムにボビー・アーウィン、キーボードにポール・キャラックという強力な布陣のヒズ・ノイズ・トゥ・ゴーの演奏で、このスタイルの「Peace, Love & Understanding」がライヴで聴けるのが嬉しい。
UKツアー前に出た盤らしく、裏ジャケにツアー日程が書いてあるんだけど、4月29・30日、5月1・2・3・5・6・7・8・10・11・12・13・14・15・16・17日って、凄いハードスケジュール。この3週間弱で、5月4日と9日だけしか休みないよ。しかも4/29のリーズから5/17のロンドンまで、全日程それぞれ別の都市。
7. Ragin' Eyes
8. Baby It's You
12インチ盤の時代に入って、83年の『The Abominable Showman』からのシングルカット、女の子の目からビームが出るPVでお馴染みの曲(笑)。B面は同アルバムから、ニックにしては珍しい(「Heart」に続く)レゲエ曲「Cool Reaction」が2ヴァージョン。最初がインストというかダブ・ヴァージョンで、二つ目がアルバム・ヴァージョン。ややこしいのが、裏ジャケ表記ではこれらがそれぞれ「Commercial Version」「Non Commercial Version」となっているんだけど、それがレコードのレーベル部分には「Irregular Version」「Regular Version」と書かれていること。呼び方ぐらい統一してくれ。さっきのレア盤リストを見てて驚いたのが、これが20位にランクインしていること。UK盤XX31T。うん、間違いない。そんなにレアだったんだね、これ。
8は日本盤。84年の『Nick Lowe And His Cowboy Outfit』からのシングルカットだった「L.A.F.S.」をムリヤリB面にし、そのB面曲だった「(Hey Big Mouth) Stand Up And Say That」と「Baby It's You」をA面に持ってきた上で、その順番も換えて、「Baby It's You」をシングル表題曲にしたというもの。というのも、これがエルヴィス・コステロとのデュエットで、当時そこそこ売れていたコステロ人気にあやかろうとしたんだろう。
ほのぼのとしたそのデュエット自体は悪くはないものの、曲としてはやっぱり僕は本来のA面だった「L.A.F.S.」が大好き。アルバム中この曲のみをプロデュースしたコステロの趣味が炸裂した(彼の多彩な趣味の中でも、ニュー・オーリンズ/アラン・トゥーサン方面)、はじけんばかりのホーンとニックの柔らかなヴォーカルの調和が心地良い佳曲。
ちなみにこの盤、どういうわけか12インチなのに33回転で、せっかくのフォーマットを全然活かしきってない勿体無い作り。もの凄く厳密なことを言うと、同じ33回転でもB面のラストに入っていた「L.A.F.S.」を盤の一番外周の長い溝で聴けるので、多少は音がよくなってるんだろうけど、どうせなら45回転にしてほしかったよね。見た目にもほら、30センチのレコード盤のほとんどが無音部分。
さて、最後は90年代以降。CDになってからのコレクション。
9. Solar Sex Panel - Little Village
10. Live! On The Battlefield
11. Poor Side Of Town
こないだから何度か続けざまにこのブログに名前が出ているスーパーグループ、リトル・ヴィレッジのシングル盤9を入れておこう。ジョン・ハイアットの『Bring The Family』を作った勢いでグループを結成したはいいけど、きっとアルバムを作ってツアーに出たところでジョンがわがまま言い出して、ライ・クーダーと合わなくなって、そのまま自然消滅というのが結末だったんだろうね。残念ながら期待していたアルバムはイマイチの出来で、きっとメンバー4人の誰もがそれほどポジティヴに思い出したくない思い出なんだろうけど、まあ事実としてこういうこともあった、と。
アルバムの作曲クレジットが4人一緒になっているので、クレジットを見ているだけじゃどの曲を誰が書いたのかわかりづらいんだけど、ジョンがリード・ヴォーカルを取るこのタイトル曲はあからさまに彼の曲。そして、アルバム未収録の2曲目「Do With Me What You Want To Do」は誰が聴いてもニックの曲。もちろんヴォーカルも彼。ちなみにこれもアルバム未収録の3曲目「Haunted House」ではライがヴォーカルを取っている。喧嘩しないようにバランス考えたのかな。
それにしてもこのリトル・ヴィレッジのアルバム、この未収録の「Do With Me What You Want To Do」だけじゃなく、「Do You Want My Job」、「Don't Go Away Mad」、「Don't Think About Her When You're Trying To Drive」、「Don't Bug Me When I'm Working」と、やたらDoだのDon'tだので始まるタイトルの曲ばかり。そんな自己主張ばかりしてるからすぐ喧嘩するんだよ。
5曲入りの10をシングル盤と捉えていいのかどうかわからないけど、せっかくなので一緒にリストに入れておこう。94年のインポシブル・バーズ・ツアーの後で出たんだよね。『The Impossible Bird』からのタイトル曲に、そのツアーからのライヴ録音が3曲(うち、「36 Inches High」は中野サンプラザでの録音。僕が行ったのはクアトロだったんだよね。悔しい)。そして5曲目が、アーサー・アレキサンダー(Arthur Alexander)のトリビュート盤『Adios Amigo』から。
ちなみにこのトリビュート盤、ニック以外にも、ロジャー・マッギン、エルヴィス・コステロ、ロバート・プラント、グレアム・パーカー、マーク・ノフラー、フランク・ブラック、マーシャル・クレンショウ、ゲイリー・US・ボンズ、ダン・ペン等々、僕的にはかなりツボに入る面々が参加していて、この手のトリビュート盤では同じくグレアム・パーカーやフランク・ブラック、デイヴ・エドモンズからスミザリーンズ、トム・ヴァーレインまで参加したオーティス・ブラックウェルのトリビュート盤『Brace Yourself!』と並んでの愛聴盤。
放っておくとどんどん話が脱線するね。まあ、もう余程物好きな人でもない限りこんなところまでは読んでないだろうからいいんだけどね。あと1枚だから付き合ってね。
01年の『The Convincer』からのシングルカット11が、僕の持っているニックのシングルでは最新盤。あのアルバムからは他にも「Lately I've Let Things Slide」がシングルカットされているのは知ってるんだけど、まあそれはまた機会があれば手に入れよう。
もうすっかり落ち着きモードの『The Convincer』からのシングルカットらしく、カップリングの3曲も同じく大人の雰囲気。3曲目の「Different Kind Of Blue」だけがニックの自作曲。どの曲も、『The Convincer』やその前後のアルバムに入っていてもおかしくないぐらいの出来。
というわけで、全11枚。なんだか、もっと沢山持ってるような気が自分ではしてたんだけどな。きっと、91年という比較的早い時期に、それまでのアルバム未収録曲を網羅した『The Wilderness Years』というCDが出てしまったから、その時点でシングル盤をちまちま集める気持ちが失せてしまったんだろうね。まあ、もともとあんまりシングルのB面に未発表曲やらライヴ録音やら沢山入れるようなコレクター泣かせの人でもなかったし。
とはいえ、さっきのレア盤リストとか見てたら、なんだかあれこれ欲しくなってきてしまった。困ったな、これは。これで本当に来日でも決まってしまったら、その勢いでまたオークションで散財してしまいそうな雰囲気。
<6月21日追記>
シングル箱。
2009年06月08日
追悼 ジェフ・ハンソン
あんまり忙しくない日ぐらいは早めに帰ろうとちょっと早い時間に会社を出、帰り道に友達に頼まれていた中古CDを何枚か掘り返して帰宅。久々にのんびりした平日の夜を満喫しようと思っていたら、いつも巡回しているいくつかのブログで見つけた訃報。
R.I.P. Jeff Hanson
彼のことを知ったのは、ほんの半年前のことだった。去年の暮れに見つけたアルバムについて記事を書き、すぐさま未聴だった過去盤を入手。記事にしたアルバムは昨年の個人的ベストアルバムにも入れたほどのお気に入りだった。
02年のデビュー以来彼のことを大事に思っていたファンの人たちに比べたら、僕の悲しみなんて取るに足りないものかもしれない。でも、こんなに素敵な曲を書く人が、こんなに素晴らしい声の持ち主が、こんなに僕の音楽生活を豊かにしてくれる人が、また一人いなくなってしまった。寂しい。
3枚のアルバムを全部ウォークマンに入れて、明日はずっと聴いていよう。仕事中だって構わない。
さようなら。もっと君のことをよく知りたかったよ。

R.I.P. Jeff Hanson
彼のことを知ったのは、ほんの半年前のことだった。去年の暮れに見つけたアルバムについて記事を書き、すぐさま未聴だった過去盤を入手。記事にしたアルバムは昨年の個人的ベストアルバムにも入れたほどのお気に入りだった。
02年のデビュー以来彼のことを大事に思っていたファンの人たちに比べたら、僕の悲しみなんて取るに足りないものかもしれない。でも、こんなに素敵な曲を書く人が、こんなに素晴らしい声の持ち主が、こんなに僕の音楽生活を豊かにしてくれる人が、また一人いなくなってしまった。寂しい。
3枚のアルバムを全部ウォークマンに入れて、明日はずっと聴いていよう。仕事中だって構わない。
さようなら。もっと君のことをよく知りたかったよ。

2009年06月06日
横入り - Tinted Windows
5月のGWは遠出をせずに、東京でも普段あまり行かない街に行って、ちょっとした小旅行気分を味わっていた。僕がリゾートでなく都会に旅行に行ったらすることは大体決まっていて、今まで雑誌広告でしか名前を見たことがなかったような輸入盤店や、初開拓のブックオフなんかを手当たり次第に攻略していた。
1月のグレン・ティルブルック公演以来あまりCDを買っていなかった反動か、そのGWをきっかけに、5月になってから結構な枚数のCDやレコードを買い続けてしまっている。もう6月なのに「5月になってから」なんて書いてるのは、6月になってからも引き続き、通販で買ったものが届いたり、昨晩もセールをやっていた某店で6枚買い込んできたりしているという、現在進行形のお話だから。
それだけの枚数を買っていればそれなりに当たり盤も多かったから、どれから書こうかと考えていたところ、5月の最終日になって通販で届いた1枚のCDが、順番待ちをしていた数十枚の行列に横入りして、今日の記事の候補になってしまった。聴いたばかりのCDのことをこんなに急いで書きたくなったのなんて、おととしの10月のこの記事以来のことだったと思う。結局そのときのアルバムは2007年の僕の個人的ベストアルバムでトップに立ったことを思えば、今から書くこのアルバムのことを僕がどれだけ気に入っているか、想像はつくかもしれない。
輸入盤を買ったのにシュリンクラップに貼ってあった日本語のステッカーによると、“全米で話題沸騰の「超」スーパーグループ誕生!”だそうだ。
果たしてスーパーグループなのか、しかもそれが「超」なのかどうかは微妙なところだと思う。4人のメンバーそれぞれが属していた(いる)グループと、それらのグループ内での各メンバーの立ち位置を考えると。
まず、このグループの音楽的な核であろう、ファウンテンズ・オヴ・ウェイン(Fountains Of Wayne)のアダム・シュレシンジャー(Adam Schlesinger)。主に僕のブログからのみ音楽的知識を仕入れている数名の奇特な読者の方々は、さっきのコワい犬の翌日に書いたこの記事を覚えておられるかもしれない。そのバンドのソングライターコンビのうちの一人。でも、担当楽器はベースで、歌は歌わない方。
そのFOWのアルバムにもゲスト参加していた(そして僕は彼についてわざわざ「まあ、そっちは僕にとってはわりとどうでもいいんだけどね」なんて書いた)元スマッシング・パンプキンズのジェームス・イハ(James Iha)がギター。“スーパーグループ”が目的なら、スマパンからならビリー・コーガンを連れてくる方がいいんだろうけど、ここはアダムのお友達ということで。
ヴォーカルのテイラー・ハンソン(Taylor Hanson)が、一般的には一番の失笑モノなのかもね。いや、一般的にはもう10年以上も前にヒットした「MmmBop☆」なんて忘れられているから、「ハンソン?誰?」ってな感じか。「一般的には」なんて書き方をしているのは、もちろん僕的にはハンソンは大のお気に入りグループだったから。奇特な読者様はこの記事の6・7曲目のところを参照。その6曲目を声変わり中のハスキーヴォイスで歌っていたお兄ちゃんが、やあしばらく見ない間にすっかり大きくなって、と親戚のおじさん気分。
この3人が意気投合して「バズコックスからナック、チープ・トリックまで」を意識して作ったグループがこのティンテッド・ウィンドウズ(Tinted Windows)。「チープ・トリックのバーニー・カルロス(Bun E. Carlos)みたいに叩けるドラマーはいないものか」と探して、たどり着いたのがバーニー本人、ということらしい。きっとグループ内では彼がほんとにおじさん気分でいることだろう。チープ・トリック全盛期にはテイラーなんてまだ生まれてもいなかったからね。チープ・トリックを知らない奇特な読者様はこちらをどうぞ。10曲目のジャケの右端が彼。
こうして見ると、スマパン以外は少なくとも一度は僕のブログで取り上げてきたバンドばかりだから、この「スーパーグループ」は僕にとってはそれなりに興味の的ではあった。ただ、ニック・ロウやジョン・ハイアットやライ・クーダーという、僕にとってより「スーパー」なメンバーが結成したリトル・ヴィレッジのアルバムがイマイチだったのを始め、こういう所謂スーパーグループってあんまりうまくいったためしがないのも事実。
なので、それほど期待せずに聴いてみた。これを買ったのも、某通販サイトの「○枚買ったら○%引き」の数合わせのためというのが正直なところだったし。おまけに安かったし(上にリンクしたアマゾンでも、輸入盤954円?35分ちょっとしかないとはいえ、11曲も入ったれっきとしたフルアルバムだよ)。
聴いてみた結果が、冒頭三段落目に書いたとおり。これがもう、とにかくかっこいい。ジリジリしたメタリックなギターの音に導かれて始まる、シングル曲「Kind Of A Girl」がオープニング。そこにドカドカドカドカと切り込んでくるバーニーのドラム。ああ、この音が欲しかったんだね、というのがよくわかるよ。
そして、この声!てっきり僕は、ハンソンのアルバムでのテイラーの声は声変わり中だからあんなにハスキーで時折り裏返ったりかすれたりするんだと思ってたけど(そしてそれが理由で、子供なのにあんなにセクシーな歌声になっているんだと)、あの声と歌い方は今もそのまま。全然変わってないよと思って、ハンソンのファーストを聴きかえしてみたら、さすがに声のトーンは随分低くなっていたけれど。
FOW内でのクリスとアダムの作曲分担がどうなっているのかは知らないけど、きっとヴォーカリストでもあるクリスが詞を書いて、アダムが曲を書いているのかもしれない。そして彼がFOWで使わなかったかっこいい曲は全部こっちに持ってきたんじゃないかと思えるぐらい、粒揃いのポップでキャッチーな曲が次から次へと出てくる。11曲中、7曲が彼の作で、2曲がイハ、1曲がテイラー、最後の1曲がテイラーとアダムの共作なんだけど、アダムが作曲した曲のクオリティーがどう聴いてもダントツに高い。
安いと思って輸入盤買ったけど、こうなってくると日本盤に入ってるボートラも気になるな。だれかにこれを売りつけて、そっちに買いなおそうかな。ちょっと誰か、マイスペースで試聴してみて、気に入ったら連絡ちょうだい。

2009年05月30日
軽めの呪術 - Winterpills
仲間内では皆に知れ渡っているほど大変なことがあったという友達。様子を見がてら心配して会いに行ったら、これが意外なほどに元気でちょっと拍子抜けしてしまった。だけど、話がふと途切れたときに見せる彼の表情が覆っている、その下にある想像もできないほど深い悲しみを垣間見る瞬間。
アルバム冒頭で爪弾かれるアコースティックギターの弦。頻繁に静から動へと移り変わるのに、決して激昂することのない演奏。時折り添えられる、壊れた機械が立てるような電子音。ベトナムでフィールドレコーディングしたという雑踏の音。遠くで鳴っているようなピアノ。
二つの声。どこまでも静かに、淡々とうたう。キーはわりと高いのに耳に心地良く馴染む女性ボーカル。時折り使うファルセットがシアウォーターのジョナサン・メイバーグを思い起こさせる男性ボーカル。彼の書く悲しげなメロディーラインが余計にそう思わせるのかもしれない。
同じフレーズが一曲の中で何度も何度もマントラのように繰り返される。あるいは、一つの短い文章が少しずつ形を変えて歌われる。以前、確かブルース・スプリングスティーンについて書いた記事で、同じ言葉のリフレインが多いのは嫌だと書いたけれど、どういうわけかこのアルバムではそれが全く気にならない。むしろ、ちょっと軽めの呪術に掛けられてしまったかのように聴き入ってしまう。
昨年10月に発売になった、アメリカはマサチューセッツの5人組、ウィンターピルズの3枚目のアルバムが、どうしてそんなことになったのかはわからないけど、今年の1月になって、装丁を大きく変えて、ボーナストラックを1曲追加した上で、LPで発売された。ちなみにCD版は最初のままのジャケットと曲順で、今でも普通に流通している。
一番上に載せた、雪で形作った指先とハートというモチーフは、それはそれでとても綺麗なんだけど、ちょっとロマンチックすぎるかなと僕には思えてしまう。古い建物の上に尾を引く飛行機雲という、オリジナルのCDのジャケ、更に言えば、それを白黒にした上でトリミングを大胆に変えた今回のLPの内袋の写真が、このアルバムの音を最も端的に表しているように思える。
LP用に新たにマスタリングされた音は、それぞれの楽器の音がとても立体的に構成されたように聴こえる。もちろん高音質MP3ダウンロード用のコードが付いているから、LPを聴ける環境にあって、iPodやウォークマンでも聴きたいという人は迷わずこちらを選べばいい。裏ジャケの、ぴんと張られた(ちょっとくたびれた)荒縄を包み込むように積もった綿毛のような雪の写真も雰囲気あるし。この人たちのビジュアルセンス、すごくいいね。
ビジュアルセンスのよさを再確認できる素敵なPVも観られる彼らのマイスペースのサイドバーにある、「影響を受けた音楽」の欄。リストの最初にあるのがイノセンス・ミッションだというのに納得。ちなみに、その下には「作家」の欄もあって、最初に書いてある名前は、ムラカミ。そして、「映画」(最初はベルイマンの「野いちご」)の下に続く「その他」の欄にはこう書いてある。
睡眠不足
死への恐怖
郷愁
幻想
廃墟
イノセンス・ミッションについてはこのブログに書いたことはないけど、そんなの説明しだすとまた長くなるので省略して、それと村上春樹とイングマール・ベルイマンと睡眠不足と死への恐怖と(以下略)とをよく混ぜ合わせて作られた、そういう音。早く最初の2枚も手に入れないと。
2009年05月24日
熟成ライヴとおまけCD - Nick Lowe
初めて買ったニック・ロウのレコードは、84年の『Nick Lowe And His Cowboy Outfit』。今の目で見れば、彼の作品中でも決して高く評価されているアルバムではないけれど、僕はそれですっかり彼の音楽にのめり込むことになってしまった。急いで当時唯一のベスト盤『16 All-Time Lowes』を買い、それを何度も聴いて参考にしてから、シングル盤も含めてどんどん過去盤を漁りはじめた。
そういう訳なので、僕にとってそのベスト盤はちょっとした思い出のアルバム。特にA面の怒涛の名曲の流れは、後に知るどのオリジナル盤よりも強力に彼の音楽を印象付けた。ラックから引っ張り出してきて聴くことはもうあまりないけど、あの曲順は今でも自分の耳と体に染みついている。
86年には、その『16 All-Time Lowes』の続編となる『Nicks Knack』が出る。名盤の誉れ高い『The Rose Of England』の翌年なのに、何故かそのアルバムからは1曲も選ばれず、それ以前のアルバム群から、『16 All-Time Lowes』の落ち穂拾いみたいな曲ばかりが収録されていた。当時はそんなことには気づかなかったけど、今から思えば相当マニアックな選曲のベスト盤。
CD時代の89年になって、その2枚のベスト盤を総括(と言っても、マニアックな『Nicks Knack』とは2曲しか重複しない)+『The Rose Of England』から多数+当時の新譜『Pinker And Prouder Than Previous』から1曲、という無難な選曲のベスト盤『Basher』が出る。さすがにもうその当時までには全てのオリジナル・アルバムを持っていた僕は、それは買わなかった。今に至るまで、僕が持っていない唯一のニックのオフィシャル・アルバムかも。
その10年後の99年には、レアな曲やライヴ録音を多数含んだ4枚組の豪華ベスト盤ボックスセット『The Doings』。当時の新譜『Dig My Mood』の12曲から9曲も再録するという酷い偏りはともかく、ニックのソロ活動の全貌を網羅するには充分すぎる内容だった。全86曲中半数以上が既に持っている曲だったけど、そんな魅力的な箱を僕が買わないわけにはいかなかった。まさか、そのわずか3年後にまた別の選曲の2枚組ベスト盤『Anthology』が出るとも知らずに。
一体どういう経緯でそんな時期にそんな形態で出ることになったのかよく知らない『Anthology』。またしても前年の『The Convincer』からは全く収録されず、どちらかというと『The Doings』から大量のレア曲やライヴ録音を省き、とってつけたようにブリンズリー・シュウォーツ時代の2曲を冒頭に配し、最後にロン・セクスミス作「Secret Heart」の札幌でのライヴ録音を足したという、どうにも中途半端な内容。まあ、誰もが4枚組を買うわけじゃないから、手頃なサイズのベスト盤というのも流通させておかないといけなかったんだろう。
Nick Lowe 『Quiet Please... The New Best』
と、普通のブログなら余裕で一記事分にはなる前置きに続いて今日紹介するのは、今年3月にまた出たニックのベスト盤、『Quiet Please...』。
内容的には、『Anthology』からいくつか曲を足したり引いたりし、『The Convincer』と07年の最新作『At My Age』から数曲を加えたという感じ。プロデューサーが書いたライナーによると、ニック自身が書いた曲だけを集めたものなので、「Switchboard Susan」や「7 Nights To Rock」や「True Love Travels On A Gravel Road」はあえて入れていないというのがこだわりらしいけど、そもそもその3曲、『Anthology』にも入ってないし。ニックの有名曲を年代順に並べたらこうなりました、という程度の選曲にしか僕には見えない。
ニックのソロ時代にこだわるなら冒頭は「So It Goes」〜「Heart Of The City」で開始。ブリンズリー時代も入れるならその前に「Peace, Love And Understanding」を入れる。その後の曲は年代順に適当に並べ、一番最後はその当時の最新作から(あるいはその一つ前のアルバムから)何曲か配置。という定型のようなものが89年の『Basher』以来ずっと続いていて、冒頭に書いた『16 All-Time Lowes』の曲順の妙を知る身としては、また一つつまらないベスト盤が出たな、という感想を持たざるを得ない。2枚に亘る全49曲、155分というのも、ちょっと普段聴くには多すぎる分量だし。沢山入れればいいってもんじゃない。
それでもなんとか褒めるところを探すと、ジョン・ハイアット、ライ・クーダー、ジム・ケルトナーと組んだスーパーグループ(笑)のアルバム『Little Village』から初めて1曲収録したのと、そのアルバム用の別の曲を一人で弾き語ったデモ「Don't Think About Her When You're Trying To Drive」が入っていることぐらいか(リトル・ヴィレッジはシングル盤まで集めたのに、このヴァージョンは知らなかったと思ったら、『The Doings』用に再録したものらしい)。あと個人的には、一番最初に買ったアルバムからの大好きな曲「L.A.F.S.」が初めてベスト盤に収録されたのが嬉しかった。
あれこれ文句書いてるけど、まあそれは何回もベスト盤を買わされてる側からの言い分であって(毎回ちょっとずつ珍しいのを入れやがって)、今までニック・ロウを聴いたことがないという人にはちょうどいい入門編なのかもね。彼のオリジナル・アルバムは何枚かを除いて廃盤だけど、中古屋ではプレミアムがつくどころか逆に投げ売られてるから、これ聴いて気に入った曲があれば、それが収録された時代のアルバムを探せばいいし。
と、更に普通のブログの一記事程度の分量でこの3枚組アルバムの最初の2枚分の紹介を終え(すみませんね、いつも長くて)、あとは最後の1枚のことを書こう。上に載せた、今のニックがテレビに映った昔の自分を観ているというジャケが象徴しているように、僕が文句ばかり書いた今回のベスト盤の主役は、この3枚目のDVD(それが付いてるのは限定生産らしいけど)。CDの方はおまけだと思えばいい。
DVDの内容は、07年10月のベルギーでの1時間のライヴをフル収録したものと、9曲のPV。ライヴは(ステージでの彼の語りによると)もともとアコースティック・ソロの予定だったのを、次週ロンドンで行われるコンサートのリハーサルとして(それは冗談か)『At My Age』の録音メンバーを呼び寄せてのバンド・セットに変更したとのことで、冒頭5曲とアンコールが彼一人、残りが、ゲライント・ワトキンズ、ボビー・アーウィンらを中心とした(今回はゴールド・トップと名付けられた)バンドでの演奏。
僕が最後に彼を直接観たのは確か94年の渋谷かな(あの時も確か偶然日本への出張と重なったんだった)。それから13年も経ってるんだから当然だろうけど、58歳のニックはなんだか実際の年齢よりずっと歳を取ってるように見えるのでちょっとびっくり。でも、ギターを胸の上の方に抱え、長い指と親指で包み込むようにフレットを押さえるギターの弾き方を見て、ああ同じ人だ、全然変わってない、なんて妙な感想を持ってしまった。
ステージに登場してまず弾き始めたのは、2年前の『At My Age』の記事で僕が一番のお気に入りと書いた「People Change」。それから、「Soulful Wind」「What's Shakin' On The Hill」と、作られた時代は違えど今のニックの枯れた味わいの歌声が似合う名曲が続く。
更に時代を遡った「Heart」や「All Men Are Liars」も、微妙なメロディーラインや歌詞や曲調を変えて、最近モードのニック・ロウ風の味付けに変えられている。こういうのもいいね。
「Thanks folks!」という挨拶を聞いて、そうそう、この人はこう言うんだった、と思い出してちょっと嬉しくなる。ちなみにグレン・ティルブルックは「Cheers loves!」だよね。
続く「Without Love」からメンバーが登場。ボビー・アーウィン、太ったねー。ゲライント・ワトキンズは昔から爺さんみたいな風貌だったから、そんなに違和感ないけどね。その初期の名曲に続けて演奏された近作からの「Has She Got A Friend?」を聴いて、過去の名曲にひけをとらない作曲クオリティーをこの人は保ってるなあと改めて実感。
新作からの「I Trained Her To Love Me」を終え、ボビーが膝をスティックで叩いてカウントを取って始まったイントロを聴いて、全身にびっしり鳥肌が立つ。こんなに円熟した「Cruel To Be Kind」なんて。ギターのジョニー・スコットがせっかくのソロをちょっととちるのが残念。
“最近のニック・ロウ・モード”の代表格みたいな「You Inspire Me」がそれに続く。ゲライントのウーリッツアーがいいね。更に新作からの「Long Limbed Girl」を歌い終えたときに「今のはピンク・フロイドの古い曲」なんてジョークを。
アコーディオンに持ち替えたゲライントが超かっこいい「Shting-Shtang」の後鳴り止まない拍手と歓声。ニックに「皆君のことを愛してるよ」と声をかけられたゲライントがまたウーリッツアーの前に座り、次は「Rome Wasn't Built In A Day」。ここでのソロも滲みる。本当にこういう地味ながらクールなプレイが決まる、いぶし銀みたいなピアニストだね。
無伴奏で「Well, well, well〜」と歌いだすイントロがこれまた超かっこいい「I Knew The Bride (When She Used To Rock And Roll)」。ロックパイルやヒューイ・ルイス&ザ・ニューズをバックにした演奏ももちろんよかったけど、この現在のバンドが醸し出すまろやかな雰囲気がまた格別だね。
だから、本編最後の「(What's So Funny 'bout) Peace, Love And Understanding」も、最近のこのしっとりとしたスロー・ヴァージョンでなく、このゴールド・トップならではの、ブリンズリー・シュウォーツやアトラクションズとはまた一味違った新しい解釈による演奏を聴きたかったと、贅沢な望みを持ってしまった。これはこれで素晴らしいクロージングなんだけどね、もちろん。
アンコールの拍手に応えてニックが一人で登場。アコギ一本によるスローなヴァージョンに生まれ変わった「Heart Of The City」と、最後を締めるにはあまりにも渋すぎる(でも格好いい)「Beast In Me」で終了。たった一時間とは思えないほど、見終わった後に充実感が残る内容。2枚組CDの方と違って、一時間だから繰り返して観てもあんまり時間食わないし。複数使っているカメラの解像度や色味がいちいち違うので観づらくて、映像のクオリティーはいまひとつだけど、収録内容には大満足のDVD。
9曲のPVの方はさらっと流そう。「Cruel To Be Kind」とか「I Knew The Bride」とか、どこかで見たことあったビデオもあるけど、ほとんどが僕は初めて観るもの。「I Love The Sound Of Breaking Glass」と「No Reason」はスタジオ版とちょっとヴァージョンが違う。このビデオのための新録だろう。それらや「Cracking Up」みたいな演奏シーンを素直に映したものはいいんだけど、いかにも80年代の低予算PVといった作りのものは、ちょっと何度も観る気にはあまりなれない。女の子の目からビームが出る「Ragin' Eyes」とか、最後にニックが逆さ吊りになって終わる「All Men Are Liars」とかね。
滅多に見られないロックパイルの演奏シーンや、ぎこちなく演技するデイヴ・エドモンズなど、それなりに見所もあるから、まあこれはこれでよかった。ただ、曲によって縦横のアスペクト比が違うのをそのまま収録してあるから、曲ごとにモニターの方を調整しないと画像が縦に伸びたり横に広がったりする。僕のテレビのせいなのかな。ちょっと面倒。
久々に画像ほとんどなしの長文記事を書いたな。これだけ書けばもうちゃんと読んでる人もいないだろう(読者を振り切ってどうする)。最初に聴いてから四半世紀もの間ずっと追いかけてきたこの人のことなら、なんだかホームグラウンドに戻ってきたような気持ちでいくらでも書けるよ。でも今日はこれぐらいにしておこうね。
そういう訳なので、僕にとってそのベスト盤はちょっとした思い出のアルバム。特にA面の怒涛の名曲の流れは、後に知るどのオリジナル盤よりも強力に彼の音楽を印象付けた。ラックから引っ張り出してきて聴くことはもうあまりないけど、あの曲順は今でも自分の耳と体に染みついている。
86年には、その『16 All-Time Lowes』の続編となる『Nicks Knack』が出る。名盤の誉れ高い『The Rose Of England』の翌年なのに、何故かそのアルバムからは1曲も選ばれず、それ以前のアルバム群から、『16 All-Time Lowes』の落ち穂拾いみたいな曲ばかりが収録されていた。当時はそんなことには気づかなかったけど、今から思えば相当マニアックな選曲のベスト盤。
CD時代の89年になって、その2枚のベスト盤を総括(と言っても、マニアックな『Nicks Knack』とは2曲しか重複しない)+『The Rose Of England』から多数+当時の新譜『Pinker And Prouder Than Previous』から1曲、という無難な選曲のベスト盤『Basher』が出る。さすがにもうその当時までには全てのオリジナル・アルバムを持っていた僕は、それは買わなかった。今に至るまで、僕が持っていない唯一のニックのオフィシャル・アルバムかも。
その10年後の99年には、レアな曲やライヴ録音を多数含んだ4枚組の豪華ベスト盤ボックスセット『The Doings』。当時の新譜『Dig My Mood』の12曲から9曲も再録するという酷い偏りはともかく、ニックのソロ活動の全貌を網羅するには充分すぎる内容だった。全86曲中半数以上が既に持っている曲だったけど、そんな魅力的な箱を僕が買わないわけにはいかなかった。まさか、そのわずか3年後にまた別の選曲の2枚組ベスト盤『Anthology』が出るとも知らずに。
一体どういう経緯でそんな時期にそんな形態で出ることになったのかよく知らない『Anthology』。またしても前年の『The Convincer』からは全く収録されず、どちらかというと『The Doings』から大量のレア曲やライヴ録音を省き、とってつけたようにブリンズリー・シュウォーツ時代の2曲を冒頭に配し、最後にロン・セクスミス作「Secret Heart」の札幌でのライヴ録音を足したという、どうにも中途半端な内容。まあ、誰もが4枚組を買うわけじゃないから、手頃なサイズのベスト盤というのも流通させておかないといけなかったんだろう。
と、普通のブログなら余裕で一記事分にはなる前置きに続いて今日紹介するのは、今年3月にまた出たニックのベスト盤、『Quiet Please...』。
内容的には、『Anthology』からいくつか曲を足したり引いたりし、『The Convincer』と07年の最新作『At My Age』から数曲を加えたという感じ。プロデューサーが書いたライナーによると、ニック自身が書いた曲だけを集めたものなので、「Switchboard Susan」や「7 Nights To Rock」や「True Love Travels On A Gravel Road」はあえて入れていないというのがこだわりらしいけど、そもそもその3曲、『Anthology』にも入ってないし。ニックの有名曲を年代順に並べたらこうなりました、という程度の選曲にしか僕には見えない。
ニックのソロ時代にこだわるなら冒頭は「So It Goes」〜「Heart Of The City」で開始。ブリンズリー時代も入れるならその前に「Peace, Love And Understanding」を入れる。その後の曲は年代順に適当に並べ、一番最後はその当時の最新作から(あるいはその一つ前のアルバムから)何曲か配置。という定型のようなものが89年の『Basher』以来ずっと続いていて、冒頭に書いた『16 All-Time Lowes』の曲順の妙を知る身としては、また一つつまらないベスト盤が出たな、という感想を持たざるを得ない。2枚に亘る全49曲、155分というのも、ちょっと普段聴くには多すぎる分量だし。沢山入れればいいってもんじゃない。
それでもなんとか褒めるところを探すと、ジョン・ハイアット、ライ・クーダー、ジム・ケルトナーと組んだスーパーグループ(笑)のアルバム『Little Village』から初めて1曲収録したのと、そのアルバム用の別の曲を一人で弾き語ったデモ「Don't Think About Her When You're Trying To Drive」が入っていることぐらいか(リトル・ヴィレッジはシングル盤まで集めたのに、このヴァージョンは知らなかったと思ったら、『The Doings』用に再録したものらしい)。あと個人的には、一番最初に買ったアルバムからの大好きな曲「L.A.F.S.」が初めてベスト盤に収録されたのが嬉しかった。
あれこれ文句書いてるけど、まあそれは何回もベスト盤を買わされてる側からの言い分であって(毎回ちょっとずつ珍しいのを入れやがって)、今までニック・ロウを聴いたことがないという人にはちょうどいい入門編なのかもね。彼のオリジナル・アルバムは何枚かを除いて廃盤だけど、中古屋ではプレミアムがつくどころか逆に投げ売られてるから、これ聴いて気に入った曲があれば、それが収録された時代のアルバムを探せばいいし。
と、更に普通のブログの一記事程度の分量でこの3枚組アルバムの最初の2枚分の紹介を終え(すみませんね、いつも長くて)、あとは最後の1枚のことを書こう。上に載せた、今のニックがテレビに映った昔の自分を観ているというジャケが象徴しているように、僕が文句ばかり書いた今回のベスト盤の主役は、この3枚目のDVD(それが付いてるのは限定生産らしいけど)。CDの方はおまけだと思えばいい。
DVDの内容は、07年10月のベルギーでの1時間のライヴをフル収録したものと、9曲のPV。ライヴは(ステージでの彼の語りによると)もともとアコースティック・ソロの予定だったのを、次週ロンドンで行われるコンサートのリハーサルとして(それは冗談か)『At My Age』の録音メンバーを呼び寄せてのバンド・セットに変更したとのことで、冒頭5曲とアンコールが彼一人、残りが、ゲライント・ワトキンズ、ボビー・アーウィンらを中心とした(今回はゴールド・トップと名付けられた)バンドでの演奏。
僕が最後に彼を直接観たのは確か94年の渋谷かな(あの時も確か偶然日本への出張と重なったんだった)。それから13年も経ってるんだから当然だろうけど、58歳のニックはなんだか実際の年齢よりずっと歳を取ってるように見えるのでちょっとびっくり。でも、ギターを胸の上の方に抱え、長い指と親指で包み込むようにフレットを押さえるギターの弾き方を見て、ああ同じ人だ、全然変わってない、なんて妙な感想を持ってしまった。
ステージに登場してまず弾き始めたのは、2年前の『At My Age』の記事で僕が一番のお気に入りと書いた「People Change」。それから、「Soulful Wind」「What's Shakin' On The Hill」と、作られた時代は違えど今のニックの枯れた味わいの歌声が似合う名曲が続く。
更に時代を遡った「Heart」や「All Men Are Liars」も、微妙なメロディーラインや歌詞や曲調を変えて、最近モードのニック・ロウ風の味付けに変えられている。こういうのもいいね。
「Thanks folks!」という挨拶を聞いて、そうそう、この人はこう言うんだった、と思い出してちょっと嬉しくなる。ちなみにグレン・ティルブルックは「Cheers loves!」だよね。
続く「Without Love」からメンバーが登場。ボビー・アーウィン、太ったねー。ゲライント・ワトキンズは昔から爺さんみたいな風貌だったから、そんなに違和感ないけどね。その初期の名曲に続けて演奏された近作からの「Has She Got A Friend?」を聴いて、過去の名曲にひけをとらない作曲クオリティーをこの人は保ってるなあと改めて実感。
新作からの「I Trained Her To Love Me」を終え、ボビーが膝をスティックで叩いてカウントを取って始まったイントロを聴いて、全身にびっしり鳥肌が立つ。こんなに円熟した「Cruel To Be Kind」なんて。ギターのジョニー・スコットがせっかくのソロをちょっととちるのが残念。
“最近のニック・ロウ・モード”の代表格みたいな「You Inspire Me」がそれに続く。ゲライントのウーリッツアーがいいね。更に新作からの「Long Limbed Girl」を歌い終えたときに「今のはピンク・フロイドの古い曲」なんてジョークを。
アコーディオンに持ち替えたゲライントが超かっこいい「Shting-Shtang」の後鳴り止まない拍手と歓声。ニックに「皆君のことを愛してるよ」と声をかけられたゲライントがまたウーリッツアーの前に座り、次は「Rome Wasn't Built In A Day」。ここでのソロも滲みる。本当にこういう地味ながらクールなプレイが決まる、いぶし銀みたいなピアニストだね。
無伴奏で「Well, well, well〜」と歌いだすイントロがこれまた超かっこいい「I Knew The Bride (When She Used To Rock And Roll)」。ロックパイルやヒューイ・ルイス&ザ・ニューズをバックにした演奏ももちろんよかったけど、この現在のバンドが醸し出すまろやかな雰囲気がまた格別だね。
だから、本編最後の「(What's So Funny 'bout) Peace, Love And Understanding」も、最近のこのしっとりとしたスロー・ヴァージョンでなく、このゴールド・トップならではの、ブリンズリー・シュウォーツやアトラクションズとはまた一味違った新しい解釈による演奏を聴きたかったと、贅沢な望みを持ってしまった。これはこれで素晴らしいクロージングなんだけどね、もちろん。
アンコールの拍手に応えてニックが一人で登場。アコギ一本によるスローなヴァージョンに生まれ変わった「Heart Of The City」と、最後を締めるにはあまりにも渋すぎる(でも格好いい)「Beast In Me」で終了。たった一時間とは思えないほど、見終わった後に充実感が残る内容。2枚組CDの方と違って、一時間だから繰り返して観てもあんまり時間食わないし。複数使っているカメラの解像度や色味がいちいち違うので観づらくて、映像のクオリティーはいまひとつだけど、収録内容には大満足のDVD。
9曲のPVの方はさらっと流そう。「Cruel To Be Kind」とか「I Knew The Bride」とか、どこかで見たことあったビデオもあるけど、ほとんどが僕は初めて観るもの。「I Love The Sound Of Breaking Glass」と「No Reason」はスタジオ版とちょっとヴァージョンが違う。このビデオのための新録だろう。それらや「Cracking Up」みたいな演奏シーンを素直に映したものはいいんだけど、いかにも80年代の低予算PVといった作りのものは、ちょっと何度も観る気にはあまりなれない。女の子の目からビームが出る「Ragin' Eyes」とか、最後にニックが逆さ吊りになって終わる「All Men Are Liars」とかね。
滅多に見られないロックパイルの演奏シーンや、ぎこちなく演技するデイヴ・エドモンズなど、それなりに見所もあるから、まあこれはこれでよかった。ただ、曲によって縦横のアスペクト比が違うのをそのまま収録してあるから、曲ごとにモニターの方を調整しないと画像が縦に伸びたり横に広がったりする。僕のテレビのせいなのかな。ちょっと面倒。
久々に画像ほとんどなしの長文記事を書いたな。これだけ書けばもうちゃんと読んでる人もいないだろう(読者を振り切ってどうする)。最初に聴いてから四半世紀もの間ずっと追いかけてきたこの人のことなら、なんだかホームグラウンドに戻ってきたような気持ちでいくらでも書けるよ。でも今日はこれぐらいにしておこうね。
2009年05月17日
続報と速報 - Glenn Tilbrook
言霊というものは本当にあるようで、1月31日の記事に
しかし、こうしてディスコグラフィーと見比べながら作業していると、自分が持ってないものが気になってくるよね。あと数枚集めたら、少なくとも聴いたことのないレア曲というものはなくなると思ってしまったが最後、この記事をアップしたその足で(?)eBayに飛ぶんだろうな。
なんて書いたら、実際そうせずにはいられなくなってしまった。あれから3ヶ月強、スクイーズ/グレン・ティルブルックのシングルが10枚増えたので、今日はあの記事の続報を書くことにしよう。
34. Cool For Cats
35. Annie Get Your Gun
まずは、京都公演でグレンが四苦八苦しながら歌ってくれた思い出も懐かしい「Cool For Cats」の7インチ盤。これ、A面はセカンドアルバムのヴァージョンそのままだし、B面に何故かファーストアルバムからの曲のヴァージョン違いで収録された「Model」は既に『Excess Moderation』とかのCDにも入っているので、音源としては有難味が薄いんだけど、このかわいいジャケもカラーヴィニールもちょっと僕の所有欲をそそったもので。

僕が買ったこの薄いピンク色のは、1万枚プレスされているので、比較的安く手に入る。この後もっと濃いピンクで5千枚、それから赤で1千枚プレスされ、その後は普通の黒盤になるので、レア度も値段も濃いピンクとか赤の方が高いんだけど、やっぱりこの色がジャケットにも合ってるし、一番綺麗だと思うよ(これもすっぱい葡萄か?)。
35は、ライヴアルバム『A Round And A Bout』からのシングルカットで、アメリカのみで発売になったもの。カップリングの「Is It Too Late」はアルバムには未収録のライヴ。それから、1月31日の記事にも書いた、彼らのアルバムデビュー前のEPの3曲。このシングルCD以外では一度もCD化されたことのない音源だ。何故か、オリジナルEPでのA面「Cat On The Wall」、B面「Night Ride」「Backtrack」という曲順が無視されて、「Backtrack」「Night Ride」「Cat On The Wall」という順番で収録されているのがすごく違和感。
36. Third Rail
37. Third Rail
38. Some Fantastic Place
39. Loving You Tonight
続いて、アルバム『Some Fantastic Place』期のシングルを何枚か。アルバムからの最初のシングルカット「Third Rail」が36、37と二枚写っているけれど、別にマサさんの霊が取り付いて同じものを何枚も買ったわけではない(マサさん冗談ですよ)。この頃から盛んになっていた、同じ表題曲のシングルをカップリング曲を替えて何種類も出してチャートを狙おうという商業主義のせい。
プラケース入りの36のカップリングは、「Take Me I'm Yours (Remix)」と「Cool For Cats (Medley Live)」。前者は、「Take Me〜」のディスコ向けといった感じ。後者は、ちょっとゆるい感じでクリス・ディフォードが歌い始める「Cool For Cats」から、メドレーで「Strong In Reason」につなぎ、また「Cool For Cats」に戻るというもの。92年のロンドンはタウン&カントリーでのライヴで、ちょっと印象的なキーボードを弾いているのは、アトラクションズのスティーヴ・ナイーヴだ。
デジパックの37のカップリングは、こちらもタウン&カントリーでのライヴ録音。「Walk A Straight Line」がさっきと同じ時の録音で、「The Truth」と「Melody Motel」の2曲はそれから1年後の収録。キーボードがポール・キャラックに代わっているけど、ドラムにアトラクションズのピート・トーマスが入っている時期。
グレンのソロ公演でお馴染みの「The Truth」のドローン奏法こそないものの、この3曲のライヴ録音が聴けるのは嬉しいね。「Melody Motel」は僕の大好きな曲だし、「Walk A Straight Line」なんて、隠れた名曲と言ってもいいぐらい。一度は生で聴いてみたいな。
38は、アルバム表題曲の7インチシングル。この曲のCDシングルも2種類出ていて、さっきの「Third Rail」同様、一つはプラケースでもう一つはデジパック。1月31日の記事に載せた、僕が持っている方はデジパックで、この7インチのカップリング曲「Jumping」は、プラケース版の方に入っている。まだプラケース版は買っていなくて、タイコウチさんお薦めの「Dark Saloons」は聴けていないんだけど、この「Jumping」もまあそこそこいい曲だね。ちなみにこの7インチ、プロモ盤の放出品で、105円で見つけたもの。ダイソーじゃないよ。
39はポール・キャラックが歌う曲。こんなのシングルカットされてたんだね。「Tempted」の柳の下のドジョウを狙ったのかな。カップリングは、表題曲のリミックスと、「Tempted」のスタジオライヴ、それから「The Third Rail」のスタジオライヴ。3曲目までポールのヴォーカル曲が続くので、彼の濃い歌い方があんまり好きじゃない僕にとっては、最後にグレンの声が聴けて嬉しい、という作りになっている。
40. This Summer
41. This Summer
42. This Summer
アルバム『Ridiculous』からの最初のシングルカット「This Summer」はアルバム発売時に2種類出ていて、1月31日の記事に載せたように僕もそれを両方とも持ってるんだけど、翌96年になって同じ曲がまた形を変えて3種類発売され、しかもそのうちのひとつには、3枚一緒に収納できるボックスが付いていた。商業主義ここに極まれり、といった感じか。1月のグレンの来日以来、いくつかの音楽雑誌にインタビュー記事が載ったんだけど、そこで彼がこの『Ridiculous』期のルーティン的な仕事を否定的に語っていたのは、きっとこういうことも含めてのことなのかも。
そんないわくつきの品を、発売後10年以上も経ってからオークションで買っている自分もどうかと思いはするけれど、まあCDシングル3枚にしてはそう高かったわけでもないからとムリヤリ納得。
水色の40は表題曲「This Summer」のリミックスとアルバムヴァージョン、「Electric Trains (Narrow Gauge Mix)」、「Heaven Knows」のエディット版という4曲。Narrow Gauge Mixが、バンジョーとかが入っててちょっと面白いかな。
薄緑色の41は「This Summer」のリミックスに、「Cool For Cats」「Up The Junction」「Black Coffee In Bed」のスタジオ録音という初心者向けの内容。こんなセット物買うのはマニアに決まってるのに、なんでこんなことするんだろう。カップリングに使う曲がないならこんな企画やめればいいのに。
黄色の42が唯一コレクションし甲斐のある内容。カップリングの3曲「Sweet As A Nut」「In Another Lifetime」「Never There」は全てアルバム未収録で、その後沢山出たどの編集アルバムにも(『Ridiculous』の再発盤にすら)再収録されることはなかった。どれもなかなかの好曲だと思うんだけどな。それにしても、この3枚を全部通して聴くと、「This Summer」を4回も聴くことになって、ちょっとうんざり。それって、この曲をプロモートするためのこの企画の趣旨に反してると思うんだけど。
43. Still
『Pandemonium Ensues』からダウンロードオンリーでシングルカットされたこの曲のプロモ盤。表題曲しか入ってないし、当然アルバムヴァージョンなので、普段の僕ならこういうのは滅多に買わないんだけど、グレン熱に冒されていた時期につい落札してしまった。
ジャケットは単なる二つ折りのペラペラの紙で味も素っ気もないんだけど、それでもデータをダウンロードしてそれを聴くだけというよりは、ずっと所有欲を刺戟する。シングル盤の魅力って、この記事の一番上に載せたような、綺麗なジャケにカラーヴィニールとかのおまけを手に入れる嬉しさ、っていうのがすごく大きいと思うんだけど。そういうのがCDシングルの時代になって少しずつ失われてきて、今のダウンロードでシングル曲を買うという時代には、そんなの全然意味がないと思われているんだろうね。
さて、いつもながらの愚痴はこれぐらいにして、最後に嬉しいお知らせを一つ。おとといぐらいにファンの間を驚愕のニュースが駆け巡った、グレン・ティルブルック再来日のお話。
さっきちらっと名前が出てきたスティーヴ・ナイーヴがフジロックに出演することが決まってたんだけど、元々共演予定だったフィクション・プレインのジョー・サムナー(スティングの息子)に代わって急遽グレンが出ることになり、その翌日に一回だけ東京公演も決まったということらしい。場所は前回と同じ吉祥寺のスターパインズカフェ。
月曜の夜というのもちょっと大変だし、行こうと思っているダコタ・スイートの来日公演と同じ週だけど、これを観ないわけにはいかない。その週はなるべく出張が入らないように調整して、あとは夕方に急な会議が入ると困るので、念を入れて有給休暇でも取るかな。
しかし、こうしてディスコグラフィーと見比べながら作業していると、自分が持ってないものが気になってくるよね。あと数枚集めたら、少なくとも聴いたことのないレア曲というものはなくなると思ってしまったが最後、この記事をアップしたその足で(?)eBayに飛ぶんだろうな。
なんて書いたら、実際そうせずにはいられなくなってしまった。あれから3ヶ月強、スクイーズ/グレン・ティルブルックのシングルが10枚増えたので、今日はあの記事の続報を書くことにしよう。
34. Cool For Cats
35. Annie Get Your Gun
まずは、京都公演でグレンが四苦八苦しながら歌ってくれた思い出も懐かしい「Cool For Cats」の7インチ盤。これ、A面はセカンドアルバムのヴァージョンそのままだし、B面に何故かファーストアルバムからの曲のヴァージョン違いで収録された「Model」は既に『Excess Moderation』とかのCDにも入っているので、音源としては有難味が薄いんだけど、このかわいいジャケもカラーヴィニールもちょっと僕の所有欲をそそったもので。
僕が買ったこの薄いピンク色のは、1万枚プレスされているので、比較的安く手に入る。この後もっと濃いピンクで5千枚、それから赤で1千枚プレスされ、その後は普通の黒盤になるので、レア度も値段も濃いピンクとか赤の方が高いんだけど、やっぱりこの色がジャケットにも合ってるし、一番綺麗だと思うよ(これもすっぱい葡萄か?)。
35は、ライヴアルバム『A Round And A Bout』からのシングルカットで、アメリカのみで発売になったもの。カップリングの「Is It Too Late」はアルバムには未収録のライヴ。それから、1月31日の記事にも書いた、彼らのアルバムデビュー前のEPの3曲。このシングルCD以外では一度もCD化されたことのない音源だ。何故か、オリジナルEPでのA面「Cat On The Wall」、B面「Night Ride」「Backtrack」という曲順が無視されて、「Backtrack」「Night Ride」「Cat On The Wall」という順番で収録されているのがすごく違和感。
36. Third Rail
37. Third Rail
38. Some Fantastic Place
39. Loving You Tonight
続いて、アルバム『Some Fantastic Place』期のシングルを何枚か。アルバムからの最初のシングルカット「Third Rail」が36、37と二枚写っているけれど、別にマサさんの霊が取り付いて同じものを何枚も買ったわけではない(マサさん冗談ですよ)。この頃から盛んになっていた、同じ表題曲のシングルをカップリング曲を替えて何種類も出してチャートを狙おうという商業主義のせい。
プラケース入りの36のカップリングは、「Take Me I'm Yours (Remix)」と「Cool For Cats (Medley Live)」。前者は、「Take Me〜」のディスコ向けといった感じ。後者は、ちょっとゆるい感じでクリス・ディフォードが歌い始める「Cool For Cats」から、メドレーで「Strong In Reason」につなぎ、また「Cool For Cats」に戻るというもの。92年のロンドンはタウン&カントリーでのライヴで、ちょっと印象的なキーボードを弾いているのは、アトラクションズのスティーヴ・ナイーヴだ。
デジパックの37のカップリングは、こちらもタウン&カントリーでのライヴ録音。「Walk A Straight Line」がさっきと同じ時の録音で、「The Truth」と「Melody Motel」の2曲はそれから1年後の収録。キーボードがポール・キャラックに代わっているけど、ドラムにアトラクションズのピート・トーマスが入っている時期。
グレンのソロ公演でお馴染みの「The Truth」のドローン奏法こそないものの、この3曲のライヴ録音が聴けるのは嬉しいね。「Melody Motel」は僕の大好きな曲だし、「Walk A Straight Line」なんて、隠れた名曲と言ってもいいぐらい。一度は生で聴いてみたいな。
38は、アルバム表題曲の7インチシングル。この曲のCDシングルも2種類出ていて、さっきの「Third Rail」同様、一つはプラケースでもう一つはデジパック。1月31日の記事に載せた、僕が持っている方はデジパックで、この7インチのカップリング曲「Jumping」は、プラケース版の方に入っている。まだプラケース版は買っていなくて、タイコウチさんお薦めの「Dark Saloons」は聴けていないんだけど、この「Jumping」もまあそこそこいい曲だね。ちなみにこの7インチ、プロモ盤の放出品で、105円で見つけたもの。ダイソーじゃないよ。
39はポール・キャラックが歌う曲。こんなのシングルカットされてたんだね。「Tempted」の柳の下のドジョウを狙ったのかな。カップリングは、表題曲のリミックスと、「Tempted」のスタジオライヴ、それから「The Third Rail」のスタジオライヴ。3曲目までポールのヴォーカル曲が続くので、彼の濃い歌い方があんまり好きじゃない僕にとっては、最後にグレンの声が聴けて嬉しい、という作りになっている。
40. This Summer
41. This Summer
42. This Summer
アルバム『Ridiculous』からの最初のシングルカット「This Summer」はアルバム発売時に2種類出ていて、1月31日の記事に載せたように僕もそれを両方とも持ってるんだけど、翌96年になって同じ曲がまた形を変えて3種類発売され、しかもそのうちのひとつには、3枚一緒に収納できるボックスが付いていた。商業主義ここに極まれり、といった感じか。1月のグレンの来日以来、いくつかの音楽雑誌にインタビュー記事が載ったんだけど、そこで彼がこの『Ridiculous』期のルーティン的な仕事を否定的に語っていたのは、きっとこういうことも含めてのことなのかも。
そんないわくつきの品を、発売後10年以上も経ってからオークションで買っている自分もどうかと思いはするけれど、まあCDシングル3枚にしてはそう高かったわけでもないからとムリヤリ納得。
水色の40は表題曲「This Summer」のリミックスとアルバムヴァージョン、「Electric Trains (Narrow Gauge Mix)」、「Heaven Knows」のエディット版という4曲。Narrow Gauge Mixが、バンジョーとかが入っててちょっと面白いかな。
薄緑色の41は「This Summer」のリミックスに、「Cool For Cats」「Up The Junction」「Black Coffee In Bed」のスタジオ録音という初心者向けの内容。こんなセット物買うのはマニアに決まってるのに、なんでこんなことするんだろう。カップリングに使う曲がないならこんな企画やめればいいのに。
黄色の42が唯一コレクションし甲斐のある内容。カップリングの3曲「Sweet As A Nut」「In Another Lifetime」「Never There」は全てアルバム未収録で、その後沢山出たどの編集アルバムにも(『Ridiculous』の再発盤にすら)再収録されることはなかった。どれもなかなかの好曲だと思うんだけどな。それにしても、この3枚を全部通して聴くと、「This Summer」を4回も聴くことになって、ちょっとうんざり。それって、この曲をプロモートするためのこの企画の趣旨に反してると思うんだけど。
43. Still
『Pandemonium Ensues』からダウンロードオンリーでシングルカットされたこの曲のプロモ盤。表題曲しか入ってないし、当然アルバムヴァージョンなので、普段の僕ならこういうのは滅多に買わないんだけど、グレン熱に冒されていた時期につい落札してしまった。
ジャケットは単なる二つ折りのペラペラの紙で味も素っ気もないんだけど、それでもデータをダウンロードしてそれを聴くだけというよりは、ずっと所有欲を刺戟する。シングル盤の魅力って、この記事の一番上に載せたような、綺麗なジャケにカラーヴィニールとかのおまけを手に入れる嬉しさ、っていうのがすごく大きいと思うんだけど。そういうのがCDシングルの時代になって少しずつ失われてきて、今のダウンロードでシングル曲を買うという時代には、そんなの全然意味がないと思われているんだろうね。
さて、いつもながらの愚痴はこれぐらいにして、最後に嬉しいお知らせを一つ。おとといぐらいにファンの間を驚愕のニュースが駆け巡った、グレン・ティルブルック再来日のお話。
さっきちらっと名前が出てきたスティーヴ・ナイーヴがフジロックに出演することが決まってたんだけど、元々共演予定だったフィクション・プレインのジョー・サムナー(スティングの息子)に代わって急遽グレンが出ることになり、その翌日に一回だけ東京公演も決まったということらしい。場所は前回と同じ吉祥寺のスターパインズカフェ。
月曜の夜というのもちょっと大変だし、行こうと思っているダコタ・スイートの来日公演と同じ週だけど、これを観ないわけにはいかない。その週はなるべく出張が入らないように調整して、あとは夕方に急な会議が入ると困るので、念を入れて有給休暇でも取るかな。


