出張続きの合間を縫って、会社帰りに新宿のタワーレコードに立ち寄った。JR東南口を出たところでビートルズのチラシを受け取り(ティッシュは受け取らないけどこういうのはもらう)、その日が9月9日だったことに気づいた。
あの建物は待っても待ってもエレベーターが来ないので、そのままエスカレーターの右側を歩いて上がる。左側の人たちには「ビートルズのCDを急いで買いに行く人」だと思われているんだろうか。JR改札がある2階から、タワーの一番下の階(7階)まで上るだけでも結構な運動。この日はそのまま最上階の10階まで。
さすがに凄いね。全階のBGMがビートルズ。それも館内放送とかじゃないから、それぞれの階で違う曲がかかってる。7階のイベントスペースではコピーバンドが演奏してるし。
今回のリマスターCDは、いつも回遊しているいくつかのブログなどでも沢山取り上げられているし、あちこちで随分前から相当な話題になっていたのはもちろん知っていたけど、どうも個人的にはそれほど盛り上がらず。
87年版のCDは(何故かファースト以外は)出てすぐに全部揃えたし、その後あれこれ出たCDも、確か赤盤青盤以外は全部家にあるけど、家でビートルズを聴くことってもうほとんどないからね。とりあえず今はいいかって感じ。
初日のタワーにそんなに人が群がっていた理由の一つであったであろう話題のモノボックスにしても、なんだか初回限定生産というその発売方法が嫌で。こんな確実に需要の方が大きい商品、予約販売や初日に買った人のうち何割かはきっとオークションとかで一儲けしてやろうという考えに決まってる。こんな売り方して、アーティスト、レコード会社、ファンの誰がハッピーなんだろう。試しにヤフオクでちょっと見てみたら、もう数十件出てるし、アマゾンの中古マーケットでも最安値で5万円強だ(定価は39,800円)。
もちろん各階でかかっているBGM自体には罪はないので、それはそれで心地良く耳にしながら、目的の10階書籍コーナーへ。

この日のお目当ては、界隈のグレン・ティルブルックのファンの間でしばらく前から話題になっていた、MOJO10月号。付録CDが『Abbey Road Now!』という、いろんなアーティストが『Abbey Road』全曲をカバーしたというCD。
MOJOなんて、まだNZにいた頃に07年の2月号を買って以来、2年半振り。あのときは『Love Will Tear You Apart』っていうジョイ・ディヴィジョン絡みのコンピCDに釣られたんだった。
さて、その『Abbey Road Now!』、グレン以外の有名どころではロビン・ヒッチコックやゴメス、コーナーショップといった人たちが参加しているが、こういうコンピCDの例に倣って、ほとんどは知らないアーティストばかり。掘り出し物はあるかな。というわけで、数回聴いてみた上での一言コメント。
1.Come Together インヴィジブル (The Invisible)頭からいきなり意表突かれる。アンビエントというかトリップ・ホップというか、とにかく原曲のゴリゴリ感を完全に取っ払ったアレンジ。スペイシーな電子音とベースの絡みが秀逸。
2.Something レジャー・ソサエティ (Leisure Society)キンコンと可愛い音の鳴る打楽器と、ストリングスとウクレレで奏でられるイントロを聴いただけで、これが掘り出し物だというのはすぐにわかる。ギターソロのラインをなぞるウクレレのソロもよし。
3.Maxwell's Silver Hammer レッツ・レッスル (Let's Wrestle)んー、これはダメ。「ちょっとローファイ風に演ってみました」ってつもりだろうけど、世の中には星の数ほど存在するビートルズのカバー、そんなにハードル低くないよ。
4.Oh! Darling ブロークン・レコーズ (Broken Records)こいつはどうしたものか。演奏も声もわりと僕好みだけど、“陰鬱な「Oh! Darling」”というものの捉え方が難しい。オリジナル曲を聴いてみたくなったので、
xiaoさんのブログに載ってたアルバムを買ってみようかな。
5.Octopus's Garden ジェフリー・ルイス (Jeffrey Lewis)前曲の陰鬱な雰囲気を払拭するためだけに配置されたようなこれが間髪入れずに入ってくる。ちょっと冗談ぽい曲を早口で歌うときの
ジョン・ウェズリー・ハーディング、てな感じで、嫌いではない。
6.I Want You (She's So Heavy) ロビン・ヒッチコック (Robyn Hitchcock)グレンと並んで界隈では話題になってるこの人の参加だけど、僕はそれほど思い入れがないので淡々と。それにしてもジョンそっくりの声だね。原曲まんまのストレートなカバーにテルミンのソロ。オバケの音。
7.Here Comes The Sun チャーリー・ドア (Charlie Dore)ちょっとハワイアンというか、レゲエ調というか、ジャック・ジョンソン一味というか。スラックキー・ギターとウクレレの音がとても心地良いけど、2と違ってこれは今の僕にはちょっと緩すぎかな。
8.Because マーティン・ジョン・ヘンリー (Martin John Henry)原曲の綺麗なハーモニーを再現、プラスアルファという演奏。悪くはないけどすごくいいわけでもない。申し訳ないけどここまで来ると次の曲のこと考えてしまってるからね。順番負け。
9.You Never Give Me Your Money グレン・ティルブルック・ウィズ・ナイン・ビロウ・ゼロ (Glenn Tilbrook with Nine Below Zero)何故かフラッファーズとではなく、80年代のパブロック仲間(なのかな?他に接点が思いつかない)との共演。間奏のハーモニカが格好いいね。(おそらく)グレン自身によるギターソロも当然格好いいけど。
アビーロードB面組曲の頭を飾るこの曲はそれ自体でミニ組曲っぽい作りだけど(「Band On The Run」の祖先?)、その最初の部分はグレンも結構抑えた歌い方で、なんかあっさりしすぎかなと思った。
けど、“Out of college〜”の辺りから次第に盛り上がり、ソロ後の“One sweet dream〜”からはもういつものノリノリのグレン。これ生で聴いてみたいな。
実は僕はいつも頭の中でこの曲を歌ってるとき、最初のヴァースからすぐ「Carry That Weight」につなげてしまって、てっきりこのB面メドレーの中ではこの曲は1分ぐらいだと思い込んでしまっていた。
だから、グレンがこれを選んだと知ったときには「なんだそんな短い曲なのか」と思ったけど、もちろんこれはオリジナルに近い4分の演奏で、大満足。
曲後半もたっぷりグレンのソロを満喫。オリジナルはここからサウンド・エフェクトも含めてメドレーになるんだけど、いろんなアーティストの寄せ集めのこのCDは当然それぞれが独立。
10.Sun King ゴメス (Gomez)でも律儀にSEから始まるこの曲。確か僕は2枚組のベスト盤だけ持ってるこのバンド。原曲の不思議な雰囲気を壊さず、素直にボワーッと仕上げてて、しかもちゃんと聴かせるのはさすがベテランの味。
11.Mean Mr Mustard / Polythene Pam コーナーショップ (Cornershop)僕は結構好きなバンドで、02年の『Handcream For A Generation』なんてよく聴いたな。もっとバンドの持ち味である南アジア風味に仕上げてくれてもよかったのにと、インド帰りの身としては素朴な感想。
12.She Came In Through The Bathroom Window カリーマ・フランシス (Karima Francis)惜しいなあ。アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズにも通じる荘厳な歌と演奏はかなりの風格だとは認めるけど、B面メドレーで一番カタルシスを感じるはずのこの曲でこれはちょっと肩すかし。
13.Golden Slumbers ブルー・ローゼス (Blue Roses)さらに荘厳なのが続く。歌い出しのキー間違えたんじゃないの?と思うほどのソプラノ・ボイスが、サビの部分で朗々と歌い上げるという感じ。悪くはないけど、好みじゃない。ごめん。
14.Carry That Weight ノア・アンド・ザ・ホェール (Noah And The Whale)ポツポツとした歌いかたと、どこかの廃屋で録ったんじゃないかと思うようなアレンジは結構好きだな。要チェック。それにしても、12〜14と続いて、このB面メドレーちっとも盛り上がらないね。
15.The End ルース・サルート (Loose Salute)そこをなんとか一所懸命盛り上げようとしてくれてるのはわかるんだけど、この曲もこう見えて結構ハードル高いんだよ。敢闘賞。きっといいバンドなんだろうけど、出会いが悪かった。
16.Her Majesty ロウ・アンセム (The Low Anthem)オリジナルとは違って15からすぐに続くこれ。これ以外にどう演奏しようもないというカバー。このバンドも別に悪くないとは思うんだけど、30秒では判断不可。またどこかで会おうね。
ちょっとグレンのとこだけ六言になってしまったけど、まあ文句言う人はいないよね。いろいろネガティブに書いたところもあるけど、全体的にはそこそこ気に入ってるよ。価格も良心的だったしね。
日本のものも含めて音楽雑誌って久し振りに買ったけど、なんか、いいね。大特集のビートルズやプリファブ・スプラウトなどの長編記事はまだ全然読んでないけど、こまごました囲み記事とか広告に惹かれる。
へえ、ポール・ウェラーの次のアルバムでブルース・フォクストンがベース弾いてるんだ。一体どんな屈辱的な扱いを受けてるんだろう(笑)とか。
ちょうど今イギリスで
レイ・ラモンターニュのツアーをやってて、サポートしてるのが
ジョシュ・リターか。いいなあ、そんな組み合わせで観られたら最高なのにな、とか。
7 Worlds Collideという聞き覚えのある名前の広告が。
ニール・フィンのライヴ盤のタイトルだよな、と思っていたら、なんとあの時みたいにまたニールがお友達集めてアルバムを作ったのか。
以前
記事にしたOxfamへのカンパを目的にまた友達を集めてライヴをし、アルバムも作ったという話。ライヴは今年の1月にオークランドだったのか。僕がいた時期とはかすりもしてないけど、なんか悔しい。
お馴染みのメンバーは、ジョニー・マー、ウィルコ御一行、レディオヘッド御一行、NZ友達のビック・ルンガ、ドン・マグラシャン、などなど。エディ・ベダーは今回はパスか。新譜のレコーディングで忙しかったのかな。
お兄ちゃんのティムと息子のリアムはもちろん、Finn姓の人間が他にも沢山。リアムの兄弟姉妹なのかな。あと、ナイル・マーとスペンサー・トゥイーディーってのはそれぞれジョニーとジェフの息子か。
これは早速買おう。前のライヴ盤も結構よかったし(ニール・フィンが歌い、ジョニー・マーがギターを弾く「There Is A Light That Never Goes Out」なんて鳥肌ものも入ってるよ)。
あ、限定2枚組も出てるって書いてあるぞ。2枚目はオークランドでのライヴか。もちろんこっちにしよう。アマゾンでは売切れてるけど、まだそんなに入手困難ってほどでもなさそうだし。
なんだかとりとめもなくダラダラと、Twitter換算で40つぶやき分ぐらい?書いてみた。明日からまたしばらく出張なので、そろそろパッキングでもしようかな。