2012年05月12日

Team Me & Kyte live in Tokyo

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メイン・アクトと前座という立場ではなかったからどっちが先でもよかったんだろうけど、4年前にデビューして同時期に来日、既に3枚のアルバムのキャリアがあるカイトと、今年ファーストアルバムを出したばかりのティーム・ミーという組み合わせなら、まあ当然後者がオープニング・アクトで前者がトリという順番になるだろう。

だから、当日になって主催元のホステスがその順序をツィッターで発表したときには別に何の驚きもなかったんだけど、ライヴを観た僕の率直な感想は、あの順番はちょっとカイトに可哀想だったなというもの。メインと前座じゃないからこそ、あえて逆にしてあげればよかったのに、と。それぐらい圧倒的に、残酷なまでに歴然とした差が両者のステージにはあった。

大気の状態が不安定でまた関東を竜巻が襲うかもしれないから注意してくださいと天気予報に言われ(いったいどう注意すれば竜巻から逃れられるのか?)、恵比寿駅からリキッドルームまでの間のわずか5分の道のりで傘をさしていたにも関わらずずぶ濡れになってしまった6月9日の夜。せっかく先行発売で僕にしては珍しい若い整理番号をゲットしていたのに、さあ会社を出ようというその瞬間に会議に引きずり込まれ、会場にたどり着いたときにはもう番号のコールが終わっていたという、のっけから悲しい展開。それでも、左脇の階段あたりに場所を見つけたので、ちょっと遠いけれども小高いところから落ち着いて観ることができた。

大気の状態が不安定で喉が渇いていたからワンドリンクのモスコミュールをあっという間に飲み干し、おそらくホステス関係なんだろうと思われる、僕のよく知らないドンドンコンコンいう音楽が流れる中をひたすら待つ。最近ライヴに行ったら誰かしら知り合いがいるというのに慣れてしまっているから、一人で開演を待つのがこんなに退屈かというのを久しぶりに味わった。

やがて、開演時刻の7時半を10分以上過ぎ、BGMがアークティック・モンキーズとかボン・イヴェールとか僕にも馴染みのあるものに変わった頃、場内が真っ暗になった。さあ、始まる。

6人のメンバーのうち5人が最前列にずらっと並ぶ様は先日観たミャオウとよく似ている。キーボードとか鉄琴とか様々な楽器がバリケードのように並んでいるのも同じだし、男女混合メンバーというのも一緒だね。真ん中で白いジャズマスターを弾いているのがリーダーのマリウスだろう。その他、左からベース(と鉄琴)、キーボード(この人だけ女性)、キーボードも弾くマリウスを挟んで右にギター(とフロアタム)、キーボード、という布陣。ステージ後方にドラムス。

みんな思い思いのフェイスペインティングをして、マイクスタンドには折り紙で作ったような色とりどりの三角形の飾りつけ。右側のギタリストが弾く青いストラトには緑の蛍光色のテープが沢山貼ってある。ただでさえ音楽性があんななのに、もうそういうのを見ただけでまるで(学芸会のように手作り感満載の)どこかの国のお祭りに来たみたいだ。

オープニングは瞬間的にトップギアまで持っていく「Patrick Wolf & Daniel Johns」だったはず。続けて「Weathervanes And Chemicals」かな。このあたりまで(とラスト近辺)は曲順覚えてたけど、あとはちょっと順番うろ覚え。先行発売で買った客にはあとでセットリストが送られてくるということだから、それが来たら転記しよう。ファーストアルバムからは「Fool」と「Looking Thru The Eyes Of David Brewster」以外全曲演ったはず。ファーストのボートラとEPからは以外にも全然演らなかったね(ファーストで再演しているEPの2曲は除く)。

さっき、真ん中にいるのがマリウス「だろう」と書いたのは、右側のギタリスト(CDのブックレットから転載してもいいけど皆あまりにも名前が長いから省略)がほとんどツインヴォーカルのように一緒に歌っていたから。長身の彼とちょっと背が低めの真ん中の人と、最初どっちがマリウスなのかわからなかった。それに加えて、前列にいる他の3人のメンバーがほぼ全曲で、ティーム・ミーの祝祭色豊かな音楽性を支えているあの特徴的なユニゾンのコーラスを入れる。

CDのブックレットによると、このティーム・ミーというのは、マリウス・ドログサス・ハーゲン(Marius Drogseis Hagen 一度ぐらいはフルネームで書いておこう。それにしても長い名前)がいくつかのバンドを掛け持ちでやっていたうちの一つのユニット(というか、Team Meという名前そのまま、マリウス一人)だったのが、母国ノルウェーの国営ラジオ局のコンテストに応募したら突如人気が出てしまい、そのコンテストのために急遽メンバーを寄せ集めたという変わった経歴のバンドらしい。

という話を読んでいたので、この夜の一体感のある演奏にはびっくり。それぞれのメンバーの演奏技術もかなり高いし、転調をふんだんに含むあの複雑な長尺曲を楽々と(マリウスに至っては床に転がったりしながら、文字通り楽しそうに)演奏していたね。中でも、ドラマーが抜群の安定感。ハンサム揃いのティーム・ミーのメンバーの中では唯一だるまさんみたいな体形の彼、何も喋らないしコーラスも入れない(ついでに言えば彼だけフェイスペインティングもない)けど、ステージ後方にどっかり座って、ものすごくいい音を響かせる。僕はあんなに音のいいドラムを聴いたのは、かつてオークランドで観たジョン・ケイルのライヴ以来だと思う。

CDを聴いて予習していたときにはきっとこの曲は演らないだろう、あるいは演ってもつまらないだろうなと予想していた「Favorite Ghost」が秀逸だったのが嬉しい驚き。何曲目だったか忘れたけど確か中盤。「あ、これ演るのか」と比較的醒めた耳で聴いていたら、後半の長い激しい演奏がスタジオ録音を遥かに上回るスリリングな展開。CDでも8分強ある曲だけど、多分この日は10分以上演ったんじゃないかな。

本編終盤の曲順は確か、「Daggers」〜「Show Me」〜「Dear Sister」という流れだったはず。特に、なんだかもわーんとしたイントロをしばらく奏でた後、マリウスが「つぎの曲は“Show Me”」と紹介し、あの特徴のあるイントロになだれ込んだ瞬間のかっこよさったらなかったね。そして、やはりこの曲でも何度か入るタメのスネアの音の強烈さは、CDの比ではなかった。

日本盤CDは5曲もどっさり入っているボートラの前にあえて3分もの空白を入れているほど大事にしているアルバム本編ラスト曲「Daggers」でもう終わりかと思わせておいて、その後立て続けにアルバム内でも相当盛りあがる部類に入るその2曲に続けて締めるところ。あるいは、先に書いた冒頭のアゲアゲ2曲でぐいっと自分たちの世界に聴いているこちらを引き込むところ。もともとの曲のよさというものももちろんあるけれど、そういうステージ構成がとても上手だと感心した。

1時間弱のステージを終え、メンバー退出。と思った瞬間にもう戻ってきて「もう1曲聴く?」だって。アンコールの拍手をする間もなかったよ。きっと時間押してたんだろうね。そして最後は、これもまたファーストアルバムの中ではかなり重要な(そしてタイトルが一番長い)「With My Hands Covering Both Of My Eyes I Am Too Scared To Have A Look At You Now」。後で物販の写真見たら、このタイトルだけをプリントしたTシャツが売ってたみたいだね。

1曲のアンコール(?)を含めてちょうど1時間ぐらいだったと思う。申し分なしのほんとにいいライヴだった。セットチェンジで賑やかな飾り付けがどんどん取り払われていくのを見て悲しい気持ちになってしまうぐらいに。


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いかにもカイトのライヴ前らしくシガー・ロスなんかがBGMで流れる中、今度は実にあっさりしたステージになった。左奥にドラムキット、その前にマックブック、ステージ中央に以前も見た小さな機械(あれキーボードなのかな)。あとはテレキャスターばかりのギター数本とベースが置いてあるだけ。メンバーが自分たちで楽器をセットして、音出したりしていつまでもステージ上にいるから、もうそのまま始まるのかと思った。

そんなわけもなく一旦ステージを降り、しばらくして(9時を少し廻った頃だったかな)再度メンバー登場。前に観たときは5人組で、その後2人が抜けたという話を聞いていたけど、出てきたのは4人。ベーシストが助っ人なのかな。前に観たときと同じようなフェンダーのジャズベース使ってるけど、あれはこのバンドの備品なのか。

一応3枚のアルバムは全部持っているけど、どれを何度聴いても同じように聞こえる(またこんなことを書いてファンの気持ちを逆撫でする僕)。だからティーム・ミーと違ってこちらはセットリストを覚えるのは端から諦めてたんだけど、たぶんオープニングは最近完成したばかりだというニューアルバムからだろうと思う。

音楽性が違うからしょうがないとはいうものの、祭りのようなあのティーム・ミーの盛り上がりを体感した直後だから、どうしてもカイトのこの音の前では客はシーンとしてしまう。メンバーも盛り上げようと手拍子を催促したりするんだけど、なんだかぎこちない感じがする。

前に観たときよりは演奏自体は格段に上手になっているんだけど、ちょっと猫背気味にハンドマイクで歌うニックの声が出ていないんだかマイクボリュームが小さすぎるんだか、歌がかなり聞こえづらいというのも盛り上がりに欠けた一因だったと思う。ティーム・ミーのときは全然問題なかったから、必ずしも僕の聴いていた位置の問題じゃないと思うんだけど。

逆にベースの音がかなり強烈にブンブンと響いてきて、やっぱりジャズベの音いいなと思っていたら、ある曲ではベーシストもギターを弾いているのに、ベース音がバリバリ鳴っている。あ、あの音ってマックから鳴らしてたのかと、また一気に興醒め。ただ、その後ベースに持ち替えた曲でのベース音の響きは違ったから、やっぱりジャズベの音はよかったんだけど、それでもその場で演奏していない音が鳴るラップトップミュージックのライヴにはどうしても馴染めない。

どれも同じ曲に聴こえるから、「あと2曲演るよ」と言って演奏した2曲(比較的よく覚えてたから、たぶん僕にも馴染みのあるファーストからの曲)もそれまでと同じように淡々と終わり、あっさりとステージを降りる。そしてこちらも、まだアンコールの拍手がそれほど始まってもいないうちに再登場し、「もう2曲」とアンコール。終了は10時ちょっと過ぎだったから、やはりこちらも1時間ちょうどぐらいのステージだった。


というわけで、僕の主観が入りまくった(僕のブログなんだから当たり前なんだけど)、やたらティーム・ミー寄りのレビューになってしまった。終演後は竜巻に巻き込まれるといけないと思ってそそくさと出てきたんだけど、後でツィッターとか見てみたら、物販には沢山のTシャツとかティーム・ミーのLPとかがあったみだいだね。残念だけど、最近散財が激しいからちょうどよかったよ。

ちなみに今回のライヴ、紙チケットの代わりに携帯にダウンロードしてそれを会場入り口でピッとするやり方。スマートでいいんだけど、携帯の充電切れたらどうしようかとちょっと気が気でないところが玉に傷。

そうやってチケットを購入したお客さんにはライヴの写真が送られてきたり(上に勝手に貼らせてもらったのはその4枚のうちの2枚)、セットリストが送られてきたり(まだ来てないけど)、メンバーとのミート&グリート参加権の抽選に参加できたり(はずれたけど)、カイトの新曲がダウンロードできるコードをくれたり(個人的にはティーム・ミーのを欲しかったけど)と、なかなかいいサービス。先行販売割引がきちんとできていなかったからと、会場出口で返金してくれたのもスムーズだったし(喫煙所近くだったからそんな場所にずっといるのだけは嫌だったけど。というか、なんでリキッドはあのもうもうとした煙の中を通り抜けないと外に出られない造りになってるんだ?なんとかしてほしいよ)。

外に出てみたら、台風一過のように静かな夜空。カイトにはちょっと残念な思いをしたけど(前回同様、やっぱりこの人たちはCDで聴くのがいいという僕の結論)、去年の年末にEPを聴いて以来かなり贔屓にしていたティーム・ミーのライヴがあれだけよかったことに気をよくしながら帰途についた。


 5月13日追記

ホステスからはまだセットリストを送ってこないけど、RO69のサイトにもう載ってたので、転載させてもらおう。上に「ファーストのボートラとEPからは以外にも全然演らなかったね」なんて書いたけど、EPから「Kennedy Street」と「Come Down」もしっかり演ってたね。まったくいい加減な記憶。

Setlist 9 May 2012 @ Liquidroom Tokyo

Team Me
1. Patrick Wolf & Daniel Johns
2. Weathervanes And Chemicals
3. Riding My Bicycle (From Ragnvalsbekken To Sorkedalen)
4. Kennedy Street
5. Favorite Ghost
6. Come Down
7. Daggers
8. Show Me
9. Dear Sister

Encore
1. With My Hands Covering Both Of My Eyes I Am Too Scared To Have A Look At You Now

Kyte
1. Every Nightmare
2. Love To Be Lost
3. Breaking Bones
4. Friend Of A Friend
5. Sunlight
6. Alone Tonight
7. Aerials
8. Half Alone
9. Scratches
10. IHNFSA

Encore
1. Boundaries
2. The Smoke Saves Lives
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2012年04月30日

Ron Sexsmith live in Tokyo

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派手なところは一切ないけれど、いい曲を達者なバンドの演奏に乗せて1時間ちょっと聴かせるだけ、そんな感じの実にシンプルなライヴだった。ロン・セクスミスのビルボードライヴ東京での来日公演。僕が行ったのは2日目のセカンドセット。東京での最終公演だ。

にも書いたことがあるけれど、僕は16年前に彼のデビューアルバムを買ったものの、周囲の高い評判に反してどうも今一つのめり込むことができず、その後に買ったアルバムはなんだかどれ聴いても同じ曲ばかりだなあと、中古屋に売り飛ばしていた程度の、とてもファンとは呼べないような立場だった。

それが、昨年のベストアルバムにも選んだ『Long Player Late Bloomer』を聴いて、あれ?この人ってこんなにいい曲書くんだっけと、昔からのファンにとっては今更何をというような感想を持ち、ちょうどタイミングよく来日公演が発表されたので、足を運んでみることにしたというわけ。

チケットを押さえてから、ちゃんと曲を予習しないとと思って、中古で何枚か買って聴いてみたものの、やっぱりどれ聴いても同じ曲に聴こえる(失礼)。まあ、新譜の曲はかなり聴き込んであるから、それだけでもわかればいいやと六本木に向かった。

そんないい加減なファンである僕が、どういうわけかこういう時に限ってえらくいい整理番号で、正面真ん中、ベストポジションに陣取ることができた。ステージを見渡してみると、中央のロンのマイクのところには楽器は置いてないが、その後ろにはヤマハのドラムキット。その右側に、ダンエレクトロの相変わらずふざけた形のベース(ダンエレクトロってベースなんて出してたんだね。調べたらDano 63って型だった)、更に右にはごっついアームのついたギブソンのセミアコと、これまたふざけた形の、なんだか紫色の虫みたいな12弦のエレクトリック・マンドリン(帰って調べてみたら、たぶんヴォックスのマンドギターってやつ)。そして、ステージ左側にもの凄い存在感ででんと構えているのが、スタインウェイのグランドピアノ。上にノードらしき赤いキーボードが置いてあるね。

ほぼ定刻にロンとメンバー登場。ハンチングをかぶった右端のギタリストがティム・ボヴァコンティ(Tim Bovaconti)、隣のヒゲメガネのベーシストがジェイスン・マーサー(Jason Mercer)、僕の位置からはロンが邪魔で全く見えない長髪ドラマーがドン・カー(Don Kerr)、ピアニストは妖怪人間ベムみたいな黒いハットに黒いスーツのデイヴィッド・マシスン(David Matheson)。と、かつてロンと一緒にアルバムを作ったドン以外は全く知らないメンバー名をビルボードのサイトから(どうでもいい見た目情報と共に)丸写し。ちなみに新作の制作メンバーとは全然違うんだね。

最近のアルバムジャケから推測して、いったいどんなに太ってしまっているんだろうと想像していたロン(なにしろ、この同じビルボードで目撃したマシュー・スウィートは、一連のアー写がいかに細く見せようとうまく撮られていたかを実感させられたほどの凄さだったからね)、意外に超デブというわけではなかった。なんだか一所懸命ダイエットしてるんだろうなと思わせるような涙ぐましい体型を、黒い襟のついたエンジ色の芸人みたいなジャケットと相変わらずヒラヒラしたフリルの沢山ついた水色のシャツに包んで。真上からスポットの当たったカーリーヘアは金髪かと錯覚したけど、上の写真でもわかるとおり普通に黒髪。手にしたアコギは小ぶりなテイラー。ペグからはみ出た弦をカットしてないから、6本の弦がヘッドのところでぐちゃぐちゃに絡まってる。

何も言わずに演奏を始めたオープニングは「Heart's Desire」(僕と違って全アルバムをきちんと聴き込んでいる一緒に観ていた友達が、いくつかの曲名を教えてくれた)。ティムがチロチロと弾く繊細なギターの音が心地良い。

その曲が終わって「じゃ、おやすみ!」と去ろうとするロン。あ、こういうお茶目なキャラだったんだね。「新作から何曲か演るよ」と、『Long Player Late Bloomer』の曲順通り最初の2曲を続けて。

その後も、「これは懐かしいファーストアルバムから」とか「これはセカンド『Other Songs』から」とか、比較的古いアルバムからの曲が多かったように思う。まあ、僕にとってはどれも同じ曲に聴こえるんだけど。

「また新作から何曲か。まずはアルバムのタイトルトラック」と言って「Late Bloomer」。それに続けて何も言わずに演奏したのが、僕が去年のベストアルバム10枚から1曲ずつ集めて作ったCD-Rに収録した、アルバム中一番好きな「Believe It When I See It」。ああこれは嬉しい。

10曲目でジェイスンとデイヴィッドがステージを降り、ロンとドンが並んでアコギを持って並ぶ(ドンのは4弦だったな。ベースでもなくウクレレでもなく、なんだか小ぶりなアコギ。ほんとにこの人たち不思議な楽器ばかり持ってるね)。隣でティムがマンドギターを添える。05年のセクスミス&カー名義のアルバムから「Listen」。これいい曲だね。アルバム買おう。

次の曲でさらにドンとティムがステージを降り、ロンが一人でピアノに座って1曲。ピアノもうまいね。ピアノといえば、ここで書くのが妥当なのかどうかわからないけど、デイヴィッドが弾いてもロンが弾いても、ピアノの音が本当に綺麗に聴こえる。僕にグランドピアノの音の何がわかるのかと言いたい人もいるかもしれないけど、いやほんとに、さすがスタインウェイと思わされたよ。

「次の曲はカバー」と言って始めた、アルバム『Exit Strategy Of The Soul』からの「Brandy Alexander」。誰のカバーと言ったのか聴こえなかったけど、コンサート前半からやたらと騒いでいた最上階にいたカナダ人らしき観客に向かって「君たちなら彼女のことわかるだろう」とロンが話しかけていたので、きっとカナダ人女性アーティストなんだろう。と思って、帰ってから調べてみたら(このアルバムは予習のために買っておいた)、ロンとファイスト(Feist)の共作曲だった。

9時に始まった本編は10時10分にひとまず終了(なんできっちり時刻を覚えてるかというと、この日の夜10時に発売開始となっていたジム・ボジア5月公演のチケットを押さえるべく、本編終了と同時にアンコールの拍手もせずに携帯からメールを送っていたから)。

ちょうどメールを送信したところでメンバーが再登場。「東京で最後の公演だから2曲演るよ」と、「Tell You」と、その曲が終わって間髪入れず歌い始めた、僕みたいなにわかファンにすらよくわかる、デビューアルバム1曲目「Secret Heart」で幕。「Secret Heart」では、自分でギターソロを弾いていたね。


これからまたバックカタログを全部集めなおすかというとちょっと疑問だけど、聴いてきて気に入った曲が入ったアルバムは買ってみようかなと思わされるような、いいライヴだった。アルバムカバーでもライヴ中でもいつも眉間に皺を寄せて人のことを睨んでるような三白眼のロンだけど(ひどい言い方)、アットホームなライヴは安心して聴いていられる気持ちいいものだった。ついでに、終演後に友達と行った飲み屋も、ふらっと入ったにしては中々味もよく料金も良心的だったので、今後ビルボードのときは贔屓にしてあげようかと思う。


Setlist 28 April 2012 (second set) @ Billboard Live Tokyo

1. Heart's Desire
2. Get In Line
3. The Reason Why
4. Wastin' Time
5. Late Bloomer
6. Believe It When I See It
7. Nothing Good
8. Gold In Them Hills
9. Nowadays
10. Listen
11. Fallen
12. Up The Road
13. Imaginary Friends
14. All In Good Time
15. Love Shines
16. Brandy Alexander
17. How On Earth
18. It Never Fails

Encore
1. Tell You
2. Secret Heart
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2012年04月22日

Morrissey live in Kawasaki

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正確な日付は記録を見ないと思い出せなかったけど、入ったばかりの大学のキャンパスの桜並木を、中にあの美しいジャケットが入ったビニール袋を誇らしげに抱えて歩いていた情景は、今でもありありと思い出せる。僕が最初にスミスのレコードを買ったのは、1984年の4月28日。「This Charming Man」の12インチシングルだった。

大学の卒業旅行を英国縦断一人旅に決めた理由の一つは、マンチェスターの街を訪れて、数か月前に買ったばかりのスミスの最終アルバムの裏ジャケに写った場所で写真を撮ってみたいと思ったことだった(ネットなんてもちろんなかったからろくに情報も収集できず、結局たどり着くことができなかったストレンジウェイズが刑務所だったなんてのは後になってから知ったこと)。

さわやかにサークル活動なんかを楽しむわけでもない、周りの誰とも趣味も考え方も合わないひねくれた大学生にとっては、スミスは特別なバンドだった。それだけに、スミス解散後のモリッシーは、僕にとっては常に何かが違うと思わされる存在だった。ジョニー・マーではない誰か別の人が書いたスミス風の曲。スミス時代にあれだけこだわっていたレトロな風合いのポートレートとは全く別物の、モリ顔オンパレードのジャケット。等々。

スミスの影を追い求めて、88〜89年当時に出たCDは、シングル盤も含めてことごとく揃えていたが、91年の「Sing Your Life」を最後に熱心に彼のことを追いかけるのを止めてしまい、その次に彼のCDを買ったのは95年の『Southpaw Grammar』、さらにその次は04年の『You Are The Quarry』と、もはやとてもファンとは呼べないような手の抜き様。

そんな程度だから、10年振りの来日が発表されてすぐにチケットは入手したものの、「ついにあのモリッシーをこの目で見られる!」というような昂揚感もそれほどなく、淡々と東海道線に揺られて川崎へ。

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前回クラブチッタに行ったのは、僕の記憶に間違いなければ、92年の4月にファイヴ・サーティーの最初で最後の来日公演を観たときだったはず。確か、海外出張から戻ってきて、成田から川崎に直行したんだった。建物の外観は覚えていなかったけど、中に入るとあのときのことを思い出せる。あのときは開演直前ぐらいに到着したから、入口近く、左後方から観てたんだった。今回はそれとは逆方向の、右側の壁にもたれて観ることにした。

土曜日とはいえ、5時開場、6時開演というやたら早いライヴ。例によって大きな整理番号の僕が入場できたのはほとんど5時半近く。大きな会場のわりにはあまり並ばずにもらえたジントニックを片手に壁にもたれていたら、5時半過ぎにもう暗転。なんだろうと思っていたら、ステージを覆っていた白い緞帳に映像が映し出された。ブリジット・バルドーとかの60年代ポップスのモノクロ映像がずっと流れていて、こういうレトロな演出はさすがモリッシーと思っていたら、画像がカラーになってスパークス、続いてニューヨーク・ドールズと、あ、これってモリッシーが好きな音楽を年代順に並べて見せてるのかな、と。そしたらドールズの次にまた古い白黒映画の映像に変わり、女優がカーテンを掴んで何か叫ぶ画面に。

叫ぶ女優の画像と共に緞帳が切って落とされ、予定時刻の6時ちょうどにメンバーがステージに現れる。いい演出。がっしりした体格のモリッシーは茶色っぽい、胸のはだけたシャツ。それ以外の5人のメンバーはお揃いのTシャツ。赤字に黄色のMのマークが書いてあって、マクドナルドを揶揄したジョークなんだろうとは思うけど、僕の位置からは何て書いてあるのか読めず。ステージの背景には、スミス時代のジャケ画を彷彿とさせるレトロなモノクロ写真。

スミスは来日しなかったから、これまで僕はデレク・ジャーマンの撮ったビデオとかでしか動くモリッシーを観たことがなかった。だから、モリッシーというのはくねくねと踊るひょろっとしたお兄ちゃんだという気がずっとしていた。僕が興味を失ってからどんどん太っていった割れアゴのおじさんは、無意識のうちに僕の知っているモリッシーとは別の人だと思っていた(思おうとしていた)気がする。

でも、今僕の目の前で「You Have Killed Me」を歌いながら最前列のお客さんの手を触ってあげているのは、まぎれもなくモリッシーなんだろう。演歌歌手さながらのそういう仕草を見てまたちょっと醒めてしまう僕。

「カワサキ!カブキ!」と、なんだかよくわからないことを叫ぶモリッシー。この後も、各曲の前に曲名でもなく歌詞でもない(クサい)台詞をひとこと言ってから歌い始めるのは、最近のライヴ盤でもお馴染みのスタイル。「明日、結婚しよう」とか、「愛以外に僕は君に何もあげられない」とか。

そう、こういうことを言いだして(歌いだして)からのモリッシーが、僕にはうんと遠い存在に感じられるようになったんだった。曲調よりもモリ顔ジャケよりもなにより、「君が微笑むのを見たことはあったけど、笑い声を聞いたことなんてなかったね」なんていう、他人とのほんの微妙な距離を測れないでいる気持ちを歌ってくれていたかつてのあの人は何処に行ってしまったんだろうって感じ。

まあ、疎外感を歌にしていたら思いがけずそれに共感してくれるファンが世界中に何万人と現れたことに気づいてしまった人が、それまでと同じように疎外感について歌い続けるというのは欺瞞というものなんだろうけど。自分の貧しい生い立ち、ハングリーさを売りにしていたアーティストが成功して大金を手にした後はどう振る舞えばいいのかというのと同じ問題。難しいよね。

2曲目は知らない曲だった。僕が勝手に作った空白期間中に出た曲だろう(後でセットリストを調べてみたら、97年の『Maladjusted』収録「Alma Matters」とのこと。あの、一連のモリ顔ジャケの中でも一番適当な造りで全く買う気の起こらなかったアルバムか。まあそのうち安く見つけたら買ってみよう)。

「You're The One For Me, Fatty」に続いて、ものすごく聴き覚えのあるギジギジギジギジいうギターのリフレイン。「How Soon Is Now?」だ! スミス・ナンバーの中ではそれほど好みではない部類に入る曲だけど、それでも内心盛り上がる。後半、ドラマーが立ち上がって、横に置いてあったものすごく大きな、リムのところが光ってる大太鼓や、後ろに置いてあった銅鑼を叩いてエンディング。

日本公演初日の仙台ではきっと満開の桜を見たんだろうね。しきりに「チェリーブラッサム」を連発していた。メンバー紹介のときも、左端のギタリストのことを「うちのバンドのチェリーブラッサム」なんて言ってたね(メンバー名さっぱり覚えてないので悪しからず)。何かの曲を歌う前に、「桜と雪の詩を書いたのは誰?」なんて観客にわざわざマイクを渡して質問するものの、誰も答えられず。モリッシーも困ったもんだみたいな顔して「君たちは罰せられるべきだ、この曲でね」なんてまた気障な台詞を言ってから次の曲へ。僕もわからなかったんだけど、桜と雪の詩を書いたのが誰なのか、誰か知ってる?

「アリガトウ」とか「ドウモ」とか、結構日本語での挨拶を交えるモリッシー。「六本木にはいい家があるし、渋谷にはいいアパートがあるよね。NO?どうして?」みたいなことも言ってたね。外国人客も結構多かったからそれなりに会話は成立していたけど、あれこれと客席に問いかけても咄嗟に答えが返ってこないもどかしさみたいなのをちょっと感じてたみたい。

スミス・ナンバー2曲目は「Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me」。うーん、決して嫌いじゃないんだけど、どうもこの手ののったりした曲はそれほど嬉しくはないんだよな。どうせスミスの曲なんて何曲かしか演らないんだろうから、ちょっと大事に取っておいてほしい。定番の「There Is A Light That Never Goes Out」はともかく、あと何曲演るんだろう。

と思っていたら、数曲後で、ギターがこれも聞き覚え満タンの動物の声みたいな音を奏で始めた。うわ、これ演るの?と多大な好感を持って観ていたら、さっきまでのレトロなモノクロ写真に替わって、動物の屠殺場の画像が次々と。ゆったりとした三拍子に乗って歌われる「Meat Is Murder」は僕が聴いてみたかった曲の一つではあったんだけど、あの長尺曲に合わせて延々と上映されるビデオ(各チャプターにわざわざタイトルがついていて、「ニワトリと七面鳥」パートとか「肉牛」パートとか)は、ちょっと直視しているのが辛くなる内容だった。

どよーんとした気持ちでその曲を終え、次の「Everyday Is Like Sunday」のイントロが聞こえてきたときにどれだけ救われた気持ちになったことか(笑)。そして、その曲に続いたのが、イントロのギターのカッティングからアルペジオに移るパートを聴いた瞬間に飛び上がりたくなった「Still Ill」!! ああ、まさかこれを演ってくれるとは。もうてっきりモリッシーはスミス初期の曲なんて演らないんだと勝手に思っていた。僕の本日のハイライト。ここまであれこれネガティブなこと書いてきたのは全部撤回(笑)。もうこれさえ聴ければ、この後どれだけモリッシーが演歌歌手みたいな振る舞いをしようが僕は気にしないよ。

終盤、もわーんとしたキーボードの音に乗せてモリッシーが静かに歌いだした歌詞を聞いてはっとする。「Good times for a change…」。うわぁ、「Please, Please, Please Let Me Get What I Want」だ。ちょっと泣きそうになる。

立て続けに、「First Of The Gang To Die」。このへんはわかるよ、僕がモリッシー聴くのを再開してからの曲だからね。うん、確かにこういう曲は理屈抜きでかっこいいよ。スミス云々とは全然別次元でね。

と思っていたら、それで本編終了。書き忘れてたけど、どの曲のときだったか、モリッシーが汗だくになったシャツを脱ぎ、それで顔とか胸の汗をたっぷり拭いてから客席に投げ入れる。僕の位置からはよく見えなかったけど、さぞかし壮大な争奪戦になっていたことだろう。思いのほか筋肉質なモリッシー。一旦袖に引っ込んで、次に着てきた青いシャツは最新作『Years Of Refusal』のジャケで着ているのとよく似た色(でも長袖だったので違うシャツ)。それは本編終了で脱がなかったのできっと高かったのかな。

アンコールに応えて再登場。また違うシャツだ。また全員で肩を組んで挨拶してから、「毎晩僕は恋人に“サヨナラ”って言うんだ」とかまたクサいことを言って「One Day Goodbye Will Be Farewell」を。またすぐにシャツを脱いで客席に投げ入れたと思ったら、それでステージを降りてしまった。即座にBGMが鳴りだす。ええ?もう終わりなの?「There Is A Light」は??

なんと、7時半前に終わってしまった。どんな健全な時間だ。さてどうしようかとロビーに出てみたら、Tシャツだのポスター(最近出たベスト盤のジャケと同じ、モリさん入浴中のシーン)だの、物販大繁盛。開演直後ぐらいまではあんなにヘソ曲げてた僕が、列に並んだりやっぱりやめようと思ったりを何度か繰り返した挙句に買ったシャツ。3500円也。しかしこんなのいつ着るんだ?(笑)

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20年振りの川崎、せっかく早く終わったんだからと、友達と合流して飲みに行くことに。適当な居酒屋に入ったんだけど、どうも皆の注文するものが野菜系ばかり(笑)。そりゃあのビデオ観せられた後じゃね。久しぶりに会った友達とその友達、ずいぶん長い間楽しく話してワインボトルを2本空け、帰路についたのがまだ10時台。いいね、6時に始まるライヴって。なんかものすごく充実した一日だった。

後日談。というか翌日。せっかくのレコード・ストア・デイだからと日曜の新宿に繰り出してみたら、ちょうどユニオン本館で100円CDセール中。自分を戒めながら千円札1枚で買える範疇で選んでいたら、ちょうど前述の『Maladjusted』が。ついてるね。適当な造りのジャケでも100円ならOK(ごめんモリッシー)。


Setlist 21 April 2012 @ Club Citta Kawasaki

1. You Have Killed Me
2. Alma Matters
3. You're The One For Me, Fatty
4. How Soon Is Now?
5. Ouija Board, Ouija Board
6. I Will See You In Far-Off Places
7. Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me
8. I'm Throwing My Arms Around Paris
9. Action Is My Middle Name
10. Speedway
11. Meat Is Murder
12. Everyday Is Like Sunday
13. Still Ill
14. People Are The Same Everywhere
15. Let Me Kiss You
16. To Give
17. Please, Please, Please Let Me Get What I Want
18. First Of The Gang To Die

Encore
1. One Day Goodbye Will Be Farewell
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2012年04月15日

コーチェラのスクイーズを観ながら

コーチェラフェスティバルがユーチューブで生中継をやってるというので、スクイーズ観たさに日曜なのに早起きして準備。スクイーズのステージは日本時間の11時15分からなので別にそんなに早起きする必要もないんだけど、楽しみにしていることがあるときは目が覚めてしまうもので。おかげで9時からのバズコックスとかも観られてラッキー。

生中継のビデオを観ながらツイートしてたのを転載して今日の一記事分稼ごう。たいしたことつぶやいてないけど、もし誰かセットリスト知りたいとかいう人がいたら参考になるかもしれないし。


yas ‏ @yas_jimi
スクイーズ @ コーチェラ生放送待機中。ノエルかローラか迷いながら主にローラ観てる。スクイーズの裏番組はアンドリュー・バードか。重なるね。
2012年4月15日 - 11:00

yas ‏ @yas_jimi
時々固まるな。重くないように画像だけのページ観てるのにな。スクイーズのときは止まりませんように。ローラ・マーリン最後の曲。http://tremolo.edgesuite.net/clients/1089_google-youtube/coachella/index.html
2012年4月15日 - 11:10

yas ‏ @yas_jimi
ちょうどスクイーズが始まる3分前に終わってくれたよ。もうノエルには戻らずにスクイーズ待ち。
2012年4月15日 - 11:13

yas ‏ @yas_jimi
「Bang Bang」!こんな曲でスタートとは。それにしてもグレンのヒゲ。
2012年4月15日 - 11:18

yas ‏ @yas_jimi
「Take Me, I'm Yours」極初期が続きますね。サイモンはヒゲそったのか。
2012年4月15日 - 11:21

yas ‏ @yas_jimi
数秒固まったと思ったら「Revue」になってる。なんでこんなに固まるの。
2012年4月15日 - 11:22

yas ‏ @yas_jimi
グレンのギター相変わらず最高です。次は「Annie Get Your Gun」
2012年4月15日 - 11:25

yas ‏ @yas_jimi
ほとんど映してもらえない結婚式の司会者みたいないでたちのキーボーディストはスティーヴンか。復活したんやね。次「Is That Love?」
2012年4月15日 - 11:29

yas ‏ @yas_jimi
クリス!「Cool For Cats」
2012年4月15日 - 11:30

yas ‏ @yas_jimi
グレンの新機軸のブルージーなギターソロが最高でございました。次は「Points Of View」珍しい曲ばかり演るね今日は。
2012年4月15日 - 11:35

yas ‏ @yas_jimi
固まってる間に「Up The Junction」に移ってる。ああもう悔しい。
2012年4月15日 - 11:40

yas ‏ @yas_jimi
イントロでまた固まったけどこれは「Goodbye Girl」やな。
2012年4月15日 - 11:41

yas ‏ @yas_jimi
サイモンのワインボトルパーカッション。
2012年4月15日 - 11:42

yas ‏ @yas_jimi
「Hourglass」
2012年4月15日 - 11:45

yas ‏ @yas_jimi
やっぱりこの曲のサビはクリスの声でユニゾンなのがいいよね。スクイーズで来日してほしいよ。
2012年4月15日 - 11:47

yas ‏ @yas_jimi
「Pulling Mussels」もうそろそろ終わってしまうのかな。グレンの「Cheers Loves!」久々に聞いた。
2012年4月15日 - 11:49

yas ‏ @yas_jimi
何いま一瞬入った画像?
2012年4月15日 - 11:49

yas ‏ @yas_jimi
「Slap & Tickle」グレン on キーボード
2012年4月15日 - 11:53

yas ‏ @yas_jimi
手拍子。ギターなしで「Tempted」
2012年4月15日 - 11:58

yas ‏ @yas_jimi
ジョン・ベントレーせっかくピンで歌う一瞬を映してもらえず。
2012年4月15日 - 11:59

yas ‏ @yas_jimi
「Black Coffee In Bed」これで最後かな。
2012年4月15日 - 12:01

yas ‏ @yas_jimi
やたらサイモンばかりアップになるな。クリスより多いかも。
2012年4月15日 - 12:04

yas ‏ @yas_jimi
完全に固まってしまった。一応演奏は最後まで聴けたからいいけど。
2012年4月15日 - 12:14

yas ‏ @yas_jimi
今朝バズコックス観てたときはここまで固まらんかったのに。時間帯のせいなのかな。
2012年4月15日 - 12:15


11:49の「一瞬入った画像」はビーチの砂の城が崩れていくクレイアニメっぽい映像。「Pulling Mussels」の歌詞にかけてるんだろうけど、いきなり全画面それになったもんだから妙に唐突感。それとも僕のPCが何度も固まってた間にああいう画像は何度も挿入されてたのかな。

グレンは一時期の伸び放題のヒゲを一応はトリミングして、あご下の部分だけ長く、それ以外のは短いという新手の山羊みたいな不思議なスタイル。ずっとブルーメタリックのストラトを弾いてて、「Slap & Tickle」のときだけは後ろから引っ張ってきた赤い台の上に置いた小さなキーボードを演奏。「Tempted」のときはギターを持たずに頭の上で大きく手拍子をして観客を促しながら途中まで歌い、後半は観客に歌わせながらおもむろにギターを抱え、通常演奏に。どういうわけか、さあギターソロという場面になると決まって画面がフリーズ。

クリスはバイオリンみたいな形のギター。ヘッドのところもくるりんってなってた、あれどこの何ていうギターかな。「Cool For Cats」を歌うとき以外はほとんど存在感なし。でも11:47につぶやいているように、この人の声が入るだけで、グレンのソロで聴きなれた曲も全然変わるね。

「Pulling Mussels」のときかな、自分のコーラスのパートじゃないからとオフマイクで、でも大声で歌ってるスティーヴン・ラージがよかったな。えんじ色に黒い襟のスーツみたいなのを着てネクタイしてたよ。七三分けのヘアスタイルと黒縁眼鏡も、狙いなのかな。

ジョン・ベントレーは真ん丸になってた。首もないし指もコロコロ(グレンと同じ指)。11:59のツイート、「Black Coffee」で3人で掛け合いするところではずっとグレンの顔のアップだった。でも演奏中は比較的アップも多かった気がするジョン。ミュージックマンの黒いベース。

サイモンかっこよかった。相変わらず他人とは思えない頭の形とヘアスタイル。「Goodbye Girl」ではステージ前方に出てきて、左手に持った空のワインボトルとカウベルをドラムスティックで叩き、曲の途中でドラムキットに戻って後半ドラムスというパターンは前に吉祥寺でも観た。ドラムキットに戻って叩き始めた瞬間、右手に持ったスティックが折れたのか、上に大きく放り投げて新しいスティックを取り出して、かっこいいな、というところで僕のPCはフリーズ。次に動き出したときにはもう「Hourglass」の早口フレーズが始まっていた。

てな感じで、観ていた時間の1/5ぐらいはフリーズしていてフラストレーション溜まりまくり。フリーズまでには至らなくても、画面モザイク音はモノ、みたいになるのもしょっちゅう。うちのネット回線そんなに遅いというわけじゃないはずなんだけどな。昨日は夜中にかけてアークティック・モンキーズの再放送とかやってて、それはストレスなく観れてたから、このスクイーズのもまた夜に再放送すればいいんだけど。


p.s. 13時半からのボンイヴェールのときは固まるどころかモザイク状になることもなく、一切ストレスフリーで観られたぞ。何故だ? いやそれにしてもボンイヴェール、圧巻だった。あれは是非ライヴで観てみたい。


p.p.s. 夜、お出かけから帰ってきたら再放送やってたので、慌てて「Annie Get Your Gun」から再度観賞。昼に観たときよりは多少はマシにはなったものの、やっぱりブツンブツン途切れる。ただ、生放送のときは固まってた時間分はなかったことにされてしまっていたのが、録画だからか、しばらく固まった後に再開すると固まった瞬間からまた観られるので、観られない瞬間というのはないのが大きな違い。とはいえ、やっぱりこれだけブツブツ切れると、楽しんで音楽聴くという感じではなくなってしまうね、残念ながら。

グレンの前方、左右方向に相変わらずサーキュレーターが置いてあるなとか、「Pulling Mussels」のときだけでなく、他の曲(たしか「Up The Junction」?)でも一瞬アニメっぽい画像が挿入されるとか、最初観たときには気付かなかったり見逃してたりしたことに気づく。これ、いつまで再放送続くのかな。明日コーチェラが閉幕するまでなのかな。ユーチューブにずっと置いておけばいいのに。
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2012年04月03日

Gary Jules & Jim Bianco live in Tokyo

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ジム・ボジアのライヴに行って以来、カフェ・ゴーティからライヴのお誘いメールが沢山舞い込んでくるようになった。そのほとんどがよく知らないアーティストばかりだ。その巧みな誘い文句や山ほど貼り付けてくれているビデオを観て、いつも行ってみたいなあとは思ってるんだけど、なにしろ鎌倉はうちからぶらっと出かけられるような場所じゃないし、特に今年になってからは殆ど隔週でいろんなライヴに出かけているから、よく知らない人のライヴにまで足を運ぶほど先立つものが許してくれる状況ではなかった。

今日これから書くゲイリー・ジュールズとジム・ビアンコも、ファウンテンズ・オヴ・ウェインの翌日ということもあり、気になっていながらもスルーしてしまうつもりでいた。ところが、別件でゴーティの松本さんに連絡したとき、「グレン・ティルブルックとか好きならゲイリー絶対気に入るから騙されたと思ってまあ来てみろや」という趣旨のメールをもう少し丁寧な物言いでいただき、そこまで言うならと、まず試しにゲイリーのファースト・アルバム『Greeting From The Side』を某通販サイトの某市場場所で捨て値同然で購入。数回通して聴いた時点で、僕はツアー最終日となる下北沢La Canaでのチケット申し込みメールを送っていた。だってこんなの聴き逃すなんてありえないでしょう。申し込みメールの返信で松本さん曰く「ライヴはもっといいですよ」。わかりましたよ、騙されたと思いながら行ってみましょう。

ということで当日。ぎりぎりに申し込んだ僕は前売りチケットのお客さんが全員入ってから入場という話だったので、急いでもしょうがないと開場時刻の7時を少し過ぎるまで会場のはす向かいの某レコファンで時間潰し。ところが、買ったばかりのコステロのライヴ盤をカバンにしまいながら会場に辿り着くと、チケットを持ったお客さんはほとんどおらず、思いがけずすっと入場することができた。おかげでかなりいい位置で観ることができたよ(アーティストと興行主の名誉のために書いておくと、チケットを持ったお客さんは皆さん余裕を持って来られたようで、僕が入場した後にどんどん入ってきた観客で会場はほぼ満員だった)。

下北に来たときはいつも前を通っているLa Cana(なにしろレコファンの前だから)、中に入るのは初めてだ。ちょっと薄暗くて雰囲気いい場所だね。ステージは木箱のようなものを並べて高くしてあるから、背の高いアーティストなら低くなった天井に頭をぶつけそうなくらい。観客席にはあちこちから集めてきたような様々な種類の椅子。

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ステージの上にはギターが2本とピアノ。ギターは両方ともクラシック・ギターだね。近くでまじまじ見たわけじゃないけど、たぶん両方とも張ってあるのはナイロン弦かな。こういうフォーク系の音楽を演っていてクラシック・ギターを使う人は初めて観るよ。


まずは、一週間の日本ツアーで覚えたであろう「コンバンワ」とかの簡単な日本語であいさつしながら、山高帽をかぶったジム・ビアンコが登場。上の写真では左側にある、ちょっとボディが(色も厚さも)薄い方のギターを手に取ると、ピックアップマイクみたいなのをサウンドホールの下に取り付ける。あれ?ストラップしないんだね。演奏中とかに見ていたら、そのマイクが首にかけている細い紐につながっているように見えたけど、別にそれで支えているというわけではなさそうなので、基本的にはガタイのでかいジムがストラップもなしで文字通りギターを抱えて歌うという図。

繊細なギターに野太い声。まず1曲目はしっとりとしたバラッドで開始。実は、ゲイリーのCDと前後してジムのも注文していたんだけど、残念ながらこの当日まで入手できず(ライヴから帰ったら届いていた)、ユーチューブとかで何曲か観た以外には彼の曲はほとんど予習できていなかった。というわけで曲名はほとんどわからないのでご容赦のほど。

一転してブルージーなギタープレイの2曲目「Downtown」。わあ、クラシックギターをこんな風に弾くんだ。かっこいい。なんでこの曲はタイトルがわかるかというと、ライヴ終了後にその場で買ったCDにサインをもらっていたときにジムが「このアルバムからは今日2曲演ったよ。これとこれ」と言うから、「あ、この『Downtown』ってのは1曲目だっけ?」と聞いたら「いや、2曲目」という会話があったので。間違えはしたけど、一応、よく覚えてるな、という顔で見てはくれていたよ。

曲間のMCも日本人にわかりやすいようにゆっくり喋ってくれるから、ただでさえ野太い地声がまるで回転数を落としたレコードみたいに聞こえる。「日本を離れるのは寂しいよ」とかそういう話題だから、たぶんあそこまでゆっくりしゃべってくれなくてもみんなわかると思うんだけど。「Devilは日本語でなんて言うの?」と訊いてから始めた曲は、ディスコグラフィーを見て推測すると「To Hell With The Devil」というやつかな。

「Elevator Operator」という曲の前で松本さんをステージに呼び、突然「通訳をやれ」と。あっけにとられながらも歌詞を一言一言全部訳す律儀な松本さん。ジムは途中で自分の歌詞を思い出せなくなり、「ちょっと待って」と後ろを向いて、早送りでギターのコードを押さえながら小声で歌って歌詞の続きを思い出す。パートタイムの秘書をやっている彼女がほんとはエレベーターガールになりたいと思っていて、その他にもエルヴィスのそっくりさんとかワニ皮の靴職人のアシスタントとか変な職業に就きたいという、ヘンテコな歌詞がおかげでよくわかったよ(笑)

その次の、長い歌詞を早口で歌う曲を終えた後、「ケイジ(松本さん)、これも訳してくれ」と冗談めかして言うジム。ははは、最初始まったときはジムも僕ら観客もどことなく固い感じだったけど、もうこの頃にはこういうジョークがポンポン出るようになってきたね。

何曲目だか忘れたけど、ゲイリー・ジュールズを呼び、自分はピアノに移動して、ギターとコーラスを任せる。出てきたゲイリーを見てびっくり。僕は彼の姿は98年のファーストのジャケぐらいでしか見たことなかったから、真っ白な髭面に野球帽をかぶった小柄な彼を、失礼ながらどこのお爺さんが出てきたのかと思ってしまった。一瞬J.J.ケールかと。そうか、そういえばあれは14年も前の写真なんだ。

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Gary Jules 『Greeting From The Side』

野太いジムの声に重なる、繊細なゲイリーのハーモニー。うわ、これすごい。ぞくっとするね。一週間にわたるツアーの最終日だから演奏も息が合ってるのは当然なんだろうけど、一旦完璧に合わせるまで一緒に練習して、その後であえてルースに崩してみせている(でも実は最後には完璧に合ってる)みたいな共演が見事。どんだけ懐が深いんだと思わされる。

ある曲で、ジムとゲイリーがそれぞれギターを持ち、観客席の後ろの方に行ったと思ったら、一人の女性客を囲んで歌い始めた。常連客(特に女性)の誕生日にアーティストがバースデイソングを捧げるというのはグレン・ティルブルックジム・ボジアのライヴで経験済みだから、きっとこの日はあのお客さんの誕生日なんだろうなと納得。演奏している曲は特にバースデイソングとかではない感じだけど。なんだか照れくさそうにしているけど、さぞかし嬉しいだろうね、こういうのは。

第一部はそれ以降は基本的にはジムがピアノ、ゲイリーがギターというスタイル。第一部終了までで1時間程度。「5分か10分で次はゲイリーが一人で出てくるから」と言ってステージを降りたけど、みんなトイレ行ったりするから当然5分や10分で第二部が始まるわけもなく、僕はギネスのパイントグラスを手に席で待機。こぼれないようにゆっくり席に戻ろうと思っていたら、ゲイリーが「それは泡が落ち着いてから飲め」と。はい、わかっております、お爺さま(笑)


第二部。ゲイリーがふらっとステージに上がり、ギターのチューニングをしたかと思うと、そのまま挨拶もなくいきなり歌い始める。なんと形容すればいいんだ、この声は。さっきは“繊細”なんて書いたけど、単に細い綺麗な声というわけじゃない。ウィリー・ネルソンみたいなカントリー声になるときもあれば、マイケル・スタイプのように聞こえる瞬間もあるという、なんとも魅力的な声。僕が彼のCDを聴いて惹かれたのは、彼が書く美しい曲だけでなく、この声によるものが大きかったんだと思う。

ところで、Garyというファーストネームを僕はいつも「ギャリー」と表記している。NZに住んでいたときからネイティヴの実際の発音をカタカナ表記するとそれが一番実際に近いと思っていたからそうしていたんだけど、今回ジムが彼を呼ぶのを聞くと、「ギャリー」とも「ゲアリー」とも「ゲイリー」とも聞こえる、なんとも表現しがたい発音(もともとこもって聞こえる声だし)。というわけで、今回はあまり知名度のない彼の名前をネット上で少しでも連呼して広めるために、あえて一番一般的な「ゲイリー」表記とすることにした。

2曲目は、ニール・ヤングの「After The Gold Rush」のカバー。まるでニール本人かという(いや、あの不安定な音程のニールよりはよっぽどしっかりした)繊細ながらも芯の通った綺麗な歌声。これは沁みるね。

「24年前、僕は東京に住んでいたんだ。9か月ほどの間、好きな女の子がいてね。19歳の頃だったな」とゲイリー。え、なに、今43歳なの?その見かけで(失礼)僕より年下なの?(と、とても若いとはいえない見かけの僕があえて言わせてもらいますが)。「六本木に住んでいたんだけど、1か月の家賃が僕の年収よりも高かったんだ」だって。そりゃ、バブル絶頂期の六本木なんてそうだろう。その彼女と別れたときに書いたという曲を、この24年間で初めて披露。ライヴ終了後にタイトルを訊いたら、しばらく考えたあとで「Fear Of Falling」だと教えてくれた(単に出だしの歌詞がそうだっただけで、本当はタイトルなんて付けてなかったのかもしれないけど)。

「JB、ピアノ頼むよ」とジムを呼び出すゲイリー。ジムのことそう呼んでるんだね。ここから後半は再びジムがピアノ、ゲイリーがギターという布陣でしばらく進む。さっきと違ってジムのコーラスはあまりないけど、どこまでが即興か区別のつかない奔放なピアノとギターの絡みが最高。ゲイリーのヴォーカルはピンでも十分以上に聴き応えあるしね。

ボブ・ディランの「The Times They Are A-Changin'」をぶっきらぼうに歌いだすゲイリー。冗談なのか本気なのか判別つかない。セカンドヴァースあたりでちょっと吹き出しそうになったのはやっぱり冗談のつもりだったのか?ジムも「お前なにやってんだ?」てな顔でピアノも弾かずに頬杖ついてゲイリーの顔を見上げている。すると、その曲をふっと終え、続けて「Ghosts」へ。名曲満載のファーストの中でも僕の大のお気に入りだ。さっきの似非ディランのときとは声に宿るオーラが違うよ。崇高なピアノの音とも相まって、ちょっと涙出そうになる。

どの曲だったか忘れたけど、ある曲を終えた瞬間にカポの位置を1フレット内側にずらし、続けて「Falling Awake」を弾き始めた。うまいねーと思っていたら、どうやらチューニングがずれていたみたいで、曲の途中で咄嗟にエフェクターを踏んでオフにし、歌詞の語尾を「えーーーーー」とか言って延々引っ張りながらチューニング。あーあ、せっかくかっこよかったのに(笑)。でも、そういうのまで一つの見どころにできるほどの芸の細かさ。やっぱりうまいなあ。そして、この曲からは確かメドレーでボブ・マーリーの「No Woman No Cry」を続ける。

あんなに綺麗な曲を書ける人が、それでもこんなに沢山のカバー曲を挿入してくるというのは、観客が知っているであろう曲を披露するためという理由に加えて、ゲイリー自身が音楽ファンとしてそういう曲を演奏するのが楽しいからじゃないのかな。だって、繰り出してくる曲がことごとく、僕とそう大きく年齢の変わらない彼がおそらく青春時代にリアルタイムで聴いていたような曲ばかりだから。

映画の挿入曲としてヒットしたという、ティアーズ・フォー・フィアーズの「Mad World」もその一つ。ファーストに続けて事前に購入した04年の『Trading Snakeoil For Wolftickets』に収録されているそのカバーは、ティアーズ・フォー・フィアーズのオリジナルよりも優れていると思うし、この夜に披露してくれたヴァージョンはそれに輪をかけて素晴らしいものだった。

オリジナルよりも思いっきりスローにアレンジされたチープ・トリックの「I Want You To Want Me」もそう。なにか他の曲にまたしてもメドレー形式でくっつけて歌われたドン・マクリーンの「American Pie」も同じく。この曲は24年前に六本木のバーで弾き語りをしていたときにいつも歌わされていたって言ってたっけ。

「Barstool」のコーラス部分を観客に練習させてから一緒に歌ったのも楽しかったな。これは、僕の持ってる2枚のアルバム両方に収録されている、きっと彼にとってもお気に入りの一曲(松本さんが物販で他のお客さんに話しているのを立ち聞きしたところによると、『Trading〜』が再発されたときに最収録されたらしい)。

第二部も約1時間ほどで、最後の曲はジムもギターに替えて二人で並んで歌って終了。素直にステージを降りて観客席を通り抜けてバーの方に消えるジムと、何故かステージわきの物置みたいなところに入っていくゲイリー。アンコールの拍手を受けて、ゲイリー物置から再登場(笑)

松本さんに感謝の言葉を述べながら、レオ・セイヤーの「When I Need You」をおどけて歌う二人。「今のはジョーク。これがアンコールの曲」と言って演奏し始めたのがビートルズの「Two Of Us」。途中でハモるのを失敗して最初からやり直し。オリジナルはもちろん、映画『I Am Sam』のサントラのエイミー・マン&マイケル・ペンのヴァージョンもニール&リアム・フィンのヴァージョンもどれも好きだけど、この二人の全く異なる声質でのハモリも最高だ。願わくは、グレン&クリスのヴァージョンなんかも聴いてみたいな(突然妄想開始)。

もう一度ステージを降り、もう一度バックステージと物置から現れる二人(笑)。「これが本当に最後だからね」と、再度チープ・トリックの今度は「Surrender」。観客大合唱。ああもう、みんな(多かれ少なかれ)同じ世代なんだから。


物販の様子を見ていると、かなりの数のお客さんがCDを買っていく。まあ、二人ともどこのCD屋でも手軽に入手可能というわけじゃないからね(少なくとも僕は、毎週のように通い詰めている某あっちのレコ屋や某こっちのCD屋で彼らのCDを見かけたことがない)。それに、あの生演奏を聴いた後なら、誰もがCDを買って帰って追体験したいと思わずにはいられないだろう。

面白かったのが、どのお客さんも松本さんにどのCDがお勧めかと聞いて、松本さんが「ゲイリーなら1曲しか演らなかった新譜じゃなくてこっち(一つ前のアルバム)」と勧めていたこと。新譜売りたくないの?(笑)。「ジムの最新作には歌詞を書いたマグネットが入っていて、切り離して遊べるんですよ」とか。

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僕が買ったジム・ビアンコの2枚のCD。左側が、ブートかと思うような白地に表面スタンプ、裏面ステッカーという簡素な造りのライヴ盤。収録されている曲から推測して最新作に前後して出たものかと思い、サインをもらいがてらジムに訊いてみたら、去年出た新作『Loudmouth』とほぼ同時期の録音だそうだ。右側は、数年前の来日時に松本さんが作った(?)8曲入り『Steady』。こちらも、ブートレグでも最近もう少しましに作るだろうというような(笑)お手製感満載なペラジャケ。最初の方に書いた「Downtown」はこのCDに収録。

観客からサイン攻めにあっているゲイリーに比べて比較的ヒマそうに座っているジムに話しかける。もう5回目の来日だって?来年もまた来る?「来年はぜひバンドで来たいね。普段アメリカではバンド編成で回ってるんだ」。「このオレンジ色のジャケのはもうあまり売ってない。何年か前に日本に来たときの来日記念盤だ。レアだけど、この中から今日は2曲も演奏したよ」等々。

僕の後ろでサインを待っている女性ファンに気づいて場所を代わる。『Loudmouth』からマグネットを取り出し、「こうやって遊ぶんだ」と、マグネットを次々に切り離し、ジャケに単語を置いて教えるジム。なるほど、そういうマグネットか。でもあのお客さん、持って帰るときにピース無くさなければいいけど。

あ、そういえば、あの二人で取り囲んで歌った女性客は誰だったの?と訊くと、なんと「いや、実はよく知らないんだ。別に誕生日でもないと思うよ。ゲイリーが率先して歩いていって、ああいうことになったんだけど、悪いことしたかな(笑)」だって。。どうりで照れくさそうにしてるわけだよ(笑)

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持参した『Trading〜』のジャケにサインをもらい(会場で売ってたのはデジパックだったな。ちょっと残念)、ゲイリーに薬指の刺青を見せてもらって同じポーズで写真を撮らせてもらう。

ゲイリーともしばし話す。「次に来るときは息子と一緒に来たいと思ってる。8歳になるんだ」。いくら「バンドで来る?またジムと一緒に来る?」と質問しても「息子と一緒に」と答えるゲイリー。子煩悩だね。次の来日(来年?)までには新作をリリースする予定だとのこと。それまでは、今回会場で全部揃えたバックカタログを聴いて予習しながら、楽しみに待っていよう。


さて、時刻も11時に近づき、お客さんは一人また一人といなくなる。でも、ライヴ終了後にサインをもらったりアーティスト本人とダラダラ喋りながらいつまでも会場に居座るのが僕らグレンヘッズの常(笑)。この日も、もう他のお客さんがほぼ居なくなった後、ジムは赤ワインを飲みながらおくつろぎモード、ゲイリーはまだ僕らと話していたところ、松本さんがゲイリーに「この人たち、グレン・ティルブルックのファンだよ」と言ったら、なんとゲイリーがギターを持ってきて、その場で「Pulling Mussels」を弾き始めた。

歌詞はあちこちうろ覚えで鼻歌みたいになったけど、そこは僕らが一緒に歌ってそれなりにフォロー。どうせワンコーラス程度だろうと思いきや、間奏も入れてちゃんと最後まで歌いきってくれた。あの難しいギターソロも途中までちゃんと弾いてくれたし(「そのソロは難しいぞ」とくつろぎながら茶々を入れるジム。でも偉そうにふんぞり返りながらも一緒に歌う)。それにしても、なんであんなの練習もせずに即興で弾けるんだ?すごいよゲイリー。

わずか限定3名向けの超スペシャル・アンコール。しつこく居座っていた甲斐があったよ。松本さん、ありがとう。おかげさまで、ただでさえよかったライヴが本当に特別なものになりましたよ。そしてなによりも、こんな素敵なライヴにしつこく(笑)誘ってくれてありがとう。これでまたCDを全部集めないといけないアーティストが増えてしまった(ゲイリーのはとりあえず揃ったけど)。


ライヴ2日後の今日、東京は暴風雨。本当は一日中会議が詰まっていたんだけど、午後3時頃には夕方にかけて首都圏の交通網がマヒするからと、会社から退去命令が出た。おかげで、週末まで書けないかと諦めていたこの記事も、まだ記憶が新鮮なうちに書き終えることができたよ。きっと、僕の音楽の神様が、友達の雷様みたいな奴(イメージ:往年の高木ブー)に言って天候を調整してくれたに違いない。

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posted by yas at 22:15| Comment(0) | TrackBack(1) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月01日

Fountains Of Wayne live in Tokyo

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いいライヴだったというのはもちろんだけど、昨夜のこのライヴのセットリストが僕にとってどれだけ特別なものだったかという気持ちを少しでも共有してもらうために、ちょっとライヴとは関係ない前置きを。

僕がファウンテンズ・オヴ・ウェイン(以下FOW)をきちんと買って聴き始めたのは、彼らがもうすっかりメジャーになった後のこと。記録によると、06年に過去盤を何枚か買ったのがきっかけだったようだ。それまでももちろん名前は知っていたし、音もまあそれなりに自分の好きなパワーポップ系ということで嫌いではなかったんだけど、どうも100%しっくりくるという感じではなかったというか。

僕にとってその程度の位置づけだったバンドが、07年のアルバム『Traffic And Weather』を聴いて自分内で大きく前進。そのアルバムは07年の個人的ベストアルバムにも選ばれた。昔からのファンにはイマイチ受けが悪かったアルバムだったけど、引用した記事に書いたように、昔ながらのパワーポップに加えて「Fire In The Canyon」みたいなカントリー系アメリカン・ロックの王道を行くような曲が収録されていたのが大きい。

そんなことを言うなら、その前作(編集盤は除く)にあたる『Welcome Interstate Managers』には「Valley Winter Song」なんてのが実は入っていて、ああそうか、この人たちって単にパワーポップバンドとして括らない方が自分にとってはしっくりくるぞ、そして、そういう王道アメリカンバンドとして捉えたこのバンドは、自分の中では相当上位に来るぞ、と再認識させられた次第。

昨年の個人的ベストアルバムに選出した『Sky Full Of Holes』に収められた「A Road Song」がそれらと同じ系統の曲であり、僕がその曲をこの新作中一番気に入っているというのは、昨年末に作った「2011年のベストアルバム10枚から1曲ずつ選んだミックスCD(暫定版)」を聴かれたことのあるこの世に10名程度の人ならもうご存知のはず。

FOWの昔からのファンの中には随分熱心な方が多いようで、今回の日本ツアーの各地でのセットリストも、ライヴが終わったその晩のうちにもうネットに上がっていた。本当は事前にセットリストを見て内容を知ってしまうのはあまり好きじゃないんだけど、今回だけは上に書いた3曲、特に新作からの「A Road Song」演ってくれるかなとひそかに期待しながらチェックしていた。

毎晩まったく同じセットリストというわけではないけど、初日の大阪、続く名古屋、そして東京1日目のリストを見ると、オープニングと本編ラストの曲は同じで、アンコールもほぼ同じ曲の組み合わせ。本編も多少の曲の入れ替え・順序換えはあるけど、概ね同じようなセットのようだ。

「Fire In The Canyon」は大阪・名古屋ではアンコールで演ったようで、「Valley Winter Song」は名古屋で出ている。でも一番のお目当ての「A Road Song」はどこでも演ってないよ。今回のツアーのセットには入ってないのかな。まあ、地味な曲だからな。大きくセットリストを変える人たちじゃないんだね。それにしても、『Sky Full Of Holes』ツアーだというのに、なんだかやたらと『Welcome Interstate Managers』からの曲を演ってるな。あのアルバムがいちばん好きなのかな。


なんてことを、主に『Welcome Interstate Managers』を予習しながら(新作は暗記するほど聴き込んでいるので)小雨の中を恵比須リキッドルームに向かう。僕はこの会場は確か今回で4回目だけど、(端の方とはいえ)ステージ前の柵にもたれかかれるぐらい前で観るのは初めて。最近、開場〜開演が30分という小さい小屋でのライヴばかり観てるから、もたれられるとはいえ立ったまま1時間待つのは結構つらいけど。

定刻どおり、というか下手したら数分早かったんじゃないかと思うぐらいきっちりした時間に、黒縁メガネに白いシャツというこれまたきっちりしたいでたちのマイク・ヴァイオラが登場。今回FOWの公演が発表されたときには確か彼のことには触れられていなかったから、前座で彼が出るということは大半の熱心なファンがチケットをすでに押さえてから発表されたはず。この豪華すぎる前座が間違いなく今回のFOW公演のハイライトの一つ。前述のセットリストによると、FOWのアンコールにマイクが出た日もあったようだし。

実は僕はマイク・ヴァイオラのことはFOWよりもさらに遅れて聴き始めたので、一応ソロアルバムはライヴ盤も含めて全部持ってるし、キャンディ・ブッチャーズのベスト盤は去年のクリスマスにサンタさんにもらったから、それなりに曲は知っているものの、ライヴで聴いてその場で曲目がわかるというわけにはいかない。こちらもネットでセットリストを見つけたので、それを参考に覚えていることを書いていこう。

ステージに上がり、ジャズマスターを肩にかけて、挨拶もそこそこに1曲目「Soundtrack Of My Summer」。と思ったら、間奏のところで急に演奏を止め、「やあ、東京に来られてうれしいよ」と挨拶。ははは、こんなの初めてだよ。おかしい人だね。それに、声がジム・ボジアそっくりだ。

4曲目、キーボードに移って弾き始めたキャンディ・ブッチャーズの「Let's Have A Baby」の途中でポール・マカートニーの「Maybe I'm Amazed」を挟む。ジム・ボジアも去年この曲演ってたね。この辺の人たち皆これ好きなんだ。

自分がボツにしようとした曲を7歳の娘さんが「それ捨てない方がいいよ」と救ってくれることがよくあるという話。新作『Electro De Perfecto』(このタイトルも娘さんのアイデアだそうだ)からの「Closed Cutter」もそんな中の一曲だそうで、歌い終えた後「変な曲だったろう」と言ってたけど、いやそれほどでもないよ。

マイクのパートはソロセットだと聞いていたので全く期待していなかったけど、ここでFOWのアダム・シュレシンジャーを呼び、「映画の曲を演るよ」と言って、「That Thing You Do!」を。事前に友達にこのタイトルと映画のことを聞いてもピンときていなかった僕だけど、アダムのベースラインを聴いた時点でこの曲かとわかった。

最後は再度新作からの「Get You Back」で締めた、40分弱ほどのコンパクトなセット。なんて贅沢な前座。今回単独公演はないのかな。彼一人でも小さめの小屋なら数日埋められると思うんだけど。もったいない。


楽器はもうほとんどセットしてあったので、15分ほどの休憩を挟んでFOWのメンバーが登場。僕はアダムのことはティンテッド・ウィンドウズのときに観たことがあったけど、クリス・コリングウッドを見るのは初めて。赤茶色の野球帽をかぶったクリスと、前に観たときと同じじゃないかと思った労務者風のシャツのアダムの中心人物2名が、どう見てもその他二人よりもロックミュージシャンらしくないのがなんだかおかしい。

ギターのジョディ・ポーターは胸をはだけた白いヒラヒラのシャツに薄紫色のぴっちりしたパンツ、カールのかかった髪型といい、絵に描いたようなロックンローラー(笑)。ギターのボディーは透明アクリル製だ!(笑)。ドラムスのブライアン・ヤングはどこかで見たことあるなとライヴ中ずっと思っていたけど、そうだ、彼一時ポウジーズでドラマーやってたんだった。

オープニングは事前に調べていたとおり、連日同様「Little Red Light」、かと思いきや、「Bought For A Song」だった。あれ?ここから変えてくるの?もしかして今日は結構違ったセットリストになるのかも。

曲間でクリスが簡単な挨拶を入れる以外はほとんどMCなしでどんどん曲が進む。いやそれにしても音いいね。僕はスピーカーからほど近い場所にいたんだけど、全然うるさくないし。5曲ほど旧作からの曲を続けて演った後、アダムが「僕らはニューアルバムを出したんだ。いや、新しいというほど新しくもないんだけど。そのアルバムからの曲をいくつか演るよ」と言って、「The Summer Place」を。だいたいこのあたりでこの曲を演奏するのも連日同様。

「Richie and Ruben」の前にも曲の内容を解説するアダム。どうやら古い曲はお馴染みだからダーッと続けて演って、新しいのはどういう曲なのかをちゃんと説明しているね。そして、こういう説明は全部アダムからだというところから推察すると、やっぱりこのバンドのメイン・ソングライターは彼なんだろうか。

クリスがそれまで弾いていた黄色いグレッチのセミアコからギブソンのアコギに持ち替えて、アダムが「僕らは色々なことに文句をつける曲を書いているけど、これは気候に文句つけてる曲」と言って演奏を始めたのが「Valley Winter Song」。やった。嬉しいけど、これが出たということは、ほぼ似通った曲調の「A Road Song」はもう演らないんだろうなと、ちょっと残念な気持ちにも。というか、「ニューアルバムからいくつか」というのはたった2曲のことなのかよ。

と思っていたら、またアダムによる解説。「70年代のバンドはよくロードに出ることについての曲を書いていた。僕らもこれでもう一週間ほど日本にいるから、僕らが書いたロード・ソングを演ろう」。え、なんだって?と思う間もなく、一番聴きたかった「A Road Song」が始まる。偶然ではあるけれど、この日に来ることにして本当によかった。観客からのリアクションはいまいち薄かったけれど、そんなの全然関係ない。本当にいい曲。そこはかとなく哀愁漂う歌詞も大好き。

僕にとってのハイライトというだけでなく、コンサート自体もそこで一区切り。アダムが観客を3人ステージに上げ、シャカシャカ鳴る楽器を手渡して、自分はキーボードへ。「Hey Julie」はセットリストによると毎晩これぐらいの位置で演っていたようだけど、毎晩こうしてお客さんを上げてたのかな。

そしてここからは怒涛のクロージングになだれ込む。新作で僕が2番目に好きな「Dip In The Ocean」、かつてグレン・ティルブルックもライヴでカバーしたことがあるという「Red Dragon Tattoo」、メンバーお気に入り(のはず)『Welcome Interstate Managers』のオープニング曲「Mexican Wine」、そしてデビューアルバムのオープニング曲「Radiation Vibe」。もうこの辺は当然解説不要。


アンコールの拍手がいまいち弱かったけど、すぐに再登場。アダムがキーボードの方に行ったなと思っていたら、クリスが「僕らの友達を呼ぼう。マイク・ヴァイオラ!」。ベースレスで、ジョディがエレキ、クリス&マイクがアコギという布陣。クリスが「ホンキートンクなのを演ろう」と言って始めたのが、これまた待望の「Fire In The Canyon」。やった、聴きたかったの全部出たよ。しかも、2番の歌詞をマイクが歌うというスペシャルなおまけ付き。

それまでの3公演では4曲ずつしか演ってなかったアンコール、この日だけは「Survival Car」を追加した全5曲。一番盛り上がる最後の3曲のところはほぼ曲間なしでやりたかったと思うけど、「Survival Car」の後でジョディのエフェクターの調子が悪くなったようで、ちょっと間が開いてしまった。それでも、ラスト2曲「Stacy's Mom」〜「Sink To The Bottom」は大盛り上がり。


僕にとってはこれ以上ないというぐらい完璧なセットリスト。欲を言えば新作からの「Someone's Gonna Break Your Heart」とかも聴きたかったけど(どちらかと言えばこの新作中一番キャッチーな曲を一度も演奏していないことの方が驚き)、もうこれ以上は望みようもないね。密度の濃いライヴだと感じていたけど、MCが少なくてどんどん立て続けに演奏していたせいか、終了時刻は9時を少し回ったぐらい。え、そんなに短かったの?という実感。おかげで、久々に主要メンバーがほぼ全員揃ったいつもの面子(+新加入数名)で、終電までゆっくり飲めたよ。ああ楽しかった。


Setlist 31 March 2012 @ Liquid Room Tokyo

Mike Viola

1. Soundtrack Of My Summer
2. Break Your Heart
3. Till You Die
4. Let's Have A Baby / Maybe I'm Amazed
5. Maybe, Maybe Not
6. Truckstop Sweetheart
7. Closet Cutter
8. That Thing You Do! (with Adam Schlesinger)
9. Get You Back


Fountains Of Wayne

1. Bought For A Song
2. Bright Future In Sales
3. Barbara H.
4. Someone To Love
5. Denise
6. The Summer Place
7. Richie And Ruben
8. Valley Winter Song
9. A Road Song
10. Hey Julie
11. A Dip In The Ocean
12. Red Dragon Tattoo
13. Mexican Wine
14. Radiation Vibe

Encore
1. Fire In The Canyon (with Mike Viola)
2. Cemetery Guns
3. Survival Car
4. Stacy's Mom
5. Sink To The Bottom
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2012年03月26日

Radical Face & Miaou live in Tokyo

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今回のラディカル・フェイスのツアー、僕は東京初日にあたる3月23日(金)の池袋の分しか予約していなくて、最終日の土曜日はぎりぎり直前になるまで行けるかどうか不確かだった。今、日曜日の夜に少し濃い目のハイボールで喉を湿しながら、この週末の記憶を洗いざらいぶちまけるべく準備しているところなんだけど、まず思うのは、最終日も行くことにして本当によかったということ。あやうくとんでもないものを見逃してしまうところだった。

最終日は、というか23日の池袋を除く今回のツアーは、ラディカル・フェイスとミャオウ(miaou)とのジョイントで、前座としてわざわざ大阪からウォーター・ファイ(water fai)という女子バンドが参加。場所は、僕にとってはタマス・ウェルズを最初に観た、懐かしの渋谷O-nest。いつもどおりまず6階に上がり、開場時間まで待機。さすがに3バンド共演だけあって、物販の量が前日とは桁違い。終演後の混雑を予想して、まずラディカル・フェイスの2枚のLPを購入。

時間通りに5階の会場に降り、500円の薄いハイボールで喉を湿しながら開演を待つ。開演時間を10分ほど押して出てきたのは、お揃いの白い衣装を着た5人組。前座のことまであれこれ書いてるときりがないけど、見た目からはちょっと想像つかないような硬派な音。ほとんどインストで、時折変拍子を交えたり、フリーキーなギターソロ(?)が入ったり、なかなか面白い。新作を一週間前に出したばかりで、4月28日にはまたこの同じ会場でレコ発ライヴを演りに来るということだったんだけど、残念ながらさっき調べたら僕その日はもう別件が入ってしまってるよ。次回に期待、ということで。


30分以上のたっぷりとした前座を堪能した後、セットチェンジ。ステージ最前列に左から小さいキーボード、小さい鉄琴、大きい鉄琴、大きいキーボードと、まるでバリケードでも築くように機材を並べるという変わった編成なので、セットチェンジにも結構時間がかかる。ドラムキットや鉄琴のあちこちにチェブラーシカのぬいぐるみが置いてあるぞ。

予習のために、ラディカル・フェイスがミャオウと一緒に録音した「Lost Souls」のビデオはユーチューブで何度も観たけど、このバンド自体にはそれほど興味を持っていなかった。わざわざ事前にCDを買うほどでもないと思っていたし、失礼な言い方をすると、僕にとってはラディカル・フェイスのライヴの2組目の前座みたいなものだと思っていた。

なんていう気持ちも、4人のメンバーが登場して、プログラミングされた不思議なサウンドに鉄琴のキンコンという気持ちいい音がかぶさるオープニングの曲が鳴り響いた瞬間に吹っ飛んでしまった。すごいよ、このバンド。とにかく曲がいいし、音のセンスも特筆もの。ベースの女の子が咄嗟にマレットを持ってキンコンと叩き、ベースの入るパートでそれを床に落としてブンブンとうなるベースに戻るとか、曲の頭でドラマーがステージ前方の鉄琴を叩き、急いでドラムキットに戻るとか、とにかく皆さん忙しそう(笑)。いや、かっこいいよ、マジで。最初見たときはリッケンバッカーのパチもんかと思ったあのベース、ギブソンのリッパーっていうんだね。いい音。覚えとこう。

別に日本のバンドを見下すつもりはないけれど、この音は立派にインターナショナルで通用するよ。前座だなんて思ってごめん。帰りにCD買って帰ろう(ライヴに来て初めて音を聴いて気に入ったからその場でCDを買うなんて、実は僕にとっては結構珍しい話。こう見えて見境なく買ってるわけではないのです)。

ミャオウのパートの最後、さあいよいよ噂に聞いていたラディカル・フェイスとの共演。この瞬間がこの夜の、というよりも今回のツアーのハイライトになるであろうというのは、ツアー中のリリコのブログや一本道さんのツイートで散々喧伝されてきたからね。心して観よう。

結論:涙こそ出なかったものの、こんなに美しい空間が他にあるかと思われるような、至福の10分間だった(本当は何分演ったのか知らないけど)。あのゆったりとした静かなイントロに導かれ、ベンがいつものようにそっと目を閉じてファルセットでハミングを始めた瞬間、二夜連続になってしまったけれど、この日も観に来ることにして本当によかったと思った。これを聴き逃すなんてありえない(とか書いて、昨日の記事に「行きたかった」と早速コメントを入れてくださったxiaoさんの神経を逆撫ですることが本意ではないんだけど)。


この夜のクライマックスは早々に訪れてしまったけれど、もちろんまだ終わりじゃない。ステージから沢山の鉄琴が撤去され、前日のピアノに変わってノードのキーボードがステージ前方に一つと、最初のウォーター・ファイのときからずっとそこにあるドラムキット(タムが一つ取り外されたのはこの時だっけ、それともミャオウの前?)、ずっとシンプルなセッティングになった。あのnestのステージが広く見えるよ。

ラディカル・フェイスの3人がステージに登場したのはもう9時をずいぶん回った頃だったかな。6時半開場なんて、今日はもしかしたら終わったら飲みに行けるぐらい早く終わるかもと思っていたけど、これは長丁場になるぞ。もちろん、前日ほどのフルセットでは演らないだろうことはわかっているけれど。

ベンの前にはヴォーカル・マイクが2本。こちらから見て左側のが通常のヴォーカル用で、右側がコーラスのパートを歌うとき用みたい。前日はTシャツ1枚だったけど、今日はその上にもう1枚チェックのシャツを着てきたね。前の日の方が寒かったのに。

ジャックがドラムス、ジェレマイアがキーボードに着く。ベンが「最初の曲は『A Pound Of Flesh』」と紹介してスタート。実際には、アルバムでその曲につながっている「Names」から始めたから、ここでいきなり『The Roots』オープニングの2曲を演奏。これを聴きながら思ったんだけど、昨日のブログに「Names」を演奏したと書いたのは間違い。演ってないよ、これ。というわけで、あとで消しておきます。

前日よりも若干尺の短かった(かつ、未発表曲とか演らなかった)この日は、ちゃんとセットリストを覚えたはず。2曲目(さっきのを1曲と計算すると)は、前日のバンドセットでのオープニングと同様「Wrapped In Piano Strings」。曲前の説明は前日よりも短めかな。今日は持ち時間が短いから急ぎ気味なのかも(そういえば、メモ用紙を見ながら「えーと、どの曲にしようかな」という時間もずっと短縮されていた気がする)。

前日の“クワイエット・ナイト”はよほど遠慮しながら演奏していたんだろうというのが容易に想像できるほど、この夜の演奏、特にベンのそれは実に活き活きとしていた。あんな陰鬱な曲を書いていながら、ディストーションを効かせて大音量でギターをかき鳴らすのが好きなんだね。

といっても、別にこの日の演奏が雑だったわけじゃない。繊細なアルペジオは冴えわたっていたし、前日ほど頻繁に楽器変更をしなかったせいか、ジャックとジェレマイアの演奏も実に安定していた。そういう意味では、演奏的にも、コンパクトでタイトなセットリストにしても、僕は前日よりもこの日が遥かによかったと思う。もちろん、前日の素晴らしい演奏を貶める気は一切ないけれど、やはりこの長い日本ツアーの最終日ということで3人とも気合が入っていたのかな。

「Winter Is Coming」を演奏する前に、前日にも言っていた「ジャックがこの曲を台無しにしてしまうかも」というのを今日も言ってから演奏したけど、前日にも増して完璧な演奏。少なくとも僕はジャックがこの曲を台無しにしたのを一度も聴いていないよ。曲が始まる前にベンが「うまくいったらあれをやろう」と言ってた“ベリーハイファイブ”を見せてもらったし(見ていない人のために解説:スイーツ好きの二人がシャツをたくし上げて、臨月かと思うような二つの大きなお腹をぶつけ合うという光景は、ジャックが演奏を失敗していたら見られなかったはずの貴重な映像)。

僕の大好きな曲の一つである「Severus And Stone」とか「Always Gold」(もちろんこちらも大好きな曲の一つ)で、ジェレマイアがストラトキャスターのアームを使って幽霊の音を出す。「Always Gold」の間奏のときはジャックもドラムを使ってお化けの音で応答。アルバムのヴァージョンとは全然違うけど、いいね、あれ。

先ほどの「Lost Souls」のお返しのつもりか、本編最後の「Welcome Home」でミャオウのメンバーをステージに呼んでコーラスを任せる(インパートメントのsinさんも呼ばれて引っ張られてたけど、断固として出て行かなかったね・笑)。前日と同様、「曲を知ってたら一緒にコーラスをお願い。知らなくても叫んでいればいいから。もっとアメリカ人みたいに」と言い、曲に入る前に2度ほど観客に練習させる。「声が小さい、もう一度」とか言って。僕はもう二日目だから慣れたけど、これがあの死人の歌ばかり歌ってるラディカル・フェイスのコンサートだとは(笑)

アンコールの「Glory」は素敵だった。前日のこの曲の演奏もよかったけど、これが本当に今回の日本での演奏の最後だとわかっていたからか、実に素晴らしい演奏と歌を聴かせてくれた。そして、アンコールのラストは前日同様、ロビンフッドの曲のメドレーだったんだけど、

ロビンフッドの曲だと、そこまで説明したところでベンがステージ際にいる僕の方に向かって、「ごめん、『Mountains』は練習したんだけど、うまくいかなかったんだ」と、わざわざ断ってくれたんだ。びっくりした。そんな前日のリクエストを覚えていてくれたばかりか、一応は練習していてくれただなんて。そして、そんなことをわざわざ観客席にいる僕に言ってくれるなんて。

ロビンフッドの曲では、前日同様メンバーの2人がマラカスとタンバリンを持ってステージを歩き回る。ジャックに至っては曲が始まる前からステージを降りて観客席でスタンバイ。最前列にいた僕からはよく見えなかったけど、曲の間中、観客席を動き回っていたみたい(ジェレマイアも追って観客席に乱入)。

そういえば、どこで出たジョークだか忘れたけど、前日にジェレマイアの口髭をフレディ・マーキュリー風に整えてあげたらしく、しきりにそのことを言いながら「I Want To Break Free」を歌ったりしてたね。アンコールのときに観客席から「Never Ending Story!」って声が上がったらその曲を歌ったり。この人って、普段もっと暗い曲ばかり聴いてるのかと思いきや、こんなヒット曲ばかりよく知ってるよね。


ライヴ終了が確か10時40分ぐらいだったかな。ウォーター・ファイが始まったのが7時10分過ぎだったから、そこから数えても3時間半。入場した時点からだと実際には4時間ぐらい立ちっぱなしだった。どうりで腰も痛くなるわけだ。ここから、再度6階に戻って物販&サイン会&雑談会タイムの開始。

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まずは、2枚のLPにサインをもらう。『The Family Tree: The Roots』を、僕の去年のベストアルバムだと言ったら、「これを年間ベストアルバムに選んでくれてありがとう」とメッセージを書いてくれた。ちなみに、『Ghost』のジャケットの人物はベン本人だそうで、更に言うと、彼が屋根に座っている建物は、このアルバムが録音された場所だとのこと。

概ねファンに囲まれてサインや写真をせがまれていたベンだけど、暇になる瞬間が時折訪れるようで、そのあたりをうろうろしていた僕と何度も話してくれた。以下、ラディカル・フェイスよもやま話。

『The Roots』に続く『The Family Tree』第二作のレコーディングにはすでに取りかかっていて、おそらく来年のリリースになるとのこと。さらに第三作目はその翌年の2014年になる予定なので、そもそもこのプロジェクトを考え始めた2007年から数えると、7年越しのプロジェクトになるそうだ(もともとは3年ぐらいで終わらせるつもりだったとのこと)。

『The Roots』のリリース直前に『The Bastards: Volume One』がリリースされたように、今後リリースされる2枚のアルバムの前にはそれぞれ未発表曲(というか、その2枚のアルバムからは惜しくも漏れてしまった曲たち)を収録したEPが発表されるそうだ。そして、この壮大なプロジェクトが完成した暁には、3枚のアルバムと3枚のEPをすべて収録した限定生産の本をリリースすることも考えているらしい。

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前日の池袋ミュージック・オルグでの2曲目、“まだ録音していない新曲”というのは、次作『The Branches』に収録される予定の「Mute」というタイトルだそうだ。もっとも、「僕はとても沢山の曲を書いては録音して、最終的にアルバムに収録されるのはその内のほんの一部だから、最後までわからないけどね」とのこと。

ちなみに、前日アンコールの1曲目で演奏されたのは、もともと『The Roots』のシークレットトラックとして彼のウェブサイトに隠されたヒントを頼りにダウンロードできた(今回会場限定で発売されたCD-Rにも収録されているから、そんな面倒な手段は取らなくて済んだ・笑)曲、「Bishop's Song」。

この日の午前中に渋谷の某巨大中古レコード店でLPを漁っていた彼(「12枚買って7000円!」と自慢する姿が他人とは思えなかった・笑)に、「何を買ったの?」と聞いてみたら、デイヴィッド・ボウイの『Space Oddity』とか、キュアの『Boys Don't Cry』とか、サイモン&ガーファンクルの『Bridge Over Troubled Water』とか、ラディカル・フェイスがそんなの聴くのかというようなものばかり(いや、別にいいんだけど、もっとマイナーなのを想像していたものだから)。しかも、そのほとんどは、エレクトリック・プレジデントの相棒であるアレックスへのお土産だそうだ。帯付きの日本盤が珍しいからだって。

そうそう、ベン・クーパーの実物を最初に見たときから、身長といい髪型といい(ここ数週間僕も伸ばしている)髭といい、きっと傍から見たら僕らそっくりに違いないぞと思っていたんだけど、一緒に写真を撮ってもらったらこのとおり。

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ミャオウのCDもゲット。メンバー4人(サイドギタリストはサポートだそうで、正式メンバーはMCもしていた方のギタリストと、ベースとドラムスの二人の女性の計3人)のサインと、ゲスト参加しているベン・クーパーのサインももらう。この5人が一同に会することなんてこの先あるかどうかわからないからね、貴重なものを手に入れたよ。ライヴがあれだけよかったから、このCDもちゃんと聴き込もう。

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ジェレマイアとジャックにも、チケットの半券にサインをもらう。ラディカル・フェイスはライヴのたびにメンバーを変えるという話を聞いていたから、ジェレマイアとベンに次にもし来日することがあったら別のメンバーなのかな?と聞いてみたら(そんなこと本人の前で訊くなよと今さらながら自分でも思うけど)、ジャクソンヴィルのミュージックシーンはとても小さなもので、その時々で集まれるメンバーが集まるから、次回も彼らかもしれないし、そうでないかもしれない、とのこと。たとえ次回の来日メンバーが彼らでなくても、それは別に彼らがクビになったとかそういう話ではないんだって。なんかちょっと安心。

ジャックにサインをもらいに行ったら、彼も「『Mountains』できなくて悪かったね」と。彼とは前日話してないのに、なんでそんなの知ってるんだろう。ほんとに3人で練習してくれたんだね、とまたちょっと感動。「あの曲はコーラスが必要だから」と言うから、「僕できるよ」と答えると、「じゃあ次回はスレイベル持ってくるよ」とジャック。彼はずっと冗談ばかり言ってたね。面白いやつ。

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ベンとレコード談義していたときに、いいレコ屋を知らないか?という話になって、翌日安レコの買える店に一緒に行くことになった。というわけで、今日(長々と書き続けていたせいでもう昨日になってしまったけど)は楽しい一日を過ごさせてもらった。オフ日のことまで事細かに書くのは気が引けるから詳細は割愛するけど。

別れるときに、「来年にでもまた来てよ。楽しみにしてるから」と言ったら、「うん、新作と一緒にね」と言ってくれたベン。ほんとに楽しみにしてるからね。僕の2013年と2014年の年間ベスト・アルバムの座は空けて待ってるから。

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Setlist 24 March 2012 @ Shibuya O-nest

1. Names
2. A Pound Of Flesh
3. Wrapped In Piano Strings
4. Black Eyes
5. The Moon Is Down
6. Doorways
7. Ghost Town
8. Severus And Stone
9. Winter Is Coming
10. Always Gold
11. Welcome Home

[Encore]
1. Glory
2. Love Goes On / Oo-De-Lally (?)
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2012年03月24日

Radical Face live in Tokyo

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いろんな意味で予想を裏切られたライヴだった。というか、そもそも僕はこのラディカル・フェイスことベン・クーパーという人には予想を裏切られ続けてきている気がする。

僕が彼のファースト・アルバム『Ghost』を買ったのは、08年のことだった。ジャケットとインナーに写る人物の顔の部分はどちらも加工されていて表情すらわからなかったから、よもやあの悲しげな歌声の持ち主があんなにずんぐりとした熊のような体型、ほぼ坊主頭に髭だらけの丸顔だなんて予想もしなかった。そう考えると、あのジャケに写った人物は(少なくとも今の体型の)ベンではないよね。

そして今日、霧雨の中を池袋まで出かけて観てきた動くベン・クーパー(とその仲間たち)が、あの沈鬱な曲を奏でている人たちと同一人物だとは、自分の目の前で本人たちが演奏するのを観ていても、どうにも受け入れがたい気持ちだった。

まるで、肉体を持った幽霊たちが、互いにジョークを飛ばしながら楽しげにじゃれあっているのを見るような、そんなシュールな場面を目撃したかのよう。


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池袋駅からうまく地下道を通れば、ほぼ雨に濡れずにたどり着くことのできる好立地なヴェニュー、ミュージック・オルグ。地下2階にある、かなり小さなハコだ。聞いたところによると、60人だか80人も入れば満員になるらしい。そして今日は、上の小さな写真を見ればわかるように、前売りの段階で既に60人だか80人のお客さんがここに詰めかけることになっているようだ。

開場に入ると、左の壁際にベンチシートと寄せ集めた椅子が一列に。右側には楽器が並んでるけど、ヴォーカルマイクと左側のベンチとの間はたぶん2メートルもない。どこかで見たな、こんな光景。あ、そうか、レジャー・ソサエティを観たロンドンの船だ。あのときは入場したらもうベンチは一杯だったのでほとんどマイクスタンドの隣みたいな場所に立って観たんだったけど、今回は開場一番乗り。まだ開演まで30分もあるから、ゆっくり座って待たせてもらおう。たとえ前に人が入ってきても、せいぜい自分の目の前には2-3人しか立つスペースがないからそんなに見づらいことにもならないだろう。

開演時刻の8時を少し過ぎたあたりで、サポートメンバーのジャックが登場し、置いてあったテレキャスターを抱えて歌い始めた。ベン同様、顔中を覆うような髭が生えているのは来日直後の写真で見ていたけど、なんだか口髭の先がよじったように上を向いてるぞ。ダリかお前は。

30分ほどのジャックの弾き語り(全然期待していなかったわりには結構よかった)の後、そのまま客席(というか、会場中を埋めた60人だか80人の観客)をかき分けて、ベンともう一人のサポーターのジェレマイアが登場。ジャックとジェレマイアはその辺で待機し、まずはベンがテレキャスター(熊のイラストつき)で演奏を始める。

オープニングは『Ghost』から「Along The Road」。アルバムとはずいぶん感じが違うね。ピアノでなくギターだからか。2曲目、「これはまだ録音していない新曲」というのが始まった。そういえばこの人って完璧主義者でボツ曲がやたら多いという話だよな。この時点でセットリストを記憶する努力を放棄。たしかその次が、「シニード・オコーナーのカバー。ほんとはプリンスの曲だけど有名にしたのはシニード。知ってたら一緒に歌ってもいいよ。ただし、オリジナルよりずっとスローで、ずっと憂鬱なバージョンだから」と冗談交じりに紹介した「Nothing Compares 2 U」。

ここでサポートの2名が配置につく。たしか最初はジャックがドラムスで、ジェレマイアがピアノだったかな。この後もこの二人は曲ごとにどんどん楽器を交換しながら演奏する。器用だね。ジャックがドラムス、ピアノ、パーカッション(タンバリンとかマラカスとか)。ジェレマイアがピアノを弾きながらピアニカを吹いたり、ステージ右側に置いてあったストラトを弾いたり(確か1曲ドラムも叩いたっけ?)。

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3人編成になってからは、ほとんどが『Ghost』と『Family Tree: The Roots』からの曲だった。最初が「Wrapped In Piano Strings」だったかな。でも後は曲順覚えてないや。演奏したことを覚えている曲を順不同で書き記すと、

ファーストから、「Welcome Home」、「Glory」、「Wrapped In Piano Strings」、「Along The Road」、「Winter Is Coming」、「Homesick」。

セカンドから、「Names」、「Black Eyes」、「Severus And Stone」、「The Moon Is Down」、「Ghost Town」、「Always Gold」。

セットリストを決めていないようで、ベンは前の曲が終わるたびにポケットから小さなメモ用紙を取り出し、おそらくそこに書いてある演奏候補曲のリストを一回一回結構長い時間をかけて検討し、ときにはメンバーに「次はXXX」と指示し、ときには何も教えずにいきなり演奏を始めたりする。

メンバーの2人もそれを楽しんでいるようで、ベンが演奏しようとしている曲を想像してそれぞれの楽器について演奏を始める。一度、ジェレマイアが「てっきりあの曲かと思ったからギターを持ったのに、そっちの曲だったか。じゃあドラムだ」とか言ってたのを覚えてる(だから彼がドラムスも担当したと思ったんだけど、でも彼がドラムを叩いてるところを見た記憶がないな。というか、僕の位置からはベン以外はほとんど見えなかったんだけどね)。

そう、最初に書いたとおり、彼らが曲間であんなに冗談を飛ばしながら笑い転げる姿を見て、僕はなんだかとてつもない違和感を抱いてしまった。決して悪い意味でなく、ああそうか、この人たちはこういう普通の陽気なアメリカンなんだなと。

それが、ひとたび曲に入ると、あたり一面ラディカル・フェイス色に染まってしまう。おぼえたての日本語で「イチ、ニ、サン、イチ、ニ、サン」とお得意の三拍子のカウントで始めるんだけど、最初のギターの一音、そこにピアノがかぶさり、ブラシで叩くドラムのフィルインが入り、ベンが目を閉じて歌うと、もうそこは違う世界。

そう、ベンは終始目を閉じて歌っていた。まるで、自分が書いた曲の中の死者たちと交信するためにはそうするしかないとでもいうように。

そういえば、どの曲の紹介だったか、「次の曲では誰も死なない」と冗談めかして言ってたね。どの曲もしっかりと内容を説明してから演奏を始めていたのも印象的。たとえ目の前の60人だか80人の日本人のほとんどが歌詞の意味をろくに理解していないかもしれなかったとしても。「次の曲は『Homesick』っていって、えーと、ホームシックになることについての曲」とか適当なのもあったけど(笑)

「次の曲は『Always Gold』」って言ったときに僕が小さな声で「やった」みたいなことを言ったら、ベンが目ざとくこっちを指さして「彼は知ってるね」とか言ってくれた。それほど、それまでどれだけ曲紹介してもほとんど反応がなかったのを気にしていたのかな。もっとイエーとかヒューとか言ってあげればよかったかな。

この日は“クワイエット・ナイト”だったそうで、できるだけギターにディストーションもかけずに静かに演奏していたようだ(それでも、時おり盛り上がることはあったけど)。それが、終盤の「Winter Is Coming」で「ちょっとだけでかい音でやろう。sin、今日は怒られないよね?」とベン(数日前にカフェで大音量で演奏して怒られたらしい)。「この曲は後半にいくにしたがってスピードが速くなるんだ。それを(ドラムスの)ジャックがいつもダメにするんだよ」なんて言いながら演奏開始。いやいや、全然ダメになんてなってなかったよ。かっこよかった。

「Welcome Home」が本編最終曲。「次の曲をもし知っていたらコーラスのところを皆で歌って。アルバムでは沢山の声が入ってるからそういう風にしたいんだ。曲を知らなくても歌詞なんてない部分だから、隣の人が歌うのを聞いて同じように叫べばいいんだよ」と言ってスタート。結果は、60人だか80人の大合唱。ああ気持ちよかった。

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ベンがギターのストラップを外し、ステージを降りようとする間にもアンコールの拍手がすでに始まっている。そのまま再度3人で楽器を持ってアンコールへ。いちばん最後の曲はディズニーのロビンフッドからの曲のメドレー(って言ってたよね?僕は知らない曲だった)。ジャックとジェレマイアがマラカスとタンバリンを持ってベンの周りを踊りまわるという、よもやこれがラディカル・フェイスのライヴだとは思えないような陽気なエンディング。


終演後は、会場奥の物販とベンの前に長蛇の列。なにしろ今回は日本ツアー限定の7曲入りCD-R『Japan 2012』をはじめ、結構貴重なブツが売り出されてたからね。僕はとりあえずそのCD-Rを買い、ベンにサインをもらう。LPも欲しかったんだけど、わざわざ雨の日に持って帰ることはないかとひとまず放流(僕のことを少しでも知っている人は、このあと放流した物を二度手間かけて買いに行くというのを既に予測しているはず)。

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Radical Face 『Japan 2012』

サインをもらいながら少しだけベンと話す。「明日はもっと騒々しくなるよ」とのこと。「『Mountains』演ってくれなかったね、あの曲好きなのに」と言うと、「あれは3人で演奏するのに向いてないんだ。もっと大人数で演るか、もしくは一人のときかな」と言うから、「じゃあ明日オープニングのソロのところで演ってよ」とリクエスト。「うーん、まず練習してみるね」と言ってくれたけど、果たしてどうなることやら。

ということで、“明日”である今日(もう日付が変わった)、今から約16時間後には僕はまた一番乗りを目指して渋谷O-nestに向かっているはず。ベンは「Mountains」を歌ってくれるだろうか。僕が放流したLP(とその他のシングルやらTシャツやら)はちゃんと売れ残っているだろうか。

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posted by yas at 02:22| Comment(8) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月11日

500円CDと体脂肪

なんだかバタバタと慌ただしく過ごしているうちに、このブログももう3週間ほったらかしになってしまっているな。ほんとは先週フー・ファイターズのライヴに行ってそのレポートを書く予定にしてたんだけど、先月のメタル・ボックス・イン・ダブに引き続いてまたしても公演キャンセル。ほんとに最近そういうのが多いよ。僕は行く予定にはしてなかったけど、ルー・ルイスも入国できなかったらしいし(西新宿の某レコ屋兼呼び屋さんは一度お祓いに行くといいと思う)。

相変わらずCDは沢山買っているし、その中にもこれはと思うものがいくつもあるので、そういうアルバムについて書けばいいんだろうけど、なんだか公私ともに余裕のない忙しい日々を送っていて、どうもそういう気分にもならない。このままじゃ休眠ブログ化してしまうから、今日はちょっと気楽にどうでもいいことを書こう。

先月中旬の日曜日、ふと思い立って、うちから歩いて30分ほどの、いつもは行かないちょっと大型店のブックオフまで歩いて行った。暇だったものでね(すぐ上に「公私ともに余裕のない忙しい日々を送っていて」と書いていたのは誰?)。

その店に行くのはもう1年振りぐらいだったかな。前に行ったときに目ぼしいものは洗いざらい収穫したけど、さすがに1年も熟成させておくと500円以下コーナーもかなり入れ替わっているよ。500円コーナーから4枚拾い上げてレジに行こうと思ったら、ふと通りがかった100円のCDシングルコーナーになんとカーボン/シリコンのシングルが3枚も並んでる。あ、アラームのシングルなんてのもある。

The News.jpg The Magic Suitcase.jpg
Why Do Men Fight.jpg Superchannel.jpg

ちょっと大漁気味なので、当日限り有効の10%オフクーポン発動させて、計8枚で2180円。その後、当日限りのクーポンを有効活用するために、いつも行きつけの駅前ブックオフまで歩いて戻り、そこでも500円盤を2枚、計900円。オータム・ディフェンスのファーストなんてのがあったよ。

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最初の店からの帰り道、上り坂ですれ違った人が写真を撮ってるからなんだろうと思って振り返ってみると、遠くの富士山に沈む夕陽。ちょっと感動的な風景だったね。まさにこのジャケみたいな感じ。


それをきっかけに、週末ごとにうちから徒歩1時間圏内にある区内のブックオフの500円以下コーナーを制覇してみようということを思いついた。調べてみたら、うちの区内にはブックオフが11店もある。中にはとても1時間じゃ歩いて行けないようなところにもあるけど、とりあえず数週間分は大丈夫そう。で、先週の土日にそれぞれ別の店舗まで歩いて行った。たまたま最近会社から支給された万歩計をつけて歩いたら、土日それぞれ1万3千歩ぐらいの距離だった。

土曜日の収穫はちょっとイマイチかな。この店は確か半年ぐらい前に来たからまだ安物コーナーが完全に入れ替わってないね。一昨年あたりに世界各地のCD屋でやたらと見かけたブルーノ・マーズ(昔僕がこのブログに書いたNZのSSWと名前が紛らわしいけど音楽性は全然違う)500円也と、今になってマイブームのホワイト・ストライプス250円也。

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日曜日は初めて訪れた店。住宅地に突如としてそびえ立つ煙突とかに気を取られて適度に道に迷いながらたどり着いた。小さな店だったけど結構充実。来日が流れたフー・ファイターズの初期EPと、来日に備えて予習中のロン・セクスミスの旧譜がそれぞれ250円。スフィアン・スティーヴンスのロボットジャケが500円など、また10%オフクーポン使用で計4枚2025円。

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The Age Of Adz.jpg


そして今週。昨日の土曜日はちょっと用事があって歩けなかったので、今日はちょっと多めに歩こう。もう1年ぐらい行ってないまた別の店まで歩いて40分程度。書き忘れたけど、先週から歩くときには片足1キロのウェイトを着けてるので、ちょっとした運動になるよ。

店に入っていきなり目についたのが、ちょうど買おうと思ってたスピッツの『おるたな』。500円コーナーじゃないけど、まあいいや、買おう。あとは、500円コーナーからオレンジ・ピールズの旧譜と、来日公演行こうかどうか迷い中のウィリー・ワイズリーの旧譜。それから、ビースティ・ボーイズの昔のベスト盤2枚組が250円。おるたなのせいで合計価格は跳ね上がったけど、中々の収穫。

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実はCDと一緒に、先月1〜5巻が安かったのでつい手を出してしまった某長編漫画の続きを各ブックオフの105円コーナーでコツコツと買い足してて、先週22巻まで入手済みだったのが、今日の店では24〜28巻しか置いてなかった。とりあえずそれを確保したうえで、そこから先週土曜に行った店に移動。23巻なしでこの5冊を来週までお預け状態になるのはちょっと耐えられない。

残念ながら次の店にも23巻は置いてない。しょうがないのでとぼとぼと家まで歩いて帰る。区内3か所を巡る冬の大三角形みたいな移動。

てくてく歩いたこの道は、ちょうど今日から1年前の同じ日に凍えながら歩いたのと同じ道。2時46分には立ち止まって黙祷しようと思ってたのに、ついうっかり忘れてしまって、家に辿り着いてからあらためて黙祷。

近所の商店街で早めの夕食を済ませ、家に帰る途中でいつもの駅前ブックオフに立ち寄ってみたら、105円コーナーには某漫画の23巻が。なんか今日はついてるな。冬の大三角形のおかげで今日は歩数も1万6千歩を超えたし、これで年明けのアメリカ出張で毎晩ハンバーガー食べ続けて増えた体脂肪も少しは減ったはず。
posted by yas at 23:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月19日

The Pains Of Being Pure At Heart live in Tokyo

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純真無垢でいることの痛み、なんて青臭すぎるアーティスト名と、あからさまにジャケ買い心を誘うオシャレな白黒ジャケを見て、へそ曲がりな3年前の僕は逆に手を出さずにおこうとしていた。

それが、あまりにも話題になっていたので、中古で安くなっていたのを買って聴いてみたらなかなかいいなと思ったものの、最近移動中にウォークマンで曲名も見ずに聴くことが多いせいか、アルバム全編似たような曲調ばかりでろくに曲の区別もついていなかった。彼らの曲ってサビのところで曲名がリフレインされないのが多いから、余計にわからないんだよね。

活動初期の入手困難な音源が収録された2枚組編集盤も、なんだかそれまでとは打って変わってちょっと不気味な感じのジャケになってしまったセカンド『Belong』も欠かさず聴いてきたけれど、曲名すら全然覚えられない状態がずっと続いていた。

去年の結構早い時期に発売された今回の来日公演のチケットも、年明けからこんなに沢山のライヴに行くことになるのがもし当時わかっていたら多分僕は買わなかったかもしれない。それぐらい、僕にとってはどうしても観てみたかったというアーティストではなかった。

と、まずはネガティブなコメントを洗いざらい。最近ちょっとライヴ三昧になってしまっているので、どうしても気持ちがちょっと贅沢になってしまっていたというか、慣れからあのライヴ前のわくわくした気持ちが欠けてしまっていたのは事実。

なんて反省の言葉が出てくるほど、思いがけずいいライヴだった。4曲のアンコールまで含めてわずか1時間という潔いライヴに負けないように、簡潔明瞭に書いてみよう(まあ、大方無理だとは思うけどね)。

さすがの人気バンドの再来日公演ということもあって、開場のクラブ・クアトロは(この前のベイルートほどではないものの)開演30分前にはすでに満杯。

前座はウィークエンドというどこかで聞いたことのある名前のスリーピース・バンド。申し訳ないけど僕は3曲ほど聴いたところで飽きてしまった。本編のペインズ・オヴ・ビーイング・ピュア・アット・ハート(長いので以下TPOBPAHと略。略してもまだ長い)の曲がいかに魅力的で、この手の有象無象のシューゲイザー軍団から頭一つ飛びぬけているかということを逆説的に理解させてくれる、そういう意味では最適な前座だった。皮肉な言い方で悪いけど。

凄くタイトなドラムスの音だけは僕は気に入ったんだけど、終演後に一緒に観ていた友達と話していて、あのドラマーきっとフー・ファイターズとか好きなんだろうねと言われ、なるほどと納得。確かにデイヴ・グロールを軽量化したみたいな感じだったね。

前座30分、セットチェンジに30分で、ほぼ定刻通りにTPOBPAHのメンバー5人が登場。ギター&ヴォーカルのキップはセットチェンジのときにずっとドラムキットのところに座っていたので、僕はてっきり彼がドラマーなのかと思っていた(冒頭に書いたとおり僕はそれほど熱心に彼らのことを追っていたわけではないので、アー写を見ても紅一点のペギー以外はどれが誰なのかよくわかっていなかったから)。

セットチェンジの最後に、他のスタッフがチェックした全部の楽器を自分で触ってみて確認していたほどの完璧主義者のキップ、ステージに出てきても「チェック、チェック」とギターやマイクのチェックに余念がない。と思ったら、どうやらベースのアレックスとトランスミッターが入れ替わっていたらしく、交換したトランスミッターを腰につけてようやく開始。1曲目はファーストアルバムから「This Love Is Fucking Right!」。

たぶん演奏曲名が全然わからないだろうと予想した僕は、前日一夜漬けで自分の持っている3枚のCDをちゃんと歌詞を読みながら聴いて予習し、ついでに直近のオーストラリア・ツアーのセットリストを調べていたから、おおよその曲順は予想がついていた。このオープニングも最近のツアーセットそのままの予想どおり。

時々あいさつや感謝の言葉を入れる以外はほとんど曲間もなくどんどん進行していく。僕が聴いていた場所が比較的スピーカーの近くだったということもあって、かなりの爆音。まあ、この手の音楽を小さい音で聴いてもしょうがないからね。轟音に体を委ねる心地良さ。

一応予備の楽器もステージ上には置いてあったけど、最後まで全員が同じ楽器を使い続けた。キップは白のフェンダー・マスタング。アレックスも白いマスタング・ベース。ペギーが赤いノード(赤以外って見たことないけど)。ドラムキットは覚えてないや。セカンドアルバムから新加入のセカンドギタリスト、クリストフは黒いスタインバーガー。スタインバーガーのギターの音を生で聴くのは僕は初めてだったんだけど、あんなにギシギシしたメタリックな音が鳴るんだね。

どちらかというとファースト・アルバムの曲を軸にしてライヴが進行(一夜漬けの甲斐あって、だいたい演奏し始めた曲がどのアルバムに収録されているかぐらいは聴いててわかった)。なかでも、8曲目に演奏したファーストからの疾走ナンバー「Come Saturday」から「Young Adult Friction」、そして疑似モータウンみたいなビートの「A Teenager In Love」という流れが最高だった。似たような曲調ばかりなんてさっき書いてしまったけど、こうして聴くとしっかり盛り上げるべきところにいい曲を持ってきているね。

その3連発の後かな、キップがやっと長いMCを入れたのは。「このあとアシカを観に行ってDJをするんだ。モスコミュールとチューハイ飲んで」とか言ってたから何のことだろうと思って、帰ってから調べてみたら、シー・ライオンズという同じレーベルのバンドが来日していて、この同じ夜にパーティーをやってたんだね。

「日本にはいいものが沢山あるけど、いちばん気に入ったのはレインボーバスとチューハイ。ストロングゼロ、8%」とか言ってたね。レインボーバスって何だ?観光してたのかな。そういえばアメリカにはきっと缶入りのチューハイなんてないよな。

キップに続いてペギーがMC。ところが、ペギーが喋ってるのにかぶせて新人がギシギシとうるさいギターを鳴らして調弦。なんて間の悪いやつなんだ。キップが思いっきり睨みつけてたね。

本編は12曲、わずか40分ほどで駆け抜けた。アンコールの拍手に応えてキップが一人で登場。ファーストアルバムのオープニング曲「Contender」をエレキで弾き語り。アルバムとは全然違うアレンジなのに、これが全然違和感なし。これを聴いて、いかにこのバンドがこの人のワンマンバンドなのかということに気づいた。アルバムもライヴもびっしりと音の壁を築いて構築しているけど、素はこの人のギターとメロディアスな唄だけだということ。アソビ・セクスもそうだったけど、こういうシューゲイザー・バンドがアクースティック・アルバムを作ると意外に曲のよさが引き立ったりするよね。TPOBPAHのアクースティック・アルバム、いつか聴いてみたいな。

アンコール2曲目からメンバー全員が再登場。3曲目、彼らの曲の中で唯一ギターソロのある「Everything With You」でソロを弾くのはやっぱりキップ。うん、ワンマンバンドだね。最後にアルバム『Belong』の最終曲「Strange」で締め、終了後に続いていたフィードバックノイズがぶつっと途切れたところでおしまい。アンコール込みできっちり1時間。アルコール度8%のチューハイみたいにきりっとすっきりしたライヴだった。

日本公演直前のオーストラリア・ツアーや、その前のヨーロッパ・ツアーのセットリストを見ても、だいたい本編10曲程度、アンコールも演ってなかったりしたようなので、本編12曲+アンコール4曲というこの日のライヴは、短かったとはいえ彼らの基準から見ると長いライヴだったのかも。

物販でサイン入りCDとかポスターとか売ってたけど、とてつもない人ごみで近づく気にもなれず(おまけに、クアトロの物販って喫煙所のすぐ隣にあるから、いくら扉付きの喫煙所でも煙がもれてくるから長時間立ってたくないんだよ)。

外に出ると、雪が降り出していた。遅めの晩飯を求めて渋谷の街をさまよっていると、どんどん大粒のボタ雪に変わっていく。楽しい。最近ライヴの後に雪の中を歩くことが多いね。次のライヴはもう3月だからきっともう少し暖かくなっているはず。


Setlist 17 February 2012 @ Shibuya Club Quattro

1. This Love Is Fucking Right!
2. Belong
3. Higher Than The Stars
4. The Tenure Itch
5. Heart In Your Heartbreak
6. Say No To Love
7. Falling Over
8. Come Saturday
9. Young Adult Friction
10. A Teenager In Love
11. Heaven's Gonna Happen Now
12. The Pains of Being Pure at Heart

[Encore]
1. Contender
2. My Terrible Friend
3. Everything With You
4. Strange
posted by yas at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする